日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

郵政民営化へ「刺客」稲田氏が出馬 チルドレン、今や党三役に

2015年01月04日 | 国内:政治&選挙
〔15.1.4.日経新聞:政界面〕

05年衆院選に初出馬する稲田氏(右)と安倍幹事長代理(当時)

 2005年8月15日。弁護士だった稲田朋美が靖国神社への参拝を終え、参院議員の山谷えり子に連れられ自民党本部を訪れると、幹事長代理の安倍晋三が待っていた。「候補者を立てなければならなくなった。衆院選に出馬してくれないか」

 1週間前、首相、小泉純一郎が命運をかけた郵政民営化法案が参院本会議で自民党議員の造反にあい、否決された。小泉は衆院解散を決断。衆院採決で造反した前職を公認せず、その選挙区に民営化賛成の「刺客」候補を擁立していく。福井1区の候補として稲田に白羽の矢が立つ。

 安倍は「今回は勝てるようにするから。3年たてば小選挙区で勝てるようになる」と説得を試みた。7月、「平和を願い真の国益を考え靖国参拝を支持する若手国会議員の会」で稲田の講演を聞き「なかなか面白い人だ」と評価していた。

 稲田は戸惑う。子育てなどを懸念し、父は猛反対している。しかし、弁護士として日本の伝統や名誉に関する言論活動に励む稲田をそばで見守ってきた夫は背中を押してくれた。出馬要請から2日後の8月17日。党本部で小泉とポスター向けの写真を撮影した。

 福井出身とはいえ、落下傘候補の知名度は低く、選挙は激戦となる。

 「全く知らなかった。初めて会った」。8月18日、福井県連会長で官房副長官の山崎正昭は地元での記者会見で稲田についてこう答えた。2期5年の実績がありながら郵政民営化法案に反対して無所属で出馬した松宮勲は地元でなじまれており、自民党県議らの一部は支援にまわった。

 「本当に大丈夫か」。公示前、安倍が稲田の応援に入りショッピングモールで演説したが、聴衆はわずか20~30人。稲田は「小泉改革の旗手」として訴えていくしかなかった。「改革を続け繁栄するのか、改革を止めて衰退の道を選ぶのか。改革の波を止めてはならない」

 選挙戦を制したのは稲田だった。次点の民主党、笹木竜三を373票差、松宮を5910票差で破る。「奇跡みたい。信じられない」。支援者に深々と頭を下げた。

 それから約10年。小泉チルドレンの一人にすぎなかった稲田は党三役の政調会長になった。衆院選への出馬を働きかけてくれた首相の安倍を、党側から支えている。 =肩書は当時、敬称略 (川手伊織) 

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