8233高島屋、訪日客獲得へ病院と連携 人間ドック客囲い込み

〔15.1.4.日経新聞：企業面〕

　高島屋は訪日外国人の取り込みで医療機関と提携する。人間ドックの受診など医療ツーリズムの利用者に対し、商品やサービスの情報を提供する。2014年10月から店頭のほぼ全ての商品が免税対象となり、関連売り上げが前年比２～３倍に膨らんでいる。訪日客需要の争奪が激しくなるなか、海外の富裕層の獲得で先行したい考えだ。

　海外からの人間ドック受診が多い亀田総合病院（千葉県鴨川市）と組み、１月中旬からサービスを提供する。病院側は商品、サービスを紹介する専用ガイドブックを病室に置き、受診者の要望があれば百貨店の店舗にいるコンシェルジュに引き継ぐ。高島屋東京店（東京・中央）で対応する。

　高島屋は通訳や店内案内の手配などをしておき、受診後に買い物を楽しんでもらう。事前に購入希望品を聞いて商品をそろえておいたり、サロンを使ったりするなど、日本人の外商顧客に近い接客サービスで迎える。

　亀田総合病院は中国からの人間ドック受診が人気になっている。高島屋は上海の店舗で同病院の医療サービスを紹介するなど、相互に協力する。

　14年10月に免税対象が化粧品や食品など消耗品に広がり、百貨店業界は訪日客による購買が急拡大している。高島屋の足元の免税売上高は２～３倍に増えており、14年度累計で110億円と前年度から約５割増える見込みだ。