日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

電力先物 3商品導入 「ピーク時」取引など、16年度に 経産省、価格急変を回避

2015年03月06日 | 相場概況(株式&為替)
〔15.3.6.日経新聞:経済面〕


 経済産業省は2016年度に導入する電力の先物取引で、電力消費量がピークとなる平日昼間の時間帯に絞った商品を上場する方針だ。電力小売りに参入する企業が、ピーク時の急激な価格変動による損失を抑えられるようにする。「夜間を含む平日」「365日24時間」を加えた3商品の導入で将来の電力調達コストを把握しやすくし、小売りへの参入を促す。

 経産省は6日に電力会社や商社、金融機関など16社を集めて電力先物の制度設計を始める。家庭向け電力小売りが自由化される16年4月以降に、先物のノウハウがある東京商品取引所での上場を目指す。電力先物を使えば、電気を調達して家庭に小売りする企業や、発電所を持つ企業が価格変動による損失を抑えられるようにする。

 電気そのものは、すでにある日本卸電力取引所(JEPX)で売買できる。小売りに参入する企業がJEPXでの電力価格が将来上がると考えるなら、東商取で先物を買っておいて損失を回避できるようにする。

 たとえば3月時点で8月の電力価格が「1キロワット時15円」と予想して先物を買っておけば、実際の価格が18円となったときに3円分の調達コストを削減できる。先物売りをしていた企業は3円の損失を被るが、逆に電力価格が下がれば利益を得られる。将来の売買価格を固定したいニーズは大きく、1990年代以降に小売り自由化と並行して先物を導入した欧米では、電力消費量の倍以上の売買もみられる。

 経産省は電力価格が特に上昇する平日の午後1~4時に限定した「ピーク取引」の導入を視野に入れる。猛暑で需要が一気に膨らむ夏の日中などに電力価格も急上昇するリスクに備える。電力を調達する企業のほか、価格上昇を見込んで取引する金融機関の参加も見込み、売買を厚くする。

 夜間を含む平日の取引は、電気の調達コストを長期的に安定させられる。発電した電気の価格を安定させたい製造業などの参入も見込める。土日も含む24時間取引も導入し、様々な価格リスクを避けやすくする。

 電力先物には課題もある。取引を円滑にするには、価格上昇を見込む金融機関などを巻き込み、売買に厚みを持たせる必要がある。半面、投機的な取引で先物価格が乱高下すると、電気を売買しているJEPXの取引価格も不安定になる。

 小売りに参入する企業は現物と先物取引を組み合わせて損失を回避する。先物の変動で足元の電気も値上がりすれば、急な損失が生まれる。

 小売企業の電気の調達が途絶えると、電力供給が不安定になる恐れもある。経産省は先物価格が一定以上の振れ幅になるときは売買を止める措置などを導入し、市場を安定させる考えだ。

 6日に始まる協議会にはゴールドマン・サックス証券などから金融の専門家も呼ぶ。経産省は意見を取り入れた上で、6月をメドに電力先物の具体的な制度設計をまとめる考えだ。 

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