〔14.12.30.日経新聞:マーケット総合2面〕
29日のアジア株式市場は上昇が目立った。なかでも中国・上海市場は3日続伸し、取引時間中に上海総合指数が約4年11カ月ぶり高値を記録する場面があった。中国人民銀行(中央銀行)が銀行の融資規制緩和を通知し、金融緩和の恩恵を受けやすい不動産株などが上昇した。
上海総合指数の29日終値は前週末比0.3%高の3168だった。「預貸比率規制」と呼ばれる銀行の融資規制の見直しが買い材料となった。
中国では銀行は預金総額の75%までしか融資できない。この規制が中小企業や民営企業の資金調達難の一因になっていた。人民銀は預金の定義を従来より広げ、銀行の貸し出し余力を高める。
準大手の東北証券によると、今回の規制緩和により「銀行の貸し出し可能額は、理論的には6兆~7兆元(約120兆~140兆円)増える」という。
これを受けて上海市場では不動産株が買われた。不動産株指数は同5.8%高と急上昇し、終値ベースで5年5カ月ぶり高値を付けた。
国家統計局が27日発表した11月の工業分野の一定規模以上の企業の利益は前年同月比4.2%減と2年3カ月ぶりの低水準だった。中国の実体経済の減速が続くなか、人民銀が次々と打ち出す金融緩和に対する期待の高まりが中国株高の原動力となっている。 (上海=土居倫之)
29日のアジア株式市場は上昇が目立った。なかでも中国・上海市場は3日続伸し、取引時間中に上海総合指数が約4年11カ月ぶり高値を記録する場面があった。中国人民銀行(中央銀行)が銀行の融資規制緩和を通知し、金融緩和の恩恵を受けやすい不動産株などが上昇した。
上海総合指数の29日終値は前週末比0.3%高の3168だった。「預貸比率規制」と呼ばれる銀行の融資規制の見直しが買い材料となった。
中国では銀行は預金総額の75%までしか融資できない。この規制が中小企業や民営企業の資金調達難の一因になっていた。人民銀は預金の定義を従来より広げ、銀行の貸し出し余力を高める。
準大手の東北証券によると、今回の規制緩和により「銀行の貸し出し可能額は、理論的には6兆~7兆元(約120兆~140兆円)増える」という。
これを受けて上海市場では不動産株が買われた。不動産株指数は同5.8%高と急上昇し、終値ベースで5年5カ月ぶり高値を付けた。
国家統計局が27日発表した11月の工業分野の一定規模以上の企業の利益は前年同月比4.2%減と2年3カ月ぶりの低水準だった。中国の実体経済の減速が続くなか、人民銀が次々と打ち出す金融緩和に対する期待の高まりが中国株高の原動力となっている。 (上海=土居倫之)