〔14.12.30.日経新聞:マーケット総合2面〕
株式市場で株価指数などに連動する上場投資信託(ETF)の取引が膨らんでいる。2014年のETFの売買代金は29日までの累計で30兆円。前年比6割増え過去最高だ。値動きが指数の2倍になる「レバレッジ型」が個人投資家の間で人気になったほか、海外株や外国債券などのETFを売買し、分散投資に活用する動きも広がっている。
ETFは株式や債券、商品などの指数に連動した値動きを目指す上場投信だ。通常の株式と同じように取引ができ、市場全体と同じ値動きを狙える利点から、個人、機関投資家の双方で利用が広がっている。東証1、2部合計の売買代金に対するETFの売買代金の比率は5.8%。前年から2.5ポイント上がった。
中でも資金を集めているのがレバレッジ型だ。値動きが日経平均株価の2倍になる「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」が人気で、29日も売買代金が1177億円と東証全体のトップだった。14年累計の売買代金は18兆円と前年比2.4倍、純資産総額は2800億円超と昨年末比で2倍に増えた。
個人が頻繁に売買して値幅取りを狙うほか、「信用取引を使ってレバレッジをかける動きもある」(カブドットコム証券の臼田琢美氏)。
短期投資だけでなく、中長期の視点から海外株や債券、商品のETFを幅広く買って分散する動きもある。例えば、中国・上海50指数に連動するETFは昨年末比95%上昇し、売買代金も2割増えた。海外債券のETFも堅調。日本株だけよりも収益機会が広がるとの期待がある。
機関投資家が指数との連動を目指すパッシブ運用に切り替える動きも背景にある。「海外の長期投資家も取引の厚みがあるETFに資金を振り向けている」(野村証券の塩田誠氏)。日銀がETFを買い入れ対象としたことも取引を呼び込む要因になっている。
もっとも、ETFばかりの市場になると「個別企業の分析をもとに適正価値を見いだす市場本来の機能が働かなくなりかねない」(大和証券の壁谷洋和氏)との指摘もある。
株式市場で株価指数などに連動する上場投資信託(ETF)の取引が膨らんでいる。2014年のETFの売買代金は29日までの累計で30兆円。前年比6割増え過去最高だ。値動きが指数の2倍になる「レバレッジ型」が個人投資家の間で人気になったほか、海外株や外国債券などのETFを売買し、分散投資に活用する動きも広がっている。
ETFは株式や債券、商品などの指数に連動した値動きを目指す上場投信だ。通常の株式と同じように取引ができ、市場全体と同じ値動きを狙える利点から、個人、機関投資家の双方で利用が広がっている。東証1、2部合計の売買代金に対するETFの売買代金の比率は5.8%。前年から2.5ポイント上がった。
中でも資金を集めているのがレバレッジ型だ。値動きが日経平均株価の2倍になる「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」が人気で、29日も売買代金が1177億円と東証全体のトップだった。14年累計の売買代金は18兆円と前年比2.4倍、純資産総額は2800億円超と昨年末比で2倍に増えた。
個人が頻繁に売買して値幅取りを狙うほか、「信用取引を使ってレバレッジをかける動きもある」(カブドットコム証券の臼田琢美氏)。
短期投資だけでなく、中長期の視点から海外株や債券、商品のETFを幅広く買って分散する動きもある。例えば、中国・上海50指数に連動するETFは昨年末比95%上昇し、売買代金も2割増えた。海外債券のETFも堅調。日本株だけよりも収益機会が広がるとの期待がある。
機関投資家が指数との連動を目指すパッシブ運用に切り替える動きも背景にある。「海外の長期投資家も取引の厚みがあるETFに資金を振り向けている」(野村証券の塩田誠氏)。日銀がETFを買い入れ対象としたことも取引を呼び込む要因になっている。
もっとも、ETFばかりの市場になると「個別企業の分析をもとに適正価値を見いだす市場本来の機能が働かなくなりかねない」(大和証券の壁谷洋和氏)との指摘もある。