日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

点検IPO(6) 6077 N・フィールド 規模拡大へ人材育成急ぐ 精神疾患に特化した訪問看護

2015年03月31日 | 34.IPO銘柄
〔15.3.31.日経新聞:投資情報面〕


 大阪を拠点に精神疾患患者向け訪問看護を手がけるN・フィールド。2013年8月の東証マザーズ上場時から1年7カ月たち「上場時にあった過剰な成長期待が一巡した」というのが、目下の市場の見方だ。

 310円の初値(株式分割考慮後)は上場後1年で2000円台まで上昇した。その後さえない展開に転じ、足元では1500円を中心にしたボックス圏の値動きだ。

 事業規模は拡大している。統合失調症や薬物依存症の患者を訪ね、医師の指示通りに薬を摂取してもらう服薬管理を行う。精神疾患患者の在宅治療の普及で、利用者は4000人超と過去2年で倍増した。看護師などが詰める拠点数を年20~30カ所増やしている。

 懸念材料は採算悪化。15年12月期の営業利益は3割増の約6億円を見込むが、拠点増設に伴う費用負担増で営業利益率は1ポイント強低下しそう。拠点数は現在20都道府県の80カ所だが、全国47都道府県への進出を掲げており、当面は費用負担が重い局面となる。

 「次の1~2年で全国展開の布石が打てれば、成長期待が再び高まる」(国内証券アナリスト)との見方はある。利用者予備軍は多い半面、競合は少なく、展開地域の拡大に比例しての売り上げ増が期待できる。担当範囲が狭まれば移動距離が減り、効率的な訪問看護も可能になる。

 課題となるのが中間管理職の育成だ。野口和輝社長は「看護師の上に立つのは看護師であるべき」との考えから、看護師から事業部門の部長級を育てる方針だ。だが看護師が経営を学ぶ機会は少なく、「管理職研修の内容を充実させることが重要」(野口社長)になる。事業規模拡大に見合った幹部人材の育成スピードが、今後の成長の鍵を握りそうだ。

(おわり)

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