日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

5401 新日鉄住金、純利益26%減 今期 油田向け鋼管で減損処理 資源安、採算改善も

2015年01月30日 | 12.鉄鋼
〔15.1.30.日経新聞:投資情報2面〕
 
右:原油安で資源関連鋼管の収益見通しが悪化している(減損対象となったブラジルの合弁製鉄所)

 新日鉄住金は29日、2015年3月期の連結純利益が前期比26%減の1800億円になる見通しだと発表した。原油価格の急落で油田掘削用のシームレス(継ぎ目なし)鋼管を生産する持ち分法適用会社を減損処理し、686億円の特別損失を計上した。ただ資源価格の下落は鋼材生産の採算改善にも寄与しており、株式市場ではプラス面を評価する声も多い。

 「エネルギー需要が伸び、原油価格が1バレル100ドル前後で推移する前提だったのだが……」。会見した太田克彦副社長はこう語った。

 減損対象としたのは仏鉄鋼大手バローレックとの合弁「VSB」(ブラジル)。新日鉄住金グループの出資比率は40.4%だ。汎用品生産の主力の海外拠点と位置づけている。11年に生産を始め、フル生産を目指していた段階だったが、事業環境の悪化で株式の簿価を約8割引き下げた。

 このため29日に発表した14年4~12月期決算で純利益は前年同期比20%減の1535億円となり、通期の純利益予想の下方修正につながった。

 同社は「中長期的にシームレス鋼管の需要は拡大する」(太田氏)と述べ、付加価値の高い製品への進出などでVSBの収益強化に取り組む考えを示した。VSBや関係会社でほかに追加で減損計上する可能性はないとも説明している。

 今回の損失計上について市場では比較的冷静に受け止める声が多い。野村証券の松本裕司アナリストは「減損は一過性。むしろ本業の鋼材生産の収益力の改善を評価したい」と指摘する。

 新日鉄住金はこの日、今期の経常利益予想を前期比14%増の4100億円と従来予想から引き上げている。国内の景気低迷で粗鋼生産量は前期比1%減と従来予想を100万トン下回るが、鋼材の原料の鉄鉱石価格が低下し利幅が広がった。

 市場では「鋼材の利幅改善や鋼材需要の持ち直しで、16年3月期は収益拡大を見込む」(大和証券の五百旗頭治郎アナリスト)という声も多い。 

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