日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

(株の需給統計) 投資家の動き統計で追跡 株需給、相場の方向性示す

2015年01月17日 | 投信&その他運用
〔15.1.17.日経新聞:M&I 1面〕


 国内総生産(GDP)や日銀短観、米雇用統計……。株価を動かす統計データは数多い。それとは別に、株式市場で「誰が」「どれだけ」「どんな相場観で」売買しているかを映す「需給統計」と呼ばれるデータがある。毎週発表される3つの統計を追い、市場の「うごめき」を捉えよう。

 まず、東京証券取引所が毎週、原則木曜日に発表する「投資部門別株式売買状況」。誰がどれだけ日本株を売買したかが分かる。個人、金融機関、海外投資家などの投資主体ごとに動きを集計する。

 最大の利点が日本株の売買代金の約7割を占める海外投資家の動向が見えることだ。前週分とはいえ「やはり買っていたな」「売り越しに転じたのか」と、浮き彫りになった彼らの一手を分析できる。

 例えば昨年10月31日の日銀のサプライズ緩和の局面。その日の日経平均株価は大引けにかけて急騰、755円の大幅高を演じた。翌週発表された10月第5週(27~31日)の投資部門別のデータを見ると、案の定、海外投資家の買越額(東京・名古屋2市場の1部2部、新興企業向け市場の合計)は、5363億円と前の週(257億円)から急増している。株価と連動性の高い海外投資家の投資姿勢を確認するのに役立つ。

 一方、個人投資家の動きが見えるのが「信用取引現在高(一般信用取引・制度信用取引別)」というデータ。限られた元手で証券会社などから株式や資金を借りて売買する信用取引の状況が分かる。

 色々な見方が出来るが、例えば「信用買い残」に注目する手がある。買い残とは信用取引を使って買った未決済の株式の残高のこと。信用取引は6カ月以内に反対売買するのが基本だから、買い残が多ければ、近く逆に売り圧力が高まる展開が予想される。市場全体のデータに加え、銘柄ごとに確認できるから、先行きを予測して投資タイミングを計る際にも参考になる。

 最後に、若干テクニカルだが「裁定買い残」も知っておこう。裁定取引とは、先物と現物との価格差を利用してもうける手法のこと。価格の安い方を買うと同時に高い方を売って利ざやを稼ぐ。

 例えば海外投資家が日経平均先物に大口の買いを入れているような局面で、買われ過ぎて割高になった先物を売り、現物の日経平均を買っておく。この残高を裁定買い残と呼ぶ。裁定取引も反対売買が基本なので、現物株の買い残は「裁定解消売り」を通じた将来の売り圧力の芽といえる。特に相場の下落局面では、先行して下げた先物との間の裁定解消売りで、現物株に売り注文がかさみ、株価下落に拍車をかけることがある。「需給統計で相場特性を分析することは将来の投資スタンスを決めるのに重要」(SBI証券の鈴木英之投資調査部長)だ。 (佐藤亜美) 

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