日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

出遅れ株の修正一巡 銀行・不動産など上昇鈍化 個別株に買い集中鮮明

2015年03月04日 | 株式全般
〔15.3.4.日経新聞:マーケット総合2面〕
 

 株式市場で出遅れ銘柄を底上げする動きが一巡してきた。銀行や不動産など内需株が先導した2月の相場から変わり、ここにきて、個々の銘柄に資金が集中する動きが鮮明だ。円安の恩恵を受ける銘柄がまず上げ、高配当株に波及、さらに内需株の底上げで水準を切り上げてきた日本株だが、次のけん引役を手探りする状況にある。

 この日の物色は局所的だった。小野薬品工業が11%高と急伸、売買代金も前日の4倍超に膨らんだ。クレディ・スイス証券が2日のリポートで、新薬の来期以降の収益貢献を予想し、投資判断や目標株価を引き上げたのが材料視された。ピジョンにも資金が集まり、13%高。2016年1月期も連結純利益が過去最高となる見通しを発表したのが評価された。

 市場全体に方向感が乏しく、「手掛かりを何とか見つけている状況」(ファイブスター投信投資顧問の大木昌光運用部長)。このため、明確な好材料のある銘柄は値動きが大きくなっている。前日に米ナスダック総合株価指数が15年ぶりに5000を超えたが、指数全体では反応が鈍かった。

 昨年秋から続く株高で物色の流れは変化してきた。11月は輸出株が主導し、1月は高配当株がけん引したのが、2月には出遅れていた銀行や不動産に裾野を広げる流れで日本株が上昇してきた。しかし、底上げも3月に入って一巡し、けん引役を見失いつつある。

 物色銘柄が短期間で変わりやすくなっているのも最近の傾向だ。個々の材料や株価水準の評価よりも、市場の需給面に左右される場面も目立つ。ビスタマックス・ファンド・アドバイザーズの藤原正邦代表は「公的年金とみられる買いの影響を受けやすくなっている」とみる。

 ここまで大きな調整もないまま日経平均が切り上げてきたこともあり、高値警戒感がじわりと出ている。マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは「今の過熱感が落ち着くには日柄調整が必要で、その間は方向感のない展開が続きそう」とみている。

 手探りの物色の状況から抜け出すとすれば、まずカギになりそうなのは春の賃上げの行方だ。みずほ投信投資顧問の柏原延行執行役員は「個人消費が刺激されれば景気回復の足取りが鮮明になるとの期待から、内需株が再評価される」とみる。

 一方で、海外市場も重要な市場の関心だ。特にドル高などの影響をしのいで米景気の拡大に勢いがつくようなら、日本の輸出株が再び買われる展開も考えられる。 

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