(7/8日経企業総合面)
大手商社が航空会社に航空機を貸し出すリース市場に照準を定めている。三菱商事はグループで航空機の保有資産を50億ドル(約6000億円)と2.2倍に引き上げるほか、三井物産もリース用エンジンの保有額を倍増する。丸紅は100席強の最新小型機を新規に最大50機調達する。2020年には世界を飛ぶ民間旅客機のうち約半分がリース機になる見通しで、各社は旺盛な需要を取り込む。

三菱商事はエアバスのA320などを中心にリースしている
世界では格安航空会社(LCC)や新興の航空会社が台頭、運航機材を増やしている。ただ、LCCは資金力が乏しく機体メーカーは与信管理が難しい。LCCにとっても借り入れで機体を保有しても高い稼働率を保てなければ資金繰り悪化などのリスクを抱える。
こうした市場動向を背景に世界では航空機リース会社が事業を拡大。首位のオランダのエアキャップや米ゼネラル・エレクトリック(GE)のリース事業子会社などは保有機数を増やしており、日本勢も追撃する。
三菱商事子会社のMCアビエーション・パートナーズと、同社と長江実業集団(中国)の合弁会社が現在計66機、約23億ドル分の航空機を運用している。三菱商事はこれを20年までに50億ドルまで増やす。
現在欧州エアバスの小型機「A320」や米ボーイングの同「B737」を中心にリースしているが、品ぞろえを強化するため中大型機「350XWB」や同「787」なども調達する。中古機の売却も進めながら資産効率を高め、総資産利益率(ROA)で2%を安定確保する。
三井物産は米エンジンリース大手との合弁会社を通して保有するエンジンの資産額を約6億ドルに倍増させる。GEや米プラット&ホイットニー(P&W)の小型、中型機用エンジンを調達。航空会社がエンジンを数カ月かけて整備・補修する際、交換用としてリースする。
丸紅が21%弱を出資する筆頭株主の米エアキャッスルは100席強の「リージョナルジェット機」を新規調達する。エンブラエル(ブラジル)と次期主力機「E190(195)E2」を最大50機発注する契約をこのほど結んだ。
同機は従来より燃費を16%以上改善したのが特徴。1座席当たりコストを減らしたい航空会社向けにリース営業を強化する。
▼運航機体、20年で2倍へ
日本航空機開発協会(東京・千代田)によると、世界で運航されるジェット旅客機数は2034年に3万7147機と14年から約2倍に達する見通し。このうち新規製造される機体の種類別では、座席数100~229席の小型機の需要が最も伸びる。
東南アジアや欧州間、中東など近距離の国をまたいで飛ぶ小型機は格安航空会社(LCC)にとって効率運航に最適な機材。欧州エアバスの次期小型機「A320neo」は4000機以上の受注残を抱えている。
リース用小型機市場をけん引するのは金融機関だ。三井住友フィナンシャルグループ系のSMBCアビエーションキャピタルは世界4位の保有資産を持ち、昨秋には米ボーイングから次期小型機「B737MAX」80機を1兆円規模(定価ベース)で発注した。
航空機リース市場は欧米勢が上位を占め、商社の運用規模は大きくない。ただ航空旅客市場は景気変動の波を受けにくく、需要を掘り起こしたLCCが機体調達を一段と増やす。商社はこれを好機ととらえ、中古機売却も含め収益性の高い機体の運用を目指す。
大手商社が航空会社に航空機を貸し出すリース市場に照準を定めている。三菱商事はグループで航空機の保有資産を50億ドル(約6000億円)と2.2倍に引き上げるほか、三井物産もリース用エンジンの保有額を倍増する。丸紅は100席強の最新小型機を新規に最大50機調達する。2020年には世界を飛ぶ民間旅客機のうち約半分がリース機になる見通しで、各社は旺盛な需要を取り込む。


三菱商事はエアバスのA320などを中心にリースしている
世界では格安航空会社(LCC)や新興の航空会社が台頭、運航機材を増やしている。ただ、LCCは資金力が乏しく機体メーカーは与信管理が難しい。LCCにとっても借り入れで機体を保有しても高い稼働率を保てなければ資金繰り悪化などのリスクを抱える。
こうした市場動向を背景に世界では航空機リース会社が事業を拡大。首位のオランダのエアキャップや米ゼネラル・エレクトリック(GE)のリース事業子会社などは保有機数を増やしており、日本勢も追撃する。
三菱商事子会社のMCアビエーション・パートナーズと、同社と長江実業集団(中国)の合弁会社が現在計66機、約23億ドル分の航空機を運用している。三菱商事はこれを20年までに50億ドルまで増やす。
現在欧州エアバスの小型機「A320」や米ボーイングの同「B737」を中心にリースしているが、品ぞろえを強化するため中大型機「350XWB」や同「787」なども調達する。中古機の売却も進めながら資産効率を高め、総資産利益率(ROA)で2%を安定確保する。
三井物産は米エンジンリース大手との合弁会社を通して保有するエンジンの資産額を約6億ドルに倍増させる。GEや米プラット&ホイットニー(P&W)の小型、中型機用エンジンを調達。航空会社がエンジンを数カ月かけて整備・補修する際、交換用としてリースする。
丸紅が21%弱を出資する筆頭株主の米エアキャッスルは100席強の「リージョナルジェット機」を新規調達する。エンブラエル(ブラジル)と次期主力機「E190(195)E2」を最大50機発注する契約をこのほど結んだ。
同機は従来より燃費を16%以上改善したのが特徴。1座席当たりコストを減らしたい航空会社向けにリース営業を強化する。
▼運航機体、20年で2倍へ
日本航空機開発協会(東京・千代田)によると、世界で運航されるジェット旅客機数は2034年に3万7147機と14年から約2倍に達する見通し。このうち新規製造される機体の種類別では、座席数100~229席の小型機の需要が最も伸びる。
東南アジアや欧州間、中東など近距離の国をまたいで飛ぶ小型機は格安航空会社(LCC)にとって効率運航に最適な機材。欧州エアバスの次期小型機「A320neo」は4000機以上の受注残を抱えている。
リース用小型機市場をけん引するのは金融機関だ。三井住友フィナンシャルグループ系のSMBCアビエーションキャピタルは世界4位の保有資産を持ち、昨秋には米ボーイングから次期小型機「B737MAX」80機を1兆円規模(定価ベース)で発注した。
航空機リース市場は欧米勢が上位を占め、商社の運用規模は大きくない。ただ航空旅客市場は景気変動の波を受けにくく、需要を掘り起こしたLCCが機体調達を一段と増やす。商社はこれを好機ととらえ、中古機売却も含め収益性の高い機体の運用を目指す。