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日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

9064 ヤマト、メール便廃止 「信書」同封の違反防ぐ、小口荷物で新サービス

2015年01月23日 | 21.陸運業
〔15.1.23.日経新聞:消費Biz面〕


 ヤマト運輸は22日、3月末でメール便サービスを廃止すると発表した。メール便に手紙などの「信書」が交ざると、利用者に刑事罰が科される恐れがあり、誤った利用を避けるためだ。メール便事業では信書の取り扱いを巡りヤマトと総務省の間で争点となっている。取り扱いが減っていることもあり、4月から新サービスに移行してテコ入れする。

 ヤマトは1997年から「クロネコメール便」の名称でメール便を全国展開。宅急便より割安な価格で消費者の郵便ポストに届けるのが特長だ。利用客の大半はカタログなどを送付する法人だが、オークションサイトなどの台頭で化粧品など小容量の物品を配送する個人も利用している。

 メール便では信書を扱えない。メール便に信書を同封するなどして、郵便法違反容疑で警察から事情聴取されたり、書類送検されたりするケースがあり、ヤマトの顧客だけで2009年以降、8件発生した。22日に会見したヤマト運輸の山内雅喜社長は「信書の定義や範囲は曖昧で、利用者が知らずに容疑者になるリスクを排除する」と語った。

 ヤマトは発送者に信書が入っていないことを確認して署名をしてもらうなど予防策を講じた結果、ピークの10年度に23億冊だった扱い高は13年度には21億冊弱に減少した。メール便市場は伸びており、日本郵政グループの「ゆうメール」など競合サービスに顧客を奪われた面がある。

 新サービスでは主に法人向けを「クロネコDM便」とし、手紙など信書が入っていないことを確認したうえで受託する。消費者にパンフレットを送付する企業などの利用を想定している。料金は顧客と相対で決めるが、「引き上げることはない」(山内社長)という。

 個人も利用できるものでは、現在の宅急便の最小サイズより一回り小さいサービスを追加する。メール便より料金は上がるものの、時間指定で手渡しするなど付加価値を付ける。さらに料金は未定だが、DVDなどの荷物を住宅のポストに投函(とうかん)するサービスも用意し、配達時に電子メールも送信する。個人客をつなぎ留める。

 ヤマトのメール便事業の売上高は約1200億円。そのうち、9割は法人客で、新サービスへの移行に伴う業績への影響は小さい。個人向けでも「新たな需要を掘り起こしてプラスにしていきたい」(山内社長)とする。

 ヤマトは宅急便の創始者の故・小倉昌男氏が率いていた80年代から、事業の許認可権を持つ官庁と対峙してきた。信書を巡っても、実質的に日本郵政グループが独占していることを問題視。13年12月には信書を書類の大きさで定義する案を総務省の審議会に提出した。ただ、昨年秋に総務省がまとめた規制緩和案などではヤマトの主張は取り入れられなかった。

 メール便サービスを廃止するものの、信書の取り扱いを巡る問題提起は続ける構えだ。今秋には日本郵政グループが株式上場する計画だ。山内氏は「上場企業同士で自由競争をするため、もう一度信書を議論する必要がある」と語った。山内氏は4月にヤマト運輸の親会社のヤマトホールディングス社長に就任する。

▽「信書」とは 
 主にはがきや手紙などを指す。日本郵政グループが実質的に配達を独占しており、郵便法では信書をメール便などで送ると、最高で懲役3年または罰金300万円が科せられる罰則がある。例えば、宅配便で家族に荷物を送る際に手紙も入れると、郵便法違反に問われる可能性がある。ただ、宅配便やメール便の事業者が荷物の中身を確認するのは難しい。

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