日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

地図技術で合従連衡  独車3社がノキア子会社買収へ、自動運転で主導権めざす

2015年07月25日 | 自動運転・運行システム
(日経7/25:国際2面)
 【フランクフルト=加藤貴行】欧州の自動車産業で、自動運転技術に欠かせない「地図」を巡る合従連衡が目立ってきた。BMWなどドイツの高級車メーカー3社は地図・位置情報サービス大手の独ヒアを共同買収する方針を固めたほか、部品メーカーも活発だ。独ボッシュはオランダのカーナビゲーションシステム大手とデジタル地図を共同開発。成長が見込める自動運転について日米企業との開発競争で優位に立つ狙いだ。

 BMW、アウディ、ダイムラーが共同で買収するのはフィンランドの通信機器大手ノキアの子会社ヒアだ。7月中にも合意し、買収総額は25億ユーロ(約3400億円)を超える見通しだ。

 背景にはグーグルやアップルといった米IT(情報技術)大手が自動運転分野に参入してきたことへの危機感がある。自動運転技術はITの一部だ。リアルタイムで渋滞や事故などの情報を取り込む地図・位置情報を持つヒアに関しては米国や中国のIT大手も買い手の候補に浮上していた。

 ボッシュはカーナビ大手、トムトム(オランダ)とデジタル地図の共同開発に乗り出した。「高精細な地図が手に入れば、高速道路での自動運転が2020年にも可能だ」。自動運転分野を担当するディルク・ホーアイゼル取締役は指摘する。

 ボッシュは自動車・家電向けの微小センサーで世界トップ。センサーが集める車の周囲の情報にデジタル地図を重ねあわせることで、車が行き先を予測して走行できる。15年春には米テスラ・モーターズの電気自動車(EV)をもとに自動運転車を開発し、高速道路での実証走行を始めた。車線変更を含め、問題は報告されていない。

 独自動車部品大手コンチネンタルは米国のIBM、シスコシステムズのほか、ヒアとも組み自動運転技術を開発する。車が走りながら集めた情報と、ヒアの地図・位置情報を、IBMのクラウドに送り処理する。走行中に道路の先がカーブすることなどを事前に察知して減速するなど、部分的な自動運転は実現できる状態だ。フィンランドのIT大手から自動車向けソフト部門を6億ユーロで買収することも決めた。

 独自動車部品大手ではZFも追い上げる。すでにエアバッグやブレーキシステムなどに強い米同業TRWオートモーティブを買収した。走行中に危険を予見する分野の技術を拡充し「自動運転の実用化に必要な主要システムはそろった」(シュテファン・ゾンマー社長)。これまでにグーグルのクラウドと連携し、一部は人間の手を借りる「半自動運転」ができることを実証した。

 ボッシュ、コンチネンタル、ZFの3社はあらゆる自動車部品を供給する「メガサプライヤー」と呼ばれる。ネットワーク技術などで優位に立てばサービスで新たな収益が見込める。ハードウエアとソフトウエアを組み合わせて主要技術を握ることで、完成車メーカーとの力関係が変化するような事態もあり得る。


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