日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

生保、米市場に照準 明治安田、米同業を買収 国内人口減に危機感

2015年07月25日 | 企業:M&A・合併・事業承継
(日経7/25:経済面)
 明治安田生命保険は24日、米中堅生保のスタンコープ・ファイナンシャル・グループを49億9700万ドル(約6246億円)で買収すると発表した。国内の大手生保が米保険を完全子会社化するのは、今年2月の第一生命保険に続いて2例目になる。人口減少で国内市場が縮むなかで、大手生保の海外展開が世界最大の保険市場である米国に広がってきた。



 スタンコープは米オレゴン州ポートランド市に本社を置く全米30位前後の中堅生保で、2014年12月期の純利益は約2億1000万ドル。官公庁や教職員向けの団体保険に強く、景気に左右されにくい安定した顧客基盤を持つ。買収後も現経営陣が続投するが、明治安田生命からも取締役や管理職を送り込む。ニューヨーク証券取引所への上場は廃止になる。

 これまで日本の大手生保はアジアの生保への出資で海外展開の道を探ってきた。住友生命保険は12年12月にベトナムの保険最大手の発行済み株式18%を約280億円で取得。日本生命保険も14年10月にインドネシアのセクイスライフの株式20%を約440億円で買い取った。

 保険の加入率が低く、今後も人口の増加を見込めるアジアは成長市場だが、外資に対する資本規制が厳しく、少額出資にとどまる。「利益への貢献は先の話」(大手生保幹部)とみており、現状では将来の利益拡大に向けた種まき段階という位置づけだ。

 対照的に、米国の生保市場は業界推計で約65兆円に上り、世界の2割程度を一国で占める巨大市場。人口も伸びており、13~20年の成長率見通しは4.3%と日本の2.9%を上回る。

 今年2月に米中堅のプロテクティブ生命を完全子会社化した第一生命は純利益に占める海外比率が9%から今年度末には20%程度に増えそうだ。明治安田生命も本業の利益に相当する修正利益は2%弱から9%になり、目標だった10%が視野に入ってくる。

 24日に記者会見した殿岡裕章副社長も「世界最大の保険市場で買収することにより、グループ全体の収益をいち早く拡大できる」と米生保買収の意義を強調した。

 国内では少子高齢化と人口減少で生保市場が縮んでいる。主力商品である死亡保険や医療保険など個人保険の保有契約高は14年度が857兆4325億円で、最も多かった1996年度よりも43%落ち込んだ。契約者への利益還元を基本にする相互会社の間でも海外事業を強める流れが強まっており、残る大手の日本生命や住友生命の動向が注目を集めそうだ。

▼明治安田生命保険
 前身の明治生命保険が1881年に創業。2004年1月に当時の安田生命保険と合併して発足した。総資産は36兆4690億円で国内3位。海外にはタイやインドネシア、ドイツなど5カ国・6社に投資している。15年3月期の連結保険料収入は前期比6%減の3兆4084億円。従業員数は4万793人。

▼スタンコープ・ファイナンシャル・グループ
 1906年創業の米生命保険グループ。傘下に団体保険に強みを持つ保険会社、資産運用会社などを抱える。2014年12月期の年金保険を含む収入保険料は41億2200万ドル(約5100億円)で、全米30位前後。本社はオレゴン州のポートランドで、ニューヨーク証券取引所に上場している。今年6月末時点の従業員数は2739人。


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