日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

自動運転車で日本車メーカーと提携交渉 グーグルの研究部門、生産委託など協力仰ぐ

2015年09月11日 | 自動運転・運行システム
(日経9/11:企業面)
 米グーグルの研究開発部門「グーグルX」のトップを務めるアストロ・テラー氏は10日、日本経済新聞の取材に対し、開発中の自動運転車について「日本でも様々な企業と話し合いを続けている」と述べ、複数の日本企業と提携に向けた交渉に入っていることを明らかにした。さらに「自前の工場は持たない」と語り、事業化の段階では生産委託などの形で自動車メーカーの協力を仰ぐ方針を表明した。


インタビューに答える「グーグルX」のテラー氏(10日、東京・六本木)

 グーグルは運転手なしで安全に走る自動車を次世代の中核事業のひとつに位置づける。トヨタ自動車の「レクサス」など既存の車両を改造して、米カリフォルニア州のマウンテンビュー市などで公道を使った走行実験に取り組んでおり、関係者の間では「17~20年には実用化しそうだ」との期待が高まっている。

 テラー氏は自動運転車の最終目標を「事故による死亡者をゼロにし、渋滞の間に失う1年間で1兆ドル相当の経済価値を取り戻すこと」とし、この目標を共有できる提携相手を日本でも探しているとした。

 さらに「よく誤解されるが、我々がメーカーになって車の販売台数を増やすことが目標ではない」と述べ、既存の自動車メーカーとは競合関係にないことを強調。グーグルはセンサーやソフトウエアなどの開発に専念し、最終的な自動運転車の販売・普及の段階では自動車メーカーと組むとの方針を示し、一部の自動車メーカーが懸念する「グーグル脅威論」を否定した。

 グーグルは既に自動車部品大手の独ボッシュや韓国LG電子などと提携している。日本企業との関係については「我々はオープン。具体的な社名を明かすことはできないが、部品メーカーと完成車メーカーの双方と話し合いを続けている」と語った。

 グーグルXが中心となって開発を進め、プライバシー保護の観点から計画が滞っているとされる眼鏡型ウエアラブル端末「グーグルグラス」については「私の部門を『卒業』し他の部門に移った。得られた知見は多くの場面で生かされている」と述べた。

 アストロ・テラー氏 1992年米スタンフォード大卒。98年に米カーネギーメロン大学で人工知能(AI)の研究で博士号取得。投資管理会社などの最高経営責任者(CEO)を経て、2010年からグーグルXの統括責任者である「キャプテン・オブ・ムーンショット」(前代未聞な船の艦長)を務める。AIをテーマに近未来SFを執筆するなど、小説家としての顔も持つ。

▼グーグルXは「特命研究組織」 気球使ったネット接続など先端テーマを主導

 「グーグルX」は現在、米グーグル社内の研究開発部門という位置づけ。所属する従業員の数など詳細な情報は公表されておらず「最先端のテーマに取り組む特命組織」の色合いが濃い。自動運転車や気球を使ったインターネットの接続サービス「プロジェクト・ルーン」など、いくつかの新規事業を主導していることが明らかになっている。

 グーグルは8月、新しい持ち株会社「アルファベット」を設立すると発表した。新体制への具体的な移行時期は不明だが、現在のグーグルはインターネット検索を中核とする事業会社になる。

 グーグルXは自動運転などの新規事業開発を進める企業として独立するが、単独企業としてどのように収益を確保するのか、投資家などは強い関心を示している。テラー氏は「新体制でも引き続き私が組織を率いる」とした上で「我々が世界に対して重要かつ前向きなテーマに取り組めば、売り上げは自然とついてくる」と語った。

 さらに、「株主に大きな価値を還元するハイリスク・ハイリターンの新規プロジェクトの発掘」が重要で、「解決したい問題を先に設定し、そのためのアイデアをひとつひとつ精査している」という。


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