日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

株、先物に利益確定売り GDP下方修正嫌気 株高・円安にブレーキも 裁定買い残の多さ、重荷に

2014年12月09日 | 株式全般
〔14.12.09.日経新聞:マーケット総合2面〕

 

 8日の東京株式市場で株価指数先物に売りが広がった。きっかけは7~9月期の国内総生産(GDP)改定値の下方修正で、直近まで先物買いを膨らませてきた海外投資家による売りが拡大したとの見方が多い。将来の売り圧力につながる裁定買い残の多さも心理的な重荷で、株高・円安の流れにブレーキをかけた。

 この日の日経平均株価は続伸したが、一時は50円超下落する場面もあった。足を引っ張ったのが値がさ株の下落だ。ソフトバンクとファナック、ファーストリテイリングの3銘柄で日経平均を約18円押し下げた。裁定解消売りが響いたためで、起点は先物への売りだ。

 「朝方発表の7~9月期のGDPが想定外の下方修正となり、驚いた海外投資家などによる先物売りが目立った」と欧州系証券のトレーダーは話す。日経平均先物の12月物の日中取引は8万3830枚と11月17日以来の多さとなった。

 最近の急ピッチな上昇も売りの一因になっている。代表的なテクニカル指標である東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は8日で134%と、買われすぎとされる120%を14日連続で上回った。日経平均は約7年4カ月ぶりの高値圏にあり「先行きに弱気でなくても利益確定売りが出やすい」(東海東京証券の太井正人グループリーダー)状況にある。

 海外投資家は11月に先物を大幅に買い越している。日経平均先物とTOPIX(東証株価指数)先物ラージの買越額の合計は1兆6000億円超と突出した多さだった。株高・円安の流れが小休止するとみれば、その反動として利益確定売りが増えやすい。

 裁定買い残が多いことも投資家心理に影を落とす。10月末の日銀の追加緩和以降に先物買いが急増した結果、11月28日時点の残高は3兆4548億円まで増加している。相場が調整すれば裁定解消売りに弾みがつきやすくなる。

 もっとも相場の先高観は根強い。理由はやはり円安だ。「米経済は先週末の雇用統計などを見る限り堅調だ。中長期的には円安・ドル高が進みやすい」(アバディーン投信投資顧問の窪田慶太インベストメント・マネジャー)と見られている。この日は株高・円安に先物売りがブレーキをかけた格好だが、円安が日本企業の業績を押し上げるとの基本的な認識までは崩れていない。

 目先は総選挙や日銀短観など重要なイベントが控えている。これらの結果をにらみながら、当面は神経質な相場展開になりそうだ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。