日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

金融株の先高期待 後退 金利低下・株安 運用環境が悪化、リスク回避で持ち高減も

2015年01月14日 | 株式全般
〔15.1.14.日経新聞:マーケット総合2面〕
 

 株式市場で銀行や保険といった金融株への先高期待が後退してきた。長期金利が過去最低水準の更新を続け、利ざやを稼ぐ運用環境の悪化が懸念されている。日本株の軟調も重荷だ。原油安や欧州のデフレ懸念を背景に世界の投資家がリスク回避に傾きつつあり、時価総額の大きい金融株の保有を減らす動きも出ている。

 金融株の中でも、13日は保険株の下げが目立った。損保ジャパン日本興亜ホールディングスが4%安、第一生命保険が3%安と売られた。

 保険会社の多くは債券市場で運用益を稼いでいる。長期金利が下がるほど国債の利息収入は減少する。10年物国債利回りが一時0.255%と13日に過去最低を更新しただけでなく、もっと長期の20年債も利回りが再び下がっており、前週に2013年4月の追加緩和直後以来となる約2年ぶりの低さに沈んだ。

 長期金利の低下は長引くとの見方が、金融株を敬遠する理由になっている。日銀が国債を大量に買い入れているうえ、世界的なリスク回避で安全資産である国債に資金が集まる構図が強まっているからだ。

 また保険会社は株式市場や外国債券でも運用している。株高・円安が追い風となるが、年明け後は株価が軟調となり、円安も一服しつつある。

 業種別日経平均でみると年明け後は金融株の軟調が目立つ。2%安の日経平均に対し、保険が3%安、銀行も4%安だ。銀行も長期金利と短期金利の差が縮小するほど貸し出しの利ざやが目減りする懸念を呼びやすい。

 「株価の下げに備えて金融株をはじめ時価総額の大きい銘柄の持ち高を落とす動きが出ている」(ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄氏)との声も出てきた。QUICKが13日公表した1月の月次調査でも金融株への弱気姿勢が鮮明だ。当面の投資姿勢について「強気」から「弱気」比率を引いた値はマイナス16%まで落ち、14年5月以来の低さだ。

 足元では「指標面での割安感が出てきたとみる投資家の問い合わせが徐々に増えてきた」(ドイツ証券の山田能伸シニアアナリスト)との声もある。とはいえ、原油価格や世界経済の不透明感が和らぐまでは積極的には買いにくいといった指摘は多い。

 長期金利の低下を逆風ととらえる金融株に対して、逆に追い風になっているのが不動産投資信託(REIT)だ。13日の東証REIT指数は4日続伸となり、連日で昨年来高値を更新し、約7年ぶりの高値水準にある。少しでも高い利回りを求めた投資家の資金が集まっている。 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。