日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

(税制大綱7) 控除 赤字繰り越し制度縮小

2014年12月31日 | 国内:経済政策
〔14.12.31.日経新聞:特集面〕


 所得課税には様々な控除のしくみがある。控除を使えば、実際の黒字額よりも課税上の所得が減り、納税額を少なくすることができる。今回の改正では控除縮小による財源確保も盛り込まれた。

 第1の柱は過去に計上した税務上の赤字を次年度以降に繰り越す繰越欠損金制度の縮小。控除上限を黒字の80%までとした大企業向け制限を2015年度に65%、17年度に50%に減らす。4500億円の増税になる見通しだ。

 過去の赤字がたまっている企業ほど影響が大きい。所得金額からどれだけ控除したかを表す15年度の控除率をみると、建設業は28.8%、不動産業は22.4%と高い。一方、卸・小売業では16.2%、化学工業では6.4%だ。

 赤字を繰り越せる期間を現在の9年から17年度に10年に延ばすなど企業の負担増にも一定の配慮をする。経営再建中の企業やベンチャー企業には7年間、赤字を全額控除できる制度を作る。再建中の企業が再上場した場合は対象から外す。

 もう一つの柱は研究開発減税の縮小だ。研究開発費総額の8~10%(中小企業は12%)を法人税額から控除することができる。この控除上限を30%から25%に減らす。

 研究開発費には研究費のほか人件費や原材料費も含む。今回見直すのは研究開発減税のうち「総額型」と呼ばれる仕組み。研究開発減税は全体で減税額は3952億円(12年度)あるが、総額型が3686億円を占める。今回の控除限度の縮小で400億~500億円の増税になる見通しだ。

 研究開発減税の適用額の割合をみると、製薬などの化学工業(24%)や輸送用機械器具(22%)などに偏りがある。「政策減税が必ずしも企業の研究投資を増やしていない」との指摘もある。財務省は30%から20%に削減しようとしたが、経済界の反発で妥協した。

 大学や国の研究機関と共同で研究した場合は30%の控除上限が維持できるようにする。企業に外部の力を積極的に導入するように促し、競争力を高める狙いがある。

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