為替 円、じり安の展開に

〔15.1.11.日経新聞：日曜に考える４面〕


　外国為替市場で円相場はじり安の展開となりそうだ。９日発表の12月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が25万人超の増加となり、良好な雇用情勢が続いていることを示した。日米景況感の差を意識した円売り・ドル買いが続くとみられる。市場では円相場は１ドル＝117～122円の範囲で推移するとの見方が多い。

　市場では14日に発表する12月の米小売売上高に注目が集まっている。米経済の回復基調が続くなか、原油安を受けて消費が一段と活発になったとの声がある。良好な結果となれば円売り・ドル買いが加速する可能性もある。

　原油価格の動向にも注意が必要だ。市場では原油安が続けば産油国経済への懸念や米国株の下落で、リスク回避の円買い・ドル売りが膨らむとの観測が出ている。