日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

中国、開発援助「量から質」 新指針施行、対中感情悪化で転換

2014年12月29日 | 中国
〔14.12.29.日経新聞:国際面〕


中国の援助で造られた橋の周辺は粉じんが巻き上がる(プノンペン周辺)

 中国が途上国向け開発援助で量から質への転換を図っている。12月に施行した対外援助の新指針で「援助受け入れ国の環境改善」を盛り込んだ。カンボジアなど東南アジアでは開発援助が環境問題を引き起こし、対中感情が悪化するケースが増えており、現地の反発を和らげる狙いがあるとみられる。

 カンボジアの首都プノンペン。中国が工事を請け負った国道6号線では、コンクリート製の橋が完成したが、周辺では道路の舗装が間に合わず、砂ぼこりが舞っていた。近くに住むチャン・ナーさんは「橋ができて砂ぼこりがひどい。移住せざるを得なかった家もある」とこぼす。

 西部コッコン州では中国の援助で建設する予定だった水力発電所が計画見直しを迫られた。住民が移住を迫られ、貴重な生態系も破壊されるとして反対運動が起き、フン・セン首相も「近いうちには着工を認めない」との声明を出した。

 カンボジアはインフラ整備を中心に、開発援助の受け入れ額全体の約3割を中国に頼っている。政府高官は「中国は実行力があり信頼できる」というが、建設業者は「中国企業は工程管理が曖昧で現場のチェックもずさん。労働条件を巡りもめることも多かった」と振り返る。

 国際協力機構(JICA)の推計によれば、中国は今や米国や日本などに次ぐ世界6位の援助大国だ。2013年の純援助額は約70億ドルと04年の7倍に急増している。経済援助は中国企業が進出する足がかりにもなるが、援助が環境破壊や労働問題の頻発を招けば、かえって中国のイメージが悪化する要因になる。

 中国政府が12月施行の「対外援助管理弁法」に「援助受け入れ国の環境改善」という文言を盛り込んだのは、その点を意識したためとみられる。

 途上国へのアプローチも変わってきた。カンボジアのパイ・シパン内閣報道官は「中国は1年ほど前から新規開発の事前調査を欠かさなくなった」と語る。 (国際アジア部 村上達紀) 

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