くまえもんのネタ帳2

放置してたのをこちらに引っ越ししてみました。

♪よ~く考えよぉ~

2005-12-01 23:59:46 | ノンジャンル
お金は....♪ なんて、どこまで本気なんだかねぇ。
ある人の詩に、資本主義というのは、まず不幸を人に教え込み、幸せになろうとあがくその手に道具を持たせ、そこから発生する価値を吸い取るのだ、と言うようなのがあった。
ある巨大な国が世界にしてることを見ると、何となくそのことが飲み込めてくるような気がする今日この頃。


♪しあわせ~ってなんだ~っけなんだ~っけ?
って、なんかの宣伝じゃないけれど、全国の六千人を対象に行ったアンケートでの「幸福度」のアンケート結果ってのが、台湾からの帰りの飛行機で読んだ新聞に出ててね。
読んだ人も多いと思うのだ。

それによると、
『男性よりも女性、高齢層よりも若年層のほうが幸せを感じているが、所得の高さと幸せは必ずしも比例しない。』

『所得(世帯全体)をめぐっては年収千五百万円までは所得が上がるにつれて幸福度も上昇したが、千七百万円以上になると逆に低下するという皮肉な結果も出た。』だって。

あらやだ、おいらってば不幸のどん底なんじゃないのよ。
嘘みたい。

『アンケートでは、幸福感について、「非常に幸福」を十点、「非常に不幸」を0点として、「あなたは何点になると思うか」という「幸福度」をたずねた。』

このアンケートで四点以下は13%にとどまったっていうのが、まず意外。
自殺率は世界で5番以内の日本。
交通事故よりも自殺者の多かった国のアンケート結果が『五点が最も多く25%。続いて七点が20%、八点が18%、十点も5.5%おり、全体としては幸福と考えている人が多いことが分かった。』っていうんだから、ただ事でないと思いませんか?

どういう事なんだろうねぇ?



ひょっとして、生き残った人間だけ対象にしてるからって事?
心底世をはかなんで自殺してしまった人は、当然の事ながらこのアンケートには答えられない。
答えているのは、今生き残っている、そんなに深刻でない人たち、あるいは楽天的な考えの人たち、そんなことになりはしないだろうか?
ブラックかしら?

『無作為に選んだ全国の二十~六十五歳までの六千人を対象に実施。訪問してアンケートを配布、回収する方法で約四千二百人(70.4%)から回答があった。』というのも味わい深い。
30%近くの人たちが口をつぐんでいる。
この事実をこそしっかり受け止めたい気がする。


ダーウィンの進化論が科学的でないという評価の一つに、あれはトートロジー [tautology] =同語反復に過ぎないというのがある。何でも説明できるようで、その実何も証明していないのだと。
つまり、「適者生存」というのは、よりすぐれた者だけが生き残るというのだが、どのような点ですぐれていたのかと問いただせば、たまたま生き残った者が持っていた特徴をあげつらうだけにとどまらざるを得ないのだね。

現実世界を見渡すと、これは奇妙な結論に達していることに気づかされる。
進化論では、一番すぐれた答えは、まるで一つであるかのように思わされてしまうかも知れない。
しかし、弱肉強食というのは、一神教の匂いのする、排他性の正当化に過ぎない。
実際には生き残る上での正解というのはいくつでもあり、種々雑多な奇妙な正解たちがこの地球を占拠している。
詳しく調べるほど、それはあからさまになり、現在の地球にひしめいている生物は、似たり寄ったりの者が大半、そう言うのを専門的には適応放散というのだけれど、これはおぼえても何の足しにもならないだろうねぇ。その他に極端に特化した者、旧態然とした者などなどがおり、それらは各自の縄張りにしがみついている。
それでいいのだ。
それが多様性というもの。


ガンジーと呼ぶ地方もある。和名はフサギンポ。
特にユニークな生物とは言いにくい、似たり寄ったりさんの一員だね。


ところで、大絶滅の後で、生き残った生物たちにアンケートをとってみようか?
答えはもうおわかりかと思うのだが。
「いえ、単にラッキーだったんですよ。競争相手も居なくなったし、何が幸いするかわかりませんよね」
「今の暮らし?住めば都ですよ」
「えぇ、けして生きやすいとは思いませんが、細々やってます。」
「うるせえ、ほっといてくれ!」
こんな感じだろうか?
くれぐれも、生き残った者だけを対象に、アンケートは行えるのだと言うことを忘れないようにね。
人間の社会も似ているような気がしてならないのだが。

話しを戻そう。
『年齢別では三十代(平均値6.6点)が最も高く、次に二十代(6.4)が続いたが、四十代以降は加齢とともに不幸になり、六十代では6.2点に落ち込んだ。
この結果は、海外の大学が行った調査と比べると逆の現象。』

社会状況が、高齢者の雇用状況が、年金が、加齢による体調不良が、成人病が、などなど考えると、それらの不安が目の前に迫っている人間よりも、まだまだ長い執行猶予のついている若い世代が幸せと感じるのは当然なのではないかしらん?

上の記述で間違っていると思うのは、決して一人の人間が「四十代以降は加齢とともに不幸になり」という過程を追っていった研究ではないという所だね。
この記事は、今生きている、それぞれの世代の人たちが、全く独立に、幸せであるとかそうでないとか答えた集計でしかないと言うことを忘れている。
それに、現在の多くの高齢者を不幸に追い込んでいるのが、本当は何によるのかをあえて問わないあたりが、どうも気に入らない。
ひょっとすると、故意に取り違えているのかもしれないなんて、勘ぐりたくもなる。

例えば、この僕が20代よりも30代の方がもてまくり、それ以後次第に落ち目になって、60代目前には毎日死にたいと考えるようになると言うようなことを予測する調査結果ではけしてないのだ。なんか、負け惜しみを書いてるような気もしないでもないのだが......。
毎月納めている年金だけれど、いざその歳になったら制度自体が跡形もなくなってるんじゃないかなんて思うのは、幸せな未来予想図とはほど遠い。

取り違え方で似たような話に「年をとったらそれなりに地味な身なりをしなさい」とか言うのがあると思っている。
色彩豊かな衣類のない時代に育った人が年をとった結果、年寄りには地味な服装の人が増えた、こうも考えられないだろうか?
それとも、色彩を押さえた身なりをしさえすれば、品格ある人間と間違われやすくなるというメリットでもあるというのだろうか?
自分の価値観を育てることもなく、漫然と加齢したのなら、そんな世間の言うなりになるのも別にかまわないとは思うのよね。
『海外の大学が行った調査と比べると逆の現象。』とは、若さと言うよりは幼児性にしがみつき、自我の確立をおざなりにする、いかにも日本らしい話しだとも思うのだ。
ぐへへへへ。

海外には、原色さえも美しく着こなす、幸せで品のいい年寄りもいっぱい居る。
スズメやカラス、ドバトを例にとるまでもなく、熱帯の色鮮やかな鳥たちに比べ、温帯の鳥は総じて地味な色彩だ。
自分の存在を主張してでも生き残るという気概のない生き物は、保護色に身を固める。それも良いと思うのだ。
ただ、そのやり方を、他の人間にまで強制しようというのはどうもいただけない。
もっとも、総じて色温度の高い熱帯では、極彩色が保護色になると言うのも事実なのだけれどね。
二丁目が、これにあたるのかしらん?


あぁ~ん、地味だと悪目立ちしちゃうのよ~。


『他人の生活水準が気になる人と気にならない人では、気にならない人のほうが高いという結果も出た。』
あはは、そりゃそうだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿