くまえもんのネタ帳2

放置してたのをこちらに引っ越ししてみました。

雪中梅

2008-02-04 12:55:00 | ノンジャンル


雪中梅と言ってもお酒の話しではなく、
モノホンの雪中梅です。
またまた雪に誘われて、御苑に遊びに行ってしまいました。
えぇ、ささやかな贅沢です。



早春の花には淡雪が良く似合う。





梅の小枝にメジロの夫婦が蜜を吸いに来ていました。
都心での野遊びも、侮れませんね。
ってか、狙い目通り。


下手人は、必ず現場に戻る?
あ、いや、そう言うわけではなく、定点観察です。
それにしても前回ここに来たときと比べて、雪の密度が全然違いますね。
歩みを進めると、キュッキュッと新雪っぽい音を立ててくれるし。
ひょっとしたら二三日はこのまま残るんじゃないかなんて、淡い期待さえ抱かせてくれるつもり様でした。


そこここでほほ笑ましい一コマが垣間見られたり、かと思うと通路を三脚で塞ぎ、道行く人たちには水たまりの中を平気で歩かせるような因業ジジイなんかも湧いて出てました。
日曜ともなるとね、そうやって家にいても厭がられるだけの人間も出てくるんで、まぁ善し悪しと言ったところ。
この頃はいい大人が分別無くて、年の近い連中にそう言う不心得者が居たりすると、見ていて情けなくなることも度々です。
なんて、きっと僕もどこかでそう言われてるんでしょうね。
┐('~`;)┌


 国汚れて山河無し
 城春にして草木も無し
 時に感じて花にも涙を濺ぎ
 別れを恨んで鳥にも心を驚かす




あ、もちろんほんのおちゃらけで書いてます。
本歌は有名なこれ。

 春望 杜甫

 国破山河在
 城春草木深
 感時花濺涙
 恨別鳥驚心
 烽火連三月
 家書抵万金
 白頭掻更短
 渾欲不勝簪




苑内を散策していると小さい子を連れた家族もちらほら見られ、こんな雪だるまも作られてました。
でも、なんかこれ、人相悪くない?



http://graphicabasic.img.jugem.jp/20081122_273718.jpg

なんとなく、ムーミン谷のミーに似てない?
A(^_^;

うれしくなって、さっそく2ショット。
なんて~のかね、こういう子と一緒に写ると、相対的にいい人っぽく見えるんじゃないかってな計算が働いてねぇ。
ふひひ



とは言え、現実はと言うと。

 白頭掻更短
 渾欲不勝簪
(白い頭を掻けば掻くほど抜け落ち、
 まったくカンザシを挿すのも耐えられそうにない)

いやはやまったく、杜甫甫だねぇ。




そうこうする内に、めずらしく体が冷え切ってしまったので、茶室に逃げ込んで暖を取ることにしました。




実を言うと、この1週間あまり、畑中葉子状態だったのだ。
えぇ、
後ろから前からマーライオン状態。



http://f.hatena.ne.jp/images/fotolife/i/ixsresearch/20080304/20080304225451.jpg

いわゆるお腹に来る風邪にかかって、すっかり消耗してたんです。
すぐに病院に行って薬をもらったんですが、噂通りなかなかしつこい風邪なんですよ。
で、だいぶ良くなったとは言えまだ本調子じゃないってか、いつも暑がりの僕が凍えるんだから、病とは恐ろしい。



茶室のおばちゃんに頼んで、雪明かりの窓をほんの少しの間開けて、外の景色を楽しませてもらいました。



ふと思い立って、リュックから今日の収穫物を取り出す。
綺麗でしょ?
カリンの実。
雪の重さに耐えかねたようです。
凛とした空気の中で、芳しい香りを放つ果実です。



一息ついて体も温まってきたけれど、今日のところは大事を取ってそろそろ帰ることに。
道すがら、またまた面白い物を見つけました。
だれかの足の裏に着いた雪が、靴底から剥がれて、芝生の上に落ちていた落ち葉ごと小さな石碑のように立っていたんです。

 我が足跡よ
 ここに過ぎし秋の日の想い出を記す

そんな碑銘が読み取れたりしませんか?



微熱にうかされているのか、脈絡のない想いが次々と浮かんでくる。
黒々と美しい幹を眺めても、


 一本の樹にも流れている血がある
 樹の中では
 血は立ったまま眠っている
          寺山修司


なんて方向に連想が漂っていってしまったり。



こりゃイカンってんで、さっきの雪だるまのところまで戻ってくると、ほんの小一時間の間に随分と増えてるじゃありませんか。

雪、いいよねぇ。
こうやってみんな子供心を取り戻す。



と、野仏のような穏やかな表情の雪だるまが、さっきのイジワルそうなヤツの隣に佇んでいるのを見つけた。
ふふ。
日本もまだまだ捨てたもんじゃないかもなんて、ニヤニヤしながら帰路についたのでした。


ところで、冒頭に掲げた「雪中梅」。
お酒の方は、初期の銘柄は「玉菊」「白梅」でしたが、昭和初期に「雪中梅」となったんだそうで、当時「雪中梅」は売れずに苦労したんだとか。
意外ですよねぇ。
なんでも、「雪中梅」という名前が野暮で「せっちんばい」と酷評を受けた時もあったとかで、「福滝」という別銘柄の商標もあったって言うんだから、世の中わからないもんですねぇ。


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4 コメント

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Unknown (くまっちょ)
2008-02-05 16:08:22
東京は何故か東北の入口というイメージがあるの。空気がやっぱ東の北の南端な気がする。雪降ったりするんだもんねー東京って。
沖縄まで入れた列島と、数で見る都道府県の日本の位置で黄金比のとこが東京。

バランスというのは上手くいけば美しいものだなと。
都会と自然のバランスが上手くとれてる公園に積もる雪は、なんかホッとしますわね。
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Unknown (くまえもん)
2008-02-06 10:45:20
ここより先は蝦夷の里なり

人がその過剰な管理の手をふと休めるだけで、
すぐさま自然は舞い戻ってくるんですよね。
まるで、小鳥が庭先に降り立つかのように。
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Unknown (media labber)
2010-09-04 00:19:53
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Unknown (くまえもん)
2010-10-29 20:03:35
非営利の場合、コピー&ペーストと出典元のリンク表示で著作権上の問題はクリアかと思っていたけれど、直接リンクする方法なら問題ないと言うことなので、ちょっとビックリ。
かつてはマナー違反とされていた直リン。
サーバー負担の軽減という事情の変化もあるのねぇ。
時代はこんな風に変わっていく。
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