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久々のオペラシティー。
一人で一夜に4曲ものコンチェルトをやるって言うので、おっそろしいねぇなんて思いながら初台の駅に降り立つと、左右からすり抜けて足早に追い越していくおばさんやらお兄ちゃんやらお姉ちゃんやら。
腐れ縁の友達と顔を見合わせて「ほぉ~、こんなに。みんなコンサート会場に向かってるんだねぇ」。
もちろん本気じゃなくて、ほんの皮肉混じりの冗談のつもりだった。
吉松隆は海外では高い評価を得ているけれど、日本での知名度はまだまだ低い。
贋作に賞をあげたりノーベル量をもらった大江健三郎にあわてて賞をと申し出て辞退されたりと、何かと体面を保つのに気を抜けない、そんな文化庁とやらがのさばる国だもの、仕方がない。
ってか、そんな噴飯物の国の機関?を大事にしてる国民性だもの。.....ぶつくさ
で、まさか、バタバタと走り抜けていくガキやら野暮ったいおばちゃんの群れが、同じオペラシティーに吸い込まれていくのを見て、ちょっと驚いたのだった。
ひょっとすると、日本って案外良い国かも。
この日のプログラムは、さっきも言ったようにコンチェルトばかりが4曲。
超人的というかキチガイ沙汰というか、いずれにしても見物ではある。
そしてなによりも、吉松隆が2曲も聞けて、しかも本邦初演の曲まで聴けるとなったら、何が何でも逃すわけにはいかないよね。
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<出演>サクソフォン:須川展也
指揮:齊藤一郎/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団/
ピアノ:小柳美奈子※/パーカッション:山口多嘉子※
(※サイバーバード協奏曲に出演)
<日時>2006年9月2日(土)18:00開演(17:30開場)
<場所>東京オペラシティ コンサートホール
<プログラム>
本多俊之:コンチェルト・デュ・ヴァン ~風のコンチェルト~(2005)
E.グレッグソン:サクソフォン・コンチェルト<日本初演>(2006)
吉松隆:ソプラノ・サクソフォン協奏曲「アルビレオ・モード」作品93(2005)
吉松隆:サイバーバード協奏曲(1994)
それにしても、須川展也、スターだねぇ。
これまでの吉松のコンサートでは考えられない集客だった。
ロビーの人だかりに混ざってのぞき込んでみると、彼の教則本コーナーが設けられていて、飛ぶように売れている。
ほへぇ~っ!
良いねぇ、こうやってどんどん後進が育って、そして吉松隆を演奏したがるようになる。
うんうん、日本は良い国だ。>お気楽
それにしても、今回の掘り出し物は、E.グレッグソン(Edward Gregson)のサクソフォン・コンチェルト<日本初演>だったねぇ。
無邪気さと邪悪さ、ユーモアとグロテスク、繊細と凶暴の混合物、細密画のように書き込まれたクラスターは、ピアニッシモでもフォルテシシモでも決してディティールが潰れない。巨大な音塊の中には、常に幾千の命がひしめきうごめいている。
一発で虜になってしまった。
この日の最後を飾ったのは、サイバーバード。
もう、これは名曲ですね。
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終わると同時にあちこちからブラボー!があがり、思わず僕もスタンディングオベーションに加わる。
華やかな夏の終わりだ。