くまドン旅日記

写真が趣味です。自然の風景、旅行、歴史に興味を持って撮影を続けています。

名所江戸百景154 第71景 利根川ばらばらまつ 葛西臨海公園(2)

2014年02月08日 09時30分20秒 | 名所江戸百景
こんにちわ、「くまドン」です。

 今回は、江戸川区(えどがわく)の葛西臨海公園(かさいりんかいこうえん)で野鳥撮影2回目の話です。
 撮影した日は、昨年・平成25年2月中頃に撮影した写真が主です。今年・平成26年2月上旬に撮影したばかりの写真もあります。
 下の写真は、葛西臨海公園真ん中にある展望レストハウス・クリスタルビューですが、見ての通りガラス張りで、2階の葛西臨海公園を見渡すことができます。風も無いので、のんびり景色を見ているのには向いています。
(絵画調)

 手前の展望広場で、黄緑色の葉のある所は菜の花畑です。3月には満開になります。きれいですよ。

 この広場周辺では、ムクドリ(留鳥)がエサを探していましたが、ほとんどエサを探して地面を見ているのと、撮影しようとすると、後ろを向いて進むので、思うようには撮影できませんでした。
(※)近づくにしても限界があるので、鳥を大きくした写真は、縮小率を下げてトリミング(画像の切取り)しています。

 前にも何度か伝えましたが、「くまドン」は野鳥撮影の経験は、ほとんどありません。

 次は、展望レストハウス・クリスタルビューの前のテラスから海側を眺めた風景です。
 この季節は公園で凧揚げ(たこあげ)する人も、ちらほら見かけたりします。
 葛西海浜公園には弧状の人工のなぎさ(渚)があり、独特の景観を作りだしています。真ん中右が「西なぎさ」、左が「東なぎさ」です。東なぎさは、野鳥保護目的で立入禁止です。西なぎさは橋を渡って、砂浜で遊ぶことができます。

 水平線に見える三角形の建物は、東京湾アクアライン(東京湾横断道路)の一部・風の塔(川崎人工島)です。葛西臨海公園からの距離は15km程度でしょうか。
 左の方には、千葉県の房総半島と京葉コンビナートが見えています。

 下の地図は、葛西臨海公園付近の地形図です。
 真ん中の海岸線が、江戸川区の葛西臨海公園と葛西海浜公園のなぎさ(渚)です。左側から荒川放水路、右側から旧江戸川が流れ込んでいて、東京の2つの大きな川の河口部にもなります。
 「国土地理院ホームページ掲載のデジタル標高地形図画像データ(図名等)を使用しました。」

 地形図の黄色や黄緑色が多い江戸川区南西(左下)部エリアは昭和時代の埋立地です。埋立前からの陸地は水色や青色で表示されている北東(右上)側の陸地です。
 右(東)側は浦安市(うらやすし)のディズニーランドで、左(西)は江東区(こうとうく)の新木場(しんきば)と若洲海浜公園(わかすかいひんこうえん)です。右上の浦安市街地を除けば、全て埋立地です。
 この辺は、東京湾岸部(ベイエリア)でも、お台場と並ぶ有名なスポットです。

 下の写真に見える砂浜が葛西臨海公園の「西なぎさ」です。奥に若洲海浜公園と東京ゲートブリッジが見えます。


 あまり知られていませんが、葛西臨海公園は北側の陸地部分(約80万平方メートル)だけです。
 その南側にある二つのなぎさ(渚)を含めた海域は、葛西海浜公園(約410万平方メートル)という別の公園です。
 葛西臨海公園などの公園は東京都建設局所管で、葛西海浜公園などの海浜公園は東京都港湾局所管です。
 葛西海浜公園の指定領域を示す地図が見つからなかったので、随分昔に見たあやふやな記憶を頼りに大雑把に上の地図に赤線で引いて見ました。確か、葛西臨海公園の両側の川から南(下)方向にそのまま延びていたはずです。どこまで伸びていたかは覚えていませんが、面積が葛西臨海公園の5倍もありますので、多分こんなものでしょう・・・・

 下の写真は、「展望広場」と「東なぎさ」です。左奥に東京ディズニーランドの山が見えます。

 この時間帯は干潮ですので、東なぎさの干潟が大きく広がっています。

 この二つの公園を合わせると、約490万平方メートルの広大のエリアを持つ公園になります。
 東京都の都市公園で最大の面積を持つ、国営昭和記念公園の面積が約180万平方メートル、
 都立公園で最大の狭山丘陵(さやま きゅうりょう)にある野山北・六道山公園(のやまきた・ろくどうやまこうえん)の約126万平方メートルですから、非常に大きな公園なのです。
 比較の為、葛西海浜公園の部分に皇居(こうきょ)を置いてみると、大きさが分かるかと思います。
 「国土地理院ホームページ掲載のデジタル標高地形図画像データ(図名等)を使用しました。」


 葛西海浜公園の水域面積が非常に大きいのは理由があるのです。
 下の写真は、葛西臨海公園の「東なぎさ」を拡大しました。砂浜の先に見える黒い点々は、スズガモ(冬鳥)です。何万羽という大群が、この葛西沖で毎年越冬します。

 葛西臨海公園の沖には、荒川や旧江戸川から流れ込んだ砂が堆積し、三枚洲(さんまいす)と呼ばれる広大な面積の自然の干潟(ひがた、約64万平方メートル)と浅瀬(あさせ)が広がっています。同時に多くの貝類や微生物により、海水の汚れはきれいになっていきます。
 この三枚洲を含めた浅い海が葛西沖になだらかに続いていることが、この海域の多くの魚貝類を育て、野鳥を含めた複雑な生態系を作りだしている源(みなもと)なのです。葛西沖の自然や環境を維持していく上では、必要不可欠の領域なのです。
 自然の干潟のほとんどが姿を消した東京湾奥にあって、この三枚洲を含む葛西沖と千葉県・行徳(ぎょうとく)の三番瀬(さんばんせ)は、東京湾奥の自然を維持する上での双璧と言えるでしょう。
 官公庁や東京都ではありませんので、通常は葛西臨海公園と葛西海浜公園の区別はしていないでしょう。「くまドン」のブログでは、まとめて葛西臨海公園として話しを進めます。

 下の写真は、西なぎさの先端近くで撮影した写真です。昼間のスズガモは海上に浮かび、飛ぶスズカモは稀(まれ)なのですが、一斉にスズガモが飛び立つ時は壮観な風景になるそうです。

【スズガモ(鈴鴨)】 名前の由来は、飛ぶときの羽音が金属質で鈴の音に似ていることからです。
 日本では、冬に北から越冬の為に飛んでくる海ガモの一種で、最も数が多いカモです。
 越冬の時は、内湾などの波の静かな海で大群を作るので、東京湾や愛知県の藤前干潟(ふじまえひがた)で毎年大群が見られる。
 海ガモなので潜水(せんすい)は得意で、アサリなど貝類を主食とする。海ガモは夜間に食事をする種類が多く、スズガモも昼夜を問わず捕食をするが、他の海ガモと異なり、昼間も海上において生息する。
 下の写真は、今年2月に西なぎさで撮影したスズガモですが、オスは頭は黒で緑の光沢があり、目は黄色、羽の部分は縞(しま)模様があります。
 なんとなく、生意気そうな顔と愛嬌のある顔が並んでいるような・・・・・・頭の向いている向きの問題か?

 同じ海ガモに体色が似ているキンクロハジロ(金黒羽白)がいます。キンクロハジロのオスは胴体上部の羽は黒で、頭の後ろに寝ぐせのように羽毛が伸びているので、容易に見分けがつきます。

 メスは右下3羽のように茶色がかっていますが、この時期はエクリプス(オスが繁殖期を過ぎた後、雌のような地味な羽色になる)も混ざっているかもしれない(?)ので、「くまドン」にはオス・メスの見分けがつきません・・・???

 普段は、東なぎさや西なぎさの沖合にいるので、遠くて撮影しても小さくしか写せないのですが、珍しく、西なぎさと東なぎさの中間の砂浜や水道にいました。

 次に葛西臨海公園で重要なエリアは、東西の二つの人工なぎさと陸側の葛西臨海公園との間の水路でしょうか。
 下は葛西臨海公園にあった地図の一部です。この地図は、北が下ですので、右が西なぎさ、左が東なぎさです。
 それ以外には、左端の旧江戸川河口部に、三日月干潟と呼ばれるエリアがあります。

 大まかに言うと、葛西臨海公園の陸上側は、東側が野鳥などの自然の領域、西側が人が遊べる領域と分かれています。例えば、東なぎさは野鳥保護領域で人は立入禁止ですが、西なぎさは葛西渚橋を渡って、人が砂浜で遊ぶことができます。ただし、例外は葛西臨海公園の西端にある芦ヶ池と水路のエリアは、自然観察ゾーンです。(誤解を招く可能性があったので、赤字は追記しました。)

 人工なぎさ(渚)といっても、東京湾奥の大半がコンクリート護岸で覆われてしまった現代では貴重な場所です。
 人の遊び場としてだけでは無く、その砂浜と干潟には、貝やカニ、ゴカイ、微生物などが生息していて、水質の浄化や野鳥のエサ場の役割を果たしています。
 潮が引くと、なぎさの干潟に海水が残されたタイドプール(潮だまり)ができます。


 今年の2月に西なぎさで撮影したコサギの写真です。「くまドン」では、夏の旧中川でのシラサギ撮影以来の登場でしょうか。葛西臨海公園では、アオサギの方が多く、コサギは少ないです。
 このコサギは西なぎさの潮が引いた後に残されたタイドプール(潮だまり)でエサを探していました。

 エサを獲るのに一生懸命なのか?人慣れしているのか?「くまドン」が近づいた所で全く気にせずエサを見つけています。それどころか、撮影している間にドンドン近づいてきて、わずか数m手前でエサ探ししているのです・・・・
 余りに近すぎて、カメラで超望遠にすると、シラサギの頭だけでクチバシも画面からはみ出る程でした。
 コサギのエサの獲り方は巧妙でした。水中の足を小刻みに早く揺らし、潮だまりの底に振動を与え、それに驚いて動く獲物をもの凄い速度で捕まえるのでした。上の写真は多分、カニを捕まえた瞬間です。
 撮影していると、次から次へと捕まえていきます。しかも、素早い!
 コサギにとっては、狭くて浅い潮だまりは、獲物を捕らえる上で、効率の良い場所なのでしょう。
 葛西臨海公園の野鳥は、警戒心の強い鳥を除いて、近づきすぎなければ、人を余り怖がりませんので、自然の姿でエサを獲る野鳥を見るチャンスの多い場所です。

 野鳥が安心して生息や繁殖ができるように人の立ち入りを制限しているだけあって、東なぎさは珍しい野鳥にとっては居心地の良い場所です。
 下の写真は、鳥類園にあるウォッチングセンターの掲示板の説明書きです。

 今年・平成26年は、クロツラヘラサギ(冬鳥)という鳥が1羽いるそうです。九州や沖縄では少数でも越冬するそうですが、関東では珍しい鳥です。
 その他にも、鳥類園のホームページを見ると、カツオドリ、ビロードキンクロ、アカエリカイツブリのように珍しい鳥が来ているようです。 (「くまドン」には他の鳥と見分けがつかないだろうが・・・・・)

 色々な意味で話題になる葛西臨海公園ですが、思うようにブログが進まない事と、長くなるので、今回はここまでにさせていただきます。
 明日は東京は雪の予報ですが、明日から葛西臨海公園の野鳥イベントがありますので、前回の内容に写真も追加して再度載せておきます。

【葛西臨海公園の水仙まつり】
 スケジュールなどは変更なる場合もあります。インターネットなどでご確認ください。
 google等で「葛西臨海公園 野鳥園」をキーワードに検索すると、「葛西臨海公園・鳥類園Ⅱ」が先頭付近にあると思いますので、そちらで野鳥やイベントの情報が手に入ります。(「くまドン」は無関係です。あくまで情報です。)
 期間: 平成26年は1/11(土)~2/16(日)
(1)23区最大の水仙(すいせん)畑に水仙の花が咲きます。

(2)葛西バードウォッチング・フェスティバル 2/8(土)・2/9(日) 小雨決行、荒天中止
  クイズラリー (2/8・9 11:00~15:30)、無料
  西なぎさ野鳥特別観察舎 (2/8・9 11:00~15:30)、無料、「数万羽の水鳥」を観察。
  ガイドツアー (2/8・9 12:00~、14:00~の2回各1時間程度、定員20名)、無料
    鳥類園と西なぎさの2箇所で、野鳥を中心した生き物を紹介するツアー。双眼鏡の貸出しもあり。
  コンサートや講演会もあるそうです。

【ダイヤモンド富士】
 2/15(土)の日の出は6:28、日の入り17:23です。
 葛西臨海公園付近のダイヤモンド富士の目安は、2/14(金)~2/16(日)頃ですが、うるう年で分かるように4年で1日ずれていきます。葛西臨海公園は大観覧車だけでなく、海岸線が撮影ポイントになります。(西なぎさは閉鎖時間で入れませんので、ご注意ください)。それ以後は東京ディズニーランド側が撮影ポイントになります。

【葛西臨海水族館】 入場料:一般700円
 開園時間: 9:00~17:00 水休(水曜が祝日の場合は翌日)・年末年始

過去のブログは以下の通りです。
(1)行徳の野鳥撮影の話は、
 「名所江戸百景148 第96景 堀江ねこざね(1) 行徳の野鳥病院」
 「名所江戸百景149 第96景 堀江ねこざね(2) 行徳の野鳥病院」

(2)旧中川とシラサギ撮影関連の話は、
 「名所江戸百景007 第67景/第70景 旧中川の桜」
 「<速報>名所江戸百景 第67景/第70景 スカイダック 旧中川に浮かぶ」
 「名所江戸百景049 第67景 逆井のわたし 旧中川の白サギ(1)」
 「名所江戸百景052 第67景 逆井のわたし 旧中川の白サギ(2)」
 「名所江戸百景053 第67景 逆井のわたし 東京国体 旧中川の白サギ(3)」
 「名所江戸百景069 第70景 中川口 旧中川の灯篭流し」
 「名所江戸百景077 第70景 中川口 東大島神社とカヌー・ハゼ釣り」
 「名所江戸百景078 第67景 逆井のわたし 白サギ(4) 献灯」

 葛西臨海公園の人通りが多い場所にいたノラ猫(多分)ですが、丸々と太っています。何を食べているのか・・・?


 今回は、これで終了とさせていただきます。
 くまドンのブログに訪問していただき、ありがとうございます。ブログ更新が遅くなりました。
 12月~2月の撮影した名所江戸百景の写真は最後のラストスパート時期だったので、撮影枚数が多くなりがちでした。ブログ作る時間が長くなりがちです。最近のお城訪問時も撮影枚数が多くなりがちですので、どちらも遅々として、写真の準備が追いついていない状態です。

 次回も、江戸川区の葛西臨海公園での野鳥撮影の話の続きか?お城訪問の初日のみで終わりそうです。

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 今度の日曜日は東京都知事選です。直接、葛西臨海公園には関係ないので、ブログの外側に書きます。

 「くまドン」は無党派層ですし、現代は民主主義の時代ですから、都民一人ひとりが考えて投票する問題です。
 基本的には以前のブログ「名所江戸百景020 第39景 吾妻橋金龍山遠望 隅田川の大橋(3)」で書いた内容をそのまま載せます。
 (初めての方は驚くかもしれませんが、時々、「くまドン」は脱線しますので、あまり気にしないで下さい。)

 「今年も選挙があります。その時の雰囲気に惑わされずに、しっかりした人を政治家に選んでいただくようお願いします。(ここまで読む人がいれば、まじめな人と思いますので、このようなことは、当り前で言うまでもないかもしれませんが、バブルのバカ騒ぎとその崩壊後による失われた20年に二度とならないことを祈ります。)
 念のために申し上げますと、特定の政党・候補は応援していません。」

 「くまドン」は個人ブログで、しがらみとか無いので、個人的な意見で自由に言います。
(1)昭和30年代から40年代にかけて造られた社会インフラ(学校・水道処理場・下水道処理場・橋など)が老朽化して大量の更新が近づいているのは事実です。
 不要な都民の負担を増やさない為には、財政支出を増やさず、長期的、かつ、安定的な計画を実行する必要になります。甘い考えや浮かれた考えの計画は排除したい。
 「くまドン」が一番重視しているのは、最近の見え隠れするバブル的思考を排除した都政の安定なのですが、はっきり言って、どの候補も原発や東京オリンピックの話題で騒いで、東京都政を冷静に進めていく視点が全く見えて来ない(マスコミの報道も偏っている)のだが・・・・・

(2)2020年の東京オリンピックに関して言えば、
 「東京オリンピックを成功させる」ではなく、「東京オリンピックは2回目なのだから成功して当り前、成熟した国のオリンピックとして、お金のかからないオリンピック(元はこれが公約だった)を実現した上で、オリンピック後も、安定して持続できる東京都政ができてこそ成功です。逆に、バカ騒ぎで予算を増大させ、オリンピック後の落ち込みで財政負担を発生させる人は無能(バカでもできる)だから不要です。」
 (特定の候補を指摘しているのではありません。きつい言葉ですが、騒ぐだけ騒いで、都民に迷惑(負担)を残すのはお断りです。)

(3)最近の政府は、国民に消費税増税の負担を強いて、献金をもらえる企業を優遇する企業税減税など政府や自民党の都合で勝手な変更を考えています。
 東京都知事は政府や自民党に対して、しっかり拒否して、東京都の財政を守るだけの強さが必要です。
 (自民党候補でも、非自民党候補でも同じことです。)

(4)景気・防災対策で公共事業をいたずらに増やした所で、人件費が高騰するか、作業の品質が劣化するだけで、割高で粗悪な公共施設を国民や地域住民に提供しているのと同じで無駄遣いです(バブル時代も同じ様に割高・低品質な建築物が造られていた)。国民や地域住民に迷惑でしかない。
 「景気対策」や「オリンピック」名目で予算を獲得したり、震災の不安をあおり、「国土強靭化」の言葉で予算を獲得しようと裏で動き回る土建族議員や官僚・企業団体の行動が、ひどくなってます。
 最近では、東北被災地で復興建設に支障が生じたり(何が被災地救済だ?)、オリンピック施設の入札を建設会社が拒否したり(何が景気対策だ?)と問題しか発生していません。公共事業を減らすべきです。
 インフラや震災対策は、たとえ必要でも予算を増やさずに、優先順位や手順を決めて、長期計画で実現していくのが基本です。(当然、今まで増やした分の予算も削るべきですが)