きのうほど「政治の事、一寸先は闇」という言葉を実感した日はない。
9月3日、朝刊を開くと一面は「菅首相、総裁選出馬へ」。
だが、午後のニュースは「菅首相、退陣へ」と流れた。
【菅首相】
何で、こんな事態に立ち至ったのか、素人なりに考えてみる。
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9月17日からの自民党総裁選に、菅さん自身、勝てる自信を無くしたこと。
10月21日で任期満了の衆院選に、菅首相と並んだ選挙ポスターでは、
勝てそうにないと思っている議員たちが党内多数であること。
この二つが決め手となって、菅さん自身で決断したものだと思われる。
この間、小泉進次郎が連日、官邸を訪ね、菅さんと面談したのもあった。
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要するに、自民党の党内派閥事情と議員連中の思惑が、今回の事態を生じさせたもの。
菅さんにしてみれば、1年前、安倍さんの突然の辞任で首相に担ぎ出され、
今回は自分たちの首を心配する議員連中に、梯子を外されたようなもの。
お気の毒というほかない。
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元々、菅さんは官房長官の在任期間が長過ぎた。
官邸主導の人事で省庁を仕切ったり、会見は原稿棒読みで説明無しの手法が身についた。
首相就任後も、この手法で政権の舵取りをしてきたのが、あだとなったのかも。
派閥もなく、世襲でもなく、努力する苦労人を演じた第99代首相だった。