東山花灯路は、「灯り」と「花」をテーマにしたイベントで、毎年3月、2003年から2022年まで開催された。
途中、新型コロナにより中止が続き、2022年に3年ぶりの開催となったが、同時に最終回ともなった。
青蓮院から清水寺までの約5kmの散策路が行燈や生け花で彩られ、寺院・神社のライトアップなど幻想的な風景を醸し出していた。
青蓮院 京都府京都市東山区粟田口三条坊町
知恩院の北側にある天台宗の門跡寺院で、粟田御所とも呼ばれる。応仁の乱を逃れたという門前の楠の大木が目印。平安末期に比叡山の東塔から移した青蓮坊がそもそもの始まり。代々親王が住職を務めてきた格式の高い寺である。1788年(天明8)の皇居炎上の際には後桜町上皇の仮御所となった。雅な建物は明治以降の再建。みどころは2つの庭園。華頂山を借景とした室町時代の相阿弥作池泉廻遊式庭園と、小堀遠州作の霧島の庭。春秋の特別公開時には、庭園の一角の茶室・好文亭で抹茶付きで鑑賞ができる。
知恩院
京都・東山三十六峰の一つ、華頂山の麓に広がる浄土宗の総本山。法然上人が1175年(承安5)ここに居を構え、「南無阿弥陀仏」と唱えるとすべての人が救われるという念仏の教えを初めて説き、生涯を閉じた念仏の聖地だ。7万3000坪の広大な境内には、法然上人の御廟や2000人が一度に参拝できる御影堂、日本最大の三門など国宝や重要文化財の多くの伽藍が建ち並ぶ。
円山公園
竹灯り
ねねの道
高台寺 京都府京都市東山区高台寺下河原町526
豊臣秀吉の正室、北政所(ねね)が1606年(慶長11)に秀吉の菩提を弔うために開いた寺。創建当初は徳川家康の援助もあり、広大な寺域をもつ壮麗な寺であったが、度重なる火災に遭っている。桃山様式の創建当時の面影を残すのは、開山堂(重要文化財)と、須弥檀や厨子の高台寺蒔絵で名高い霊屋[おたまや](重要文化財)、伏見城から移した茶室傘亭(重要文化財)と時雨亭(重要文化財)、表門(重要文化財)、観月台(重要文化財)など。東山を借景にした小堀遠州作の庭園(名勝・史跡)も見応えがある。
二年坂
産寧坂
清水坂
清水寺
京都府京都市東山区清水1
清水の舞台で知られる。778年(宝亀9)、延鎮上人が音羽の滝の上に庵を結び、千手観音を祭ったのが始まり。798年(延暦17)、坂上田村麻呂が長岡京の旧紫宸殿を移築して堂宇を建造したと伝わる。断崖に立つ舞台造の本堂(国宝)は徳川家光が1633年(寛永10)に再建したもので、優美な寝殿造が踏襲されている。139本の柱が支える舞台からは京都市街を一望。三重塔(重要文化財)も同時期の再建。石段下には3筋の水が流れる音羽の滝があり、飲めば長寿、健康、学問に御利益があるといわれる。西国三十三カ所第16番札所でもある。
京都の町は今、外国人によるオ-バーツーリズムで酷いことになっているらしいが、この時はまだ日本人が圧倒的に多かった。