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女性農業者の集まりで

2017-04-17 19:42:07 | 考える

お手伝いしていた講座の受講生の第一回のOG会を、訳あって企画・運営することになりました。
女性農業者として担い手としての役割を担っているにもかかわらず、一見したところ職業不詳の10名ほどの、素敵な女性たちの集まりでした。

充実した会合で、会話がやむことはなく、3時間の会はあっという間に終わり、さらに名残惜しく、その場で話が続きました。

・・・

中ばごろ、女性農業者向けの研修のテーマとして、私が長年必要だと思っている農業機械の技術向上の話をしました。

経営工学で、生産要素として4Mがあります。
製造業の話ですが、農業にもあてはまります。

4Mとは、Man & Woman(生産主体)、Machine(生産手段)、Material(生産対象)、Method(生産方法)の4つで、農業機械は二つ目のMにあたります。
農業機械の事故は多く、平成27年の都道府県が把握している農作業死亡事故は全国で338件、そのうち農業機械事故は205件に上ります。

事故は、不完全行動によって安全作業が不可能となったということですが、さらにそれを考えると、「そもそもその機械を使った安全な作業方法を知っていたのだろうか?」、さらには、「その機械の正しく効率の良い使い方を知っていたのだろうか?」と。

さらに、家族経営を中心とした経営規模が小さい中で、「基本的な機械の動かし方、安全作業、危険予知活動など、一定の規模の製造業が行っている基本的な教育システムが機能しているのだろうか?」と考えてきました。

そこで、

農業の担い手として女性農業者が注目されている中、現場で必要な知識を公が補える余地は大きく、トラクターやフォークリフトといった共通の基盤となる機械の操作について、研修を実施する必要性が大きいのではないかと、問題を提起しました。

このことについて、次のような意見が出てきました。

・家族に相談しながら使うと、機械の使い方についていろいろ言われるので、きちんと教えてもらえる仕組みがあると助かる。
・けれども、積極的に習いに行ったりしたら、そんなに積極的に仕事を覚えたいならと、仕事を押し付けられて、負担が大きくなってしまう。けれども、行政の研修の一環で勉強できるなら、このことだけ勉強しに行くわけではないので、家族からのプレッシャーが少なくなる。もとより技術をきちんと覚えたいので、基本的なところだけでも教えてもらえると助かる。
・一家に何台もトラクターを買えるわけではないので、家族で使いまわしがしやすく、また、オペレーターが変わっても作業性が保てる機械が欲しい。

などなど・・・

会計についても話が弾みました。

・そもそも振り分けが解らない。
・農業会計は、一般の会計とは違うので、そこを知りたい。
・役割分担として経理の仕事をしているが、税務申告が難しい。
・経営規模が小さいので、PCソフトを信頼して決算してきたが、課税、非課税区分を誤り修正申告した。
・申告したらそれで終わり、数字を生かせていない。

などなど・・・

農業は、リードタイムが長い業種のため、税務申告のために作った経営数字を、経営のために生かすことが重要です。
財務会計(申告のための会計)のみでなく、管理会計(経営内容や業務内容を見る会計)の組み立てが必要です。
管理会計は個別性が強く、丁寧な支援が必要な分野です。

一見、個人的なこと、個別対応の課題、と感じられる意見、それが現場の意見で、それを踏まえなければ、よい施策は積み上げられないのではないか・・・そんなことを考えながら、皆さんの話を聞いていました。「行政の方に、同席してほしかった」と思いました。


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