KONASUKEの部屋

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ガマズミミケフシ(ガマズミミケフシタマバエ虫えい)20201003

2021年02月08日 | ハエ目
ガマズミミケフシ(鎌酸実実毛五倍子)。
ガマズミミケフシタマバエの虫えい(虫こぶ、ゴールとも言う)です。
写真の赤い実は、本来のガマズミの実。
これにガマズミミケフシタマバエが寄生すると、その影響で、毛の生えた虫えい(毛の生えた丸い実のようなもの)に変化します。
中には幼虫が入っていて、地面に落下した虫えいの中で越冬、翌5月に羽化します。
成虫が若い実に産卵するのだとか。
(成虫の発生時期が早すぎて、若い実はまだないとの指摘も。
蕾や花に産卵する可能性もあります。)
若い虫えいの中で1齢幼虫で越夏し、秋に急速に育つのだそう。

来年は、落ちた虫えいを拾いに行って来よう。

ところで、虫えいの名前は、
植物名+虫えいの出来る場所+虫えいの形+フシ
というルールがあるそうな。
エゴノネコアシフシなどの例外もあります。)
ガマズミミケフシだと、
ガマズミ+ミ+ケ+フシ
鎌酸実 +実+毛+五倍子
となりますね。
「ガマズミ」の「実」に出来る「毛」の生えた「虫えい」というワケ。

「五倍子(ふし)」は元々、ヌルデから採れるヌルデミミフシ(ヌルデシロアブラムシの虫えい)のことで、「ごばいし」と読みますが、「付子(ふし)」とも呼ばれたことから、五倍子を「ふし」と読むようになったと思われます。
皮なめしや黒色染料、鉄漿(お歯黒)として用いられてきました。

そこから、他の虫えいにも「五倍子(ふし)」が用いられるようになったのでしょう。

ちなみに「木五倍子(きぶし)」は、果実が五倍子の代用品として用いられたことに由来します。

分類:ハエ目
体長:♂約1.5mm、♀約2.0mm
分布:本州、九州
   垂直分布?
成虫の見られる時期:5月(年1化)
          幼虫で冬越し
エサ:成虫・・・不明
   幼虫・・・ガマズミの実
その他:ガマズミの実に中えい(ガマズミミケフシ)を作る。
    寄生されたガマズミの実は、7月下旬になると白色の微毛を持つので、正常果と区別出来るという。
    最終的に約10mmに肥大し、白色の微毛の生えた玉状になる。
    (正常な実は長径約5.5mmで、赤色、表面は滑らか。)
    若い中えいの中で、1齢幼虫で越夏し、秋に急速に成長する。
    地面に落下した虫えいの中で越冬、翌春に蛹化、5月頃に羽化する。
    終齢幼虫は、前胸腹面にヘラ状の褐色を示す構造(胸骨:タマバエ科の終齢幼虫の特徴)を持つ。
    成虫はガマズミの若い実に産卵する?
    発生時期からみて、成虫はガマズミの花や蕾に産卵している可能性もある。
    ガマズミには他にも、タマバエ科の一種による5種類の虫えいがあるという。
    (ガマズミエダコブフシ、ガマズミメフクレフシ、ガマズミハヒラタフクレフシ、ガマズミツボミトジフクレフシ、ガマズミミフクレフシ)
参考:鳥平の自然だより(植物編)
   茨城県におけるガマズミミケフシタマバエ(ハエ目:タマバエ科)の記録
   森林総合研究所 多摩森林科学園
   森林総合研究所 多摩森林科学園
   里山再生計画
   松江の花図鑑
   寄主植物別虫えいおよび虫えい形成者リスト
   ディックの花通信

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