一般的には山葵の葉は春先に出て来る新芽を摘み取り、味は別として熱湯をかけた後
に、うまく仕上げると鼻にツーンとくる辛い、山葵漬けを作ることができる。その辛さの点
から言うと、今の時期の方が辛いと思う。夏の暑い時期に哀れな姿になってしまうが、寒
くなると春ほどではないが新芽が出て来る。日照時間も少ないから小さな葉でしかない
し、春の様にわんさかとはならない。
だから贅沢品だと思う。
ところが、山葵の葉の調理は失敗することが多く、折角の収穫品も少し苦味のある『ひた
し』になってしまう。これは冬に限ったことではなく、春先の葉でも同じ。
熱湯をかけてタッパーにいれて、強く振るといいとか、強く揉むといいとか、人の意見を
参考に色々とやってみるが、これと言う確定した方法に出会うことなく、確率の低い、辛
い山葵の葉漬けを楽しんできた。
私の作る山葵は清水の中ではなく、畑わさびと言われるものだが、山葵そのものに違い
はないはず。たまにしか辛くならない山葵だから畑特有の事?と思ったこともある。しか
し、私の山葵を人が作ったものでも辛く作られていたから、山葵の良し悪しの問題では
ないと思っていた。
嘘のような『葉わさびの料理方法』に出会い、ダメ元でやってみたら、これが本当に辛く
出来上がり、しかも日持ちも抜群だった。妻が作ってきたものは成功したと喜んでいる内
に辛みがなくなり、おひたし状態になっていた。
師、曰く
1.山葵の葉を5cm位に切る。
2.塩に砂糖を少々加える(これがポイント)
3.葉を手もみして、しんなりとさせる。
4.熱湯をかけた後、手早く絞りビンに詰める。
5.適当な味付けした出汁を入れ、冷蔵庫で冷やす
直ぐだと味が沁みないので1日くらいしてから食す
葉の量にもよるが砂糖は大さじ1~2杯くらい、塩は葉の繊維を壊して灰汁のようなもの
を出すのだから全体にパラパラとかかる程度。以前は、作る前に1日くらい日陰干しをし
てシンナリさせてから作っていたが,そのような事は不要で、収穫したものを即調理。
春になったら、お試しあれ。私は、正月料理の一品に。