real SR

引越しいたします。

ウイグルで独立派が青少年をオルグ?

2007-01-24 00:04:47 | ニュース

中国観察の超人気ブログ「日々チナヲチ」さんで久しぶりに新疆が話題になっています。御家人様が指摘しているのは次の記事と思われる。

専門家は新疆独立派が若者をひきつけていると指す。
http://news.sina.com.hk/cgi-bin/news/show_news.cgi?ct=china&type=china&date=2007-01-23&id=2317085

この記事の元となったのは新疆日報の次の記事であろうと思われます。

我が区での少年犯罪が増加に専門家は「速やかに研究所を設立して犯罪の防止を」と提言する
http://www.xjdaily.com/news/xinjiang/150908.shtml

これの英語で要約したような記事が中国経済報に。
http://en.ce.cn/National/Local/200701/23/t20070123_10187791.shtml

元記事には「独疆」「東突」のような危ない言葉はありません。あくまでも記者が「婦連」人民団体の婦人連合会で新疆の青少年犯罪の増加を知るところとなり、関係専門家は「青少年問題の研究所」を立ち上げて問題解決を図るべきだと言った、いうような報道となっています。
数字を見ても新疆ウイグル自治区全体のもので、民族別のデータは出ていません。

>同自治区における青少年犯罪者数が全体に占める割合はは2000年の14.2%から昨年(2005年)には19.5%へと増加。特に新疆籍の「流浪児童」による犯罪件数は増加の一途をたどり、2005年は2000年の2倍に

ウルムチなどの都会で南新疆から貧しいウイグル族が流れ込んできて、浮浪児もふえて問題となっているのは聞かれる話ですが、それが新疆独立派とかかわっているか、はっきりとしたことはわかりません。

民族問題がらみといえば、去年ウルムチの中学校でウイグル人の生徒の父親が、漢族の生徒二人を殺害するという悲しい事件が起こったことが報道されています。これはその父親の息子が姉を学業が出来ないと言われて理由で殺害したというまた痛ましい事件があったことが原因であるとかで、悲しい限りです。
(その父親は死刑を宣告されてしまいました。)中南海の黄昏さんに詳しくレポートが載っています。なんだか自分はとても記事に出来ませんでした。タソガレさん、すいません。

新疆ウイグルでの独立派関連といえば、先の1月9日発表のアクト県コスラップ周辺での「東突恐怖勢力テロ訓練基地壊滅」の報道ですが、いまだに新疆公安庁から詳細は発表されておりません。
広州の南方都市報の記者がコスラップへ突撃取材を敢行しているのですが、公安も取材せず、気の抜けたような報道をしているだけです。

自分の印象としては新疆で青少年が独立運動に積極荷担しているというよりも、自治区の政策で疎外されたウイグル人の犯罪等が増えているというような印象を持っています。香港の明報がむりやり「東突」「疆独」と結びつけて興味を引かせたのかも?

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございます。 (タソガレ)
2007-01-26 23:39:37
TBありがとうございます。
昨年来よりウイグル地域の統治が強化されているような印象を受けます。
この青少年犯罪が増加しているという報道の数日前に「新疆における義務教育の無料化を1年早く実現」などという記事が報道されていました。
http://zqb.cyol.com/content/2007-01/17/content_1645416.htm
このような漢化政策の強化と共に民族意識の高揚と反発が起こっているであろうと想像します。
断片的で当局側からの情報しかないのですが、なんだか不穏な雰囲気を感じなくもないです。これだ!という決定的な根拠はないのですが、新疆兵団と地元貧困民との美談といったものが目に付くので、その実・・、というわけです。
この地域では社会への不満がそのまま中共(漢族)支配への不満に直結するので、中共としても気が気ではないのでしょうね。
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タソガレさん、今年もどうかよろしくお願いいたし... (kok)
2007-01-27 21:37:11
タソガレさん、今年もどうかよろしくお願いいたします。情報どうもありがとうございます。確かになにか取締りがきつくなっているような報道も多いです。どうも中国の報道に疎いので確信は持てないのですが、新疆の人民代表大会の時期や、例の春節厳打の時期とも重なって取り締まり強化に動きが出ている可能性はないでしょうか?去年はどうだったといわれてもわからない自分が言うのも浅はかな話ですが。
中共も世界から批判されないような道を取ってくれることを願うばかりです。
どうもありがとうございました。
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現地でちょっとだけ生活した感想です。 (sugi)
2007-02-11 08:22:02
現地でちょっとだけ生活した感想です。

今の状態でウイグル人は独立できるのか、独立したとしてもやっていけるのか、と思うのです。
南の人は独立できるかもしれないけれど、北の人たちはどうも漢族に飲み込まれているような感じがするのです。
当のウイグルの人たちはどのように考えておられるのか、気になります。
現地ではもちろん聞けませんし、海外に出ておられる方とは少し独立への雰囲気と申しましょうか、様子が違うようなのです。

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sugi様お久しぶりです。レス遅れてすみません。お... (kok)
2007-02-12 21:34:03
sugi様お久しぶりです。レス遅れてすみません。お察しのとおりもうすでに中国経済に組み込まれている新疆は単純な「独立」など世界情勢の地殻変動でもない限りほぼ不可能であると私も思います。中共がきわめて巧妙にウイグル人を民考漢、民考民および少数派のイスラム教育を受けた人々に分けて統治し、表面的には成功しているように見せかけているのは考えさせられてしまいます。報道管制のない海外に行ってはじめて民族意識を動かされているのではないでしょうか。とにかくウイグル人への過剰な弾圧政策をやめてほしいものです。
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>表面的には成功 (RATM)
2007-04-03 09:08:33
>表面的には成功

少し気になるのですが、深層から成功している民族政策は果たしてあるのでしょうか。
たとえば、日本では言論・思想の自由が保障され、人権が尊重されています。それでいて、アイヌや琉球人が大挙して、独立運動を起こすなんて話はまずありません。独立まで行かなくても、自治権の拡大や民族教育の実施など民族的権利の向上を訴えるという話すらほとんどありません。(そんなこと言ってる奴らはプロ市民だけ売国左翼だけだ!とか言われますね)
日本は民主主義国家だから、そういう運動が起こらないのは諸民族がそもそも運動を望んでいないからだ、と言えるかもしれません。
しかし、本当にそうなんだろうか?という気がしてならないのです。
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連投すいません。 (RATM)
2007-04-03 09:45:26
連投すいません。
中国の教育は「同化教育」だと言われることがありますが、在日の日系ブラジル人少年や中国残留孤児の子孫が故国では優等生だったのに、日本では言葉の壁のせいでドロップアウトして、自尊心を失ってしまい、そのまま非行に走ってしまうという話を聞くたびに胸が痛くなり、日本語習得支援が必要だという思いを強くします。
エントリを読むと新疆でも同じような状況がありそうに思えます。だから、当局が漢語=共通語教育を強化方針を打ち出すことを一概には否定できない気がするのです。
もちろん、少数者が自分のルーツの文化に誇りが持てるような支援もまた必要なことは言うまでもありません。中国では先進諸国の公教育に比しても民族語教育はけっこう広く行われているように思われます。だから同化政策とか民族抹殺という評価は一面的な気がします。ただし、文学や歴史、信仰など文化面においては、注意が全く払われてないか、厳しい規制が行われているという印象を持っています。民族教育=民族語教育というだけではないので、このことは心配しています。
今年は「アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現」を目指すアイヌ新法成立10周年ですが、中国の民族政策にはこうした理念が見えない部分があります。単に主流社会に統合し、民族語をそれに付け加えればいいという心構えでやっているとしたら、問題は大きいと思います。
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レスが遅れました。 (kok)
2007-04-04 22:59:34
レスが遅れました。

深層から成功する民族政策というのは多分ないでしょうね。多数派の民族が少数派の文化、政治的自由、宗教、言語などを完全に保証したとしてもかえってそれが経済発展の足かせとなってしまうからだと思います。
アイヌや琉球人の人は今のところ自治権拡大や民族教育の実施などの権利の工場をほとんど求めていません。それは近代、アイヌの場合近代以前から同化政策が成功してしまったからに他ならないでしょう。特にある意味民族浄化に近かったといってもいいでしょう。

新疆ウイグルでの漢語教育と日系ブラジル人、中国残留孤児への日本語教育と同列に比較するにはどうでしょうか。新疆へ移入してきたのは漢人のほうです。
カナダでのバイリンガル教育が全く正しいとは思いませんが、ある程度の漢人へのウイグル語教育が行われることが真の「双語教育」と言えるでしょう。日本「植民地」下の満洲国でも漢語教育があったということです。
確かに同化政策、民族抹殺というのは一面的な見方ではあります。「少数」民族の経済状況のアップのために漢語教育が積極的に行われているということは否定は出来ません。しかしながらウイグル人が漢語教育で育ったいわゆる「民考漢」と民族教育で育った「民考民」に分裂し、それが家族内にまで分裂をもたらしているということは深刻な事態となりつつあります。また、本当に中国ではウイグル人に対しての差別もなく機会均等なのかということも疑問の余地があります。
私はとにかく外国に向けて告発しているウイグル人のほうに目を向け、その言葉に注目する立場に自分を置いております。
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