日本舞踊 西川鯉男 お稽古場

伝統芸能の日舞を楽しく学ぶお稽古場の雰囲気をお伝えしたいと思います。鯉絵の「独り言」も織り交ぜて、、、

清元 野崎の春

2021-04-25 12:12:30 | 日本舞踊

歌舞伎狂言「野崎村」に材を取った演目。

久松とお染の逢い引きにばったり出くわしてしまった許婚のお光。

お染の懐妊と二人の覚悟を知り自身の祝言を諦め二人を落ちのびさせます。

長い筋立てをコンパクトにまとめて三人の情愛が梅の花のように匂い立ってくるような名品に仕上げています。

久松とお染を見送った後のお光の嘆きにはきっと涙を誘われることでしょう。

     

お光 西川鯉絵

久松 西川鯉粧

お染 西川貴美子

鯉椿先生のお嬢様の鯉粧さん、鯉之祐先生のお嬢様の貴美子さんとは親子2代のお付き合いなので小さい頃からの顔なじみではありました。

文化庁の子供教室でまさ子先生にお引き合わせ頂いてから急接近し、鯉粧さんからの日出カルチャーのお誘いで、週一でお会いする内、気心知れて、三人寄れば文殊の知恵とばかりに話し合って(たわいもないお喋りが多いかも)各お稽古場をやって参りました。

久し振りの鯉男会、会主をするにあたり、そんな大切な仲間と一緒の舞台に立ちたくて、この演目をお願いしました。

お付き合い下さって有難うございました。

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長唄 鷺娘

2021-04-23 11:48:27 | 日本舞踊

全てが雪に染まった夜更け、白無垢に身を包んだ美しい娘が一人。

彼女は鷺の精。

恋に揺れる娘心を華やかに舞い踊った果てに蘇るのは地獄の責めの記憶。

降り始めた激しい雪に身もだえながら力尽きていきます。

近年はバレエの「瀕死の白鳥」になぞらえられることが多いようですが、娘踊りの華やかさと、責め苦に狂い踊る凄惨さをの対比を純粋に楽しんでもらうことが当初の眼目だったようです。

 

西川はつ寧  名披露目

得意の台詞を封印して、西川流の許し物で有名な演目「鷺娘」を踊り込んでみることにしたのに、様々な怪我に見舞われ、アスリートのようなチームを作ってメンテナンスしながら、必死のお稽古でした。

お稽古中で当日の出来栄えが最もよかったと思います。

そのすらりとした姿は鷺の精にピッタリでした。

 

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清元 花わかしゅ

2021-04-20 23:23:39 | 日本舞踊

「第二回鯉男会」初演のこの曲は、西川鯉男の手で送り出された新作の中でもひときわ輝きを放つ人気の演目です。

藤舎呂船氏作調の小気味よい鼓が響く中、立ち現れるのはこの世の春を一身に体現した若衆一人。

槍を手に四季を愛で踊るその姿は美しい一幅の絵そのもの。

どこまでも爽やかにすっきりとした舞台面には、緑の風が吹き渡るようです。

 

西川はつ文 名披露目

未だ20代の創作意欲に燃える父鯉男が「立ち役で引き抜きをしたい」と祖父の小島二朔に作詞を

後に人間国宝となる清元榮三郎氏に作曲を、鼓の師である先々代の藤舎呂船師に作調をお願いしてできた演目です。

美人で様子の良い、すっきりとした立ち役好きのはつ文さんの名披露目にピッタリとこの演目を推薦しました。

すると二枚扇や槍の激しい踊りより、何でもないように見える春の長閑な若衆らしい所の色気に苦心する事になったのです。

よくお稽古しましたね、そして見事、踊り分けて、師匠の目論見通り、とても綺麗な若衆でした。

「もっと踊りが上手くなりたい!今回の舞台で強く思うようになりました」そんなはつ文さんの今後が楽しみです。

 

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長唄 京鹿子娘道成寺

2021-04-20 22:41:42 | 日本舞踊

所化には大坊主を西川鯉匠(流星)、渡部さん(忠信)の男性陣にお願いしました。

西川はつ桐(英執着獅子)、富澤さん(静御前)には自分の出し物とは全く違う踊りで楽しそうでした。

齋藤さんは所化のリーダーをお願いして、立ち座り、入れ替わりのきっかけ作り、お稽古の連絡をお任せし、助かりました。卒論の締め切りと当日が迫っていたけど、皆に大丈夫と言われての出演でした。

永田さんはセンターをお願いし、国劇部の公演が無くなった年に、思い出に残る舞台に立ててよかったと思います。

須田さんも立ち役のはずの公演が出来ず、その熱い思いをきちんとした楷書の踊りに反映できました。

天田さんは忙しく月に2回のお稽古でしたが、気合を入れて頑張って4回通ってくれました。おかげでベストの舞台でした。

野呂さんは入門一年、「出ちゃう?」とお誘いして、見事!先輩方に付いてシッカリ踊ってました。

田部さんはやっぱり入門ほぼ1年、宝塚好きとお聞きしてたので、舞台出演は良い経験と思って下さるだろうとお誘いしました。不規則なお仕事なのにお稽古をよく合せてくださいました。

学生、社会人混じってのお稽古日設定は大変でしたが、皆の熱意で何とか乗り切れました。

当日の出来栄えは揃っていて、きちんと踊れて、嬉しくて、実は私、密かに涙ぐんじゃいました。

 

 

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長唄 京鹿子娘道成寺

2021-04-15 21:21:05 | 日本舞踊

僧安珍を慕う清姫が約束を違えた安珍を恨み、彼が隠れ潜んだ道成寺の鐘に巻き付き焼き殺す。

この鐘を供養する最中に再び清姫の亡霊が現れ、恨みをかき口説くという能の「道成寺」を日本舞踊に置き換えた演目です。

清姫の怨念よりも娘として安珍を恋い慕う気持ちを様々な小道具を使って時にはしっとりと、時には激しく舞い踊りつつも恨みの暗い情念も垣間見せて、、、

女性の感情のほとんどが網羅されていると言われる演目で、まさに女形舞踊の集大成と言っても過言ではありません。

 

名披露目 西川はつ穂

入門すると直ぐに日本舞踊に魅了され、才能と容姿に恵まれ、ご両親の強力なバックアップもあり、3年で苗字内に、名披露目は王道の道成寺と決まり、その人望とタイミングの良さで所化も10人出演してくれることになり、お稽古もどんどん進んで、とここまで絵に描いたように順調でした。

が、そうは問屋が卸さない、何と6月から京都に転勤!あたふたする師匠に「新幹線で通います!」との力強い宣言に安堵も束の間、仕事の大事な日と当日が重なり(コロナでスケジュールが変った為)休めないかも?と半泣きで電話してきました。

お稽古場の皆で「何としても上司にお願いするのよ!」と必死に応援しました。

「何ならおばあ様を危篤にして休み、当日済んだら出勤してお蔭様で持ち直しました、と言えばいいんです。私やったことあります。」なんてツワモノのアドバイスまで出る始末。

そして、願いは通じ、理解ある上司のOKが出て、出演が叶いました!

ご当人は、当日ハプニングもあり、もっとお稽古を詰めて、万全で臨みたかったと悔しそうでしたが、師匠としてはこのレベルまでできれば、西川の許し物、道成寺をきちんと踊れたと思います。

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長唄 賤の苧環

2021-04-15 20:55:35 | 日本舞踊

「しづやしづ しづのをだまきくりかえし むかしをいまになすよしもがな」

鶴岡八幡宮に呼ばれ頼朝の面前で奉納舞いを命じられた静御前が、生き別れになった義経への恋慕を隠すことなく、「あの頃をふたたび呼び戻したい」と舞った故事を題材にしています。

激しい恋情と気高さを内に秘めながらも穏やかに舞う姿が涙を誘います。

 

木原さんはお仕事が忙しく、小唄振りなどの短い曲ばかりでしたが、鯉男会への出演なので初めて長い段物に挑戦しました。

頑張ってお稽古に通って、当日が近ずくにつれどんどん調子が出てきて、かなりの上達ぶりでした。

お客様の評判も良く、終わった後からも見られなかった方にプログラムを沢山配ってらっしゃいました。

ワンランク上に行きましたね。

 

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長唄 舞妓

2021-04-14 09:40:19 | 日本舞踊

だらりの帯にぽっくり。

お馴染みの姿で京都の四季を艶やかに舞ってみせる舞妓さん。

桃色桜、緑の薫風、山を染める赤や黄色の木々、四方を白く染める雪。

移ろう季節の中で舞い踊りながら、舞妓さんは大人への階段を少しづつ昇っていくのでしょう。

 

土橋さんはご家族の「良い機会だから」との後押しで、入門して2年足らずながら国立の舞台に立つことにしました。

素直で真面目な踊りは初々しい舞妓さんにピッタリで、ぱっちりした目のお顔立ちは、本当に可愛らしく、祇園に出たら売れること間違いなしです。

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清元 鳥刺し

2021-04-11 10:06:26 | 日本舞踊

もともと、忠臣蔵の歌舞伎芝居の合間に挟まれた物。

祇園町茶屋の座敷。

賑わいの最中、幇間が酒宴の座興にと鳥刺しの風を踊るご趣向。

長い枝の先に鳥もちを付けて小鳥を捕る様子を見せながら、朝帰りのお大尽や頬被りで忍んでくる客など、色街の風俗を洒脱に踊り尽くして宴席を沸かせます。

 

西川鯉好

何度目かの再演、十八番といってよい演目です。

が、何と言っても米寿目前、しかも久し振りの大舞台とあって、観客の年齢を感じさせない舞台だとのお褒めの言葉にも、「イヤイヤ、思ったように踊れてない、次こそは!」と申してました。

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長唄 藤娘(藤音頭)

2021-04-09 09:49:46 | 日本舞踊

二番目の演目「藤娘]とほとんど同じ曲ですが、こちらは、真ん中に「藤音頭」という曲を挟んでいまう。

これは西川の先々代家元鯉三郎師の手になる振りで、舞台を対角線状に横切りながら踊るところがとても新鮮でした。

潮来出島に比べて、こちらは少し大人っぽい藤の精と言えましょう。

 

西川雅司

6歳から日本舞踊を習い続け、名取さんになるタイミングが地方の大学院進学と重なり、通えなくなってしまいましたが、子育ての一段落から復帰したのが一昨年末のこと。

年明けに会があるなら出たいとの申し出ながら、例の緊急事態宣言でお稽古が出来ず、実質6月からのお稽古でここまで仕上げてきたのはさすが!

身に付いた芸は当人は忘れたつもりでも、しっかりと離れません。

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清元 流星

2021-04-06 20:50:53 | 日本舞踊

「ご注進、ご注進」。

牽牛、織女、年に一度の七夕の逢瀬に割って入ってきたのは流星。

雷夫婦の喧嘩噺を面白おかしくまくし立てた挙句、雲に乗って帰って行ってしまいます。

全編軽妙洒脱、外連味に溢れた演目。

特に、雷一家、夫、女房、子供、姑を一人で演じ分ける部分は拍手の来るところ。

流行の端唄も入って、江戸の洒落っ気満載です。

 

西川鯉匠  

祖父鯉男が得意とした「流星」を同様に素踊りで挑戦しました。

雷婆が難しいとされますが、一番苦労したのは流星の軽い踊りやちょっとお狂言風な言い回しの台詞でした。何とか合格点まで行けたのでしょうか、見巧者の歌舞伎友達がかけ声を掛けられないので、拍手で認めてくださったので。                    

 

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