名披露目 西川はつ桐
獅子と言えば「鏡獅子」を想う方も多いでしょう。「鏡獅子」では、御殿で奥女中が舞を乞われ踊るうち、獅子を手にしたのを機に獅子の精へと変化し勇壮に舞い踊るのですが、これよりずっと昔に出来たこちらの演目では、踊り手はお姫様。そして獅子へと変化しても赤姫の着付けのままという所が最大の違いです。姫のたおやかさと獅子の勇壮な狂い、全く違う二つの要素をどう撚り合わせて表現するか、難しい所ところです。
はつ桐さんは赤姫に憧れ続けて、やっと念願叶いお姫様になれました。綺麗なお姫様なだけでなく、名取さんにふさわしい踊りでした。マスクをつけた毛振りのお稽古なんてこなした人は希少です。