日本舞踊 西川鯉男 お稽古場

伝統芸能の日舞を楽しく学ぶお稽古場の雰囲気をお伝えしたいと思います。鯉絵の「独り言」も織り交ぜて、、、

長唄 京鹿子娘道成寺

2021-04-15 21:21:05 | 日本舞踊

僧安珍を慕う清姫が約束を違えた安珍を恨み、彼が隠れ潜んだ道成寺の鐘に巻き付き焼き殺す。

この鐘を供養する最中に再び清姫の亡霊が現れ、恨みをかき口説くという能の「道成寺」を日本舞踊に置き換えた演目です。

清姫の怨念よりも娘として安珍を恋い慕う気持ちを様々な小道具を使って時にはしっとりと、時には激しく舞い踊りつつも恨みの暗い情念も垣間見せて、、、

女性の感情のほとんどが網羅されていると言われる演目で、まさに女形舞踊の集大成と言っても過言ではありません。

 

名披露目 西川はつ穂

入門すると直ぐに日本舞踊に魅了され、才能と容姿に恵まれ、ご両親の強力なバックアップもあり、3年で苗字内に、名披露目は王道の道成寺と決まり、その人望とタイミングの良さで所化も10人出演してくれることになり、お稽古もどんどん進んで、とここまで絵に描いたように順調でした。

が、そうは問屋が卸さない、何と6月から京都に転勤!あたふたする師匠に「新幹線で通います!」との力強い宣言に安堵も束の間、仕事の大事な日と当日が重なり(コロナでスケジュールが変った為)休めないかも?と半泣きで電話してきました。

お稽古場の皆で「何としても上司にお願いするのよ!」と必死に応援しました。

「何ならおばあ様を危篤にして休み、当日済んだら出勤してお蔭様で持ち直しました、と言えばいいんです。私やったことあります。」なんてツワモノのアドバイスまで出る始末。

そして、願いは通じ、理解ある上司のOKが出て、出演が叶いました!

ご当人は、当日ハプニングもあり、もっとお稽古を詰めて、万全で臨みたかったと悔しそうでしたが、師匠としてはこのレベルまでできれば、西川の許し物、道成寺をきちんと踊れたと思います。

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長唄 賤の苧環

2021-04-15 20:55:35 | 日本舞踊

「しづやしづ しづのをだまきくりかえし むかしをいまになすよしもがな」

鶴岡八幡宮に呼ばれ頼朝の面前で奉納舞いを命じられた静御前が、生き別れになった義経への恋慕を隠すことなく、「あの頃をふたたび呼び戻したい」と舞った故事を題材にしています。

激しい恋情と気高さを内に秘めながらも穏やかに舞う姿が涙を誘います。

 

木原さんはお仕事が忙しく、小唄振りなどの短い曲ばかりでしたが、鯉男会への出演なので初めて長い段物に挑戦しました。

頑張ってお稽古に通って、当日が近ずくにつれどんどん調子が出てきて、かなりの上達ぶりでした。

お客様の評判も良く、終わった後からも見られなかった方にプログラムを沢山配ってらっしゃいました。

ワンランク上に行きましたね。

 

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