「縦横無尽」 フローレ21社長のコラム

花の仲卸フローレ21社長小池潔がつれづれに語ります 快調に更新中

新規事業案件その2

2006-10-07 07:29:42 | Weblog
9月23日の縦横無尽で書いた、新規事業案件の花育は10月11日スタートをきり、順次スケジュールが入っている。
日本経済新聞の記事を読んで、「当校でも興味があるので資料を送って欲しい」等の問い合わせが数軒あった。
業界の反応も良く、協力を申し出てくれる生産者団体も少なくない、花材提供や資材も含めて申し出て頂いた。
今後、花育の取り組み状況など、適宜このブログでお知らせるようにしたいと思います。

アフター5の職場での「花遊び」の方も、シュミレーションが成功裏に終わり、いよいよ10月13日から始動する。先日のコラムでも言ったが、フラワーデザインの教室ではなく、花を通じてどれだけ参加した人達が癒されるか?楽しんで頂けるか?ここにこの取り組みの真髄がある。

「花育」や「花遊び」に参加をして、新しい花と出会った人たちが、更に花との親しみを深め、新しい花の消費を少しでも喚起される事を望んでいます。
今後、フロ―レが次へとつなぐ、花の消費拡大に向けての第一歩を踏み出した事業としてとらえたいと思います。

新規事業案件、次の試みは「産地ブーケ」の取り組みです。
産地と消費者をもっと身近に、生産者の思いを消費者に伝える。
商品にたくさんのストーリを持たせることで、消費者の買って頂くという、動機付けをつくる試み。
営業企画室が1年間かけて取り組み、やっと先月からスタートを切った。
昨年は「愛知経済連」と取り組み、いい所まで進んだのだが、産地→フロ―レ→加工→小売店と、この流れをとおると産地から小売店まで4日~5日かかる。
鮮度を求め、店頭でのリードタイムを考えると、あと2日~3日短縮しなければ成らならなかった。

そこで、ブーケを作るのを産地にやってもらう事が出来ないか?と考え、産地との交流があった、千葉県の丸朝生産組合に話しをした、婦人部{ソニア会}にフロ―レに来てもらったり、営業企画室が出向き、ブーケの講習会を行ったりを、繰り返した。
互いの思いが通じ、やっと6ヶ月かかりで念願の「マルアサブーケ」が完成した。

現在は、産地→フロ―レ→小売店のルートで届けているのを、将来は産地→小売店のルートで完結するように取り組みたい。
この事で3日間短縮され店舗での販売する機会がそれだけ増える事の成る。
今、店頭でカラー10本とグリーンのブーケを2800円で販売している。

15年前にコロンビアのボゴタを訪れた時、大勢の現地の人達が、ハンドメイドのブーケをたくさん作っていた。
当時、コロンビアのファームからたくさんのブーケがマイアミへ送られていた。ドライで水はなく、マイアミで切り戻すとのことだった。
その時も、日本の産地でこんな事が出来れば良いのにと思った、いまではコロンビアでは全体の20%が加工して出荷されているそうだ。

今後、私達はカラーだけでなく、サンダ―ソニアやアナスタシアをつかったブーケも営業企画室で開発するそうである。

日本の産地においても、加工の能力をつけて、相場に左右されないで、売れる売り場を作ることも重要なことである。

そして、出荷 (丈が短い、細い)できなくても充分花束に使えるものがある、そんな商品も含め産地が商品として、出荷できればそのメリットは大きい。
食物でいう、中食(惣菜)の機能を持つ事の優位性がいかされてくる。

フロ―レでの取り組みでも、いち早く売場のデータ―が産地へとつながり、産地が売れ筋と死に筋を把握し、次の生産、次の販売に生かせる仕組みを構築したい。
産地と仲卸と小売店の新しい取り組みとして、産地の特性、小売店の立地をいかし、仲卸の機能を発揮させた理想的な新規事業のように思う、いかがでしょうか?







広島でのパフォーマンス

2006-10-01 00:36:30 | Weblog
ーBLENDAのブログで山ちゃんの広島でのパフォーマンスが大きな反響を呼び、私にも責任の一端がありますので、意見を述べさせていただきます。長文のコラムは1週間に一回と決めていたのですが、番外編ということで、お許しください。ー


山ちゃんの考え方が間違っているとか、小池の考え方が正しいとかでは有りません。
私は20世紀を54年間生きてきました。21世紀はあと25年も生きたら長生きでしょう。
25年は私にとってそんなに長い時間ではありません。
この21世紀は人類がどうしても解決しなければならない問題が3つあります。

一つ目は貧困の問題です、世界の人口64億人のうち8億人は栄養失調です、11億人は毎日の飲み水が手に入りません、子供の5人に1人は学校に行ってません、成人の5人に1人は読み書きが出来ません。
アメリカでは一人あたり1日590リットルの衛生的な水を消費してます、一方アフリカのマリではたった12リットルの水しか供給されてません。5歳未満の子供たちの死亡率は日本の25倍です。
ここに私たちも含め解決を迫られている問題の本質があります。
そして地球上の富は2割の人が8割の富を所有しています

二つ目は環境の問題です、このまま対策を取らなければ2100年に地球の気温は6℃上昇し、多くの生態系に、決定的な打撃を与えます、今でさえ哺乳類の24%魚類の30%鳥類の12%の絶滅が危惧されてます。生物の多様性の中で人類の生存が可能になっています。
未来の子供たちの為に私たちは、二酸化炭素の排出量を50%削減しなくてはなりません。
アメリカの一人あたりの一年間の二酸化炭素の排出量は6,718kgです、モザンビークではたった416kgです、人類が持続可能な限界水準は500kgでしす。
アメリカは持続可能な限界水準の13倍ものエネルギーを消費してます。
世界中のマングローブの半分は消滅しました、生物の多様性の宝庫といわれている熱帯雨林は毎年1500万ヘクタール消失してます。
しかし、失望するだけでなくこの10年間だけでも環境を守る、取り組みは世界中で大きく前進してます。
環境・社会問題に取り組むNGO(非政府組織)が7,000あまり設立されました。
そして京都議定書(アメリカを除く)が結ばれました。まだ残された時間は私の命ぐらいはあります。

三つ目は核兵器の問題です。世界中の核兵器は世界中の人類を20回も30回も殺せるだけ存在しています。アメリカ、ロシア、フランス、中国、イギリス、インド、パキスタンこれからも核保有国は増える勢いです、世界中でただ一つ核兵器の被害をこうむった国、だからこそ私たちが声をあげなければ成りません。
国際連合では「核兵器の廃絶」に向けた取り組みが始まっています。
「核兵器の廃絶は究極的」な目標ではありません、緊急を要する問題です。

この3つの問題は21世紀の出きるだけ早い段階で解決しなければならない、大きな問題です。
そしてこれは特定のイデオロギーでは有りません、世界の人類の共通の認識になりつつあります。
歴史を見ると、その時代時代で人類は多くのことを解決してきました、20世紀はリンカーンの奴隷解放から、南アフリカのネルソン・マンデラのアパルトヘイト(人種隔離政策)まで、人が人を売り買いをしていたところから、肌の色や、生まれた場所、職業などで差別していたことに終止符を打ちました。(差別はまだ残っていますが,国家が社会制度として残しているところはない)
そして20世紀の中で、他国の支配を受けていた国々がいっせいに独立を果たしました。、
領土や主権はその国に与えられた固有の権利で、何人もその権利を侵害してはならないのは、当然です。
今や国際連合に加盟している国は200に迫ろうとしています、それらの国々は非同盟諸国連合を結成し、平和への取り組み、核廃絶の取り組みで世界の世論をリードするに至っています。
奴隷解放から始まった人種差別の撤廃、植民地の開放、20世紀のはじめには、きっと解決しなければならない課題だと、多くの人は思っていなかったと思います。
そこに人間の持っている限りない、可能性とヒューマニズムを感じます、まさに人間が人間として生きつづけてきた由縁だと思う。

21世紀はこの3つの問題解決が、人類の最大で共通の課題です。
ここにその意義と皆の心をひとつに出きる求心力がはたらきます。
核の問題が政治の問題でも、特定のイデオロギーの問題でもない、人類の解決しなければならない共通課題です。
この崇高な目的に向かって、私は頑張りたい。
もちろん山チャンが中心になつてやる事で、最終判断は山ちゃんです、どんな判断をしても、小池は協力は惜しみません