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日本の中長期債 中国、買い越し最高 4月1兆3000億円 運用先を分散

2011-06-09 22:18:23 | 日記
中国が日本の中長期の国債を積極的に買い増している。期間1年を超す中長期債で4月は買越額が1兆3300億円と過去最高に膨らんだ。一方、米国債の保有残高は3月末まで5カ月連続で減少した。ドル安への不安がくすぶるなか、中国政府は3兆ドルを突破した外貨準備の運用先をドル以外の資産に分散している。

日本の財務省が8日発表した4月の対外・対内証券投資によると、中国による日本の中長期債の買越額はこれまでの過去最高だった3月(2345億円)の6倍近くに達した。中国は昨年10月から一貫して日本の中長期債を買い越している。

期間1年以内の短期債は4月に1兆4687億円の売り越しとなった。市場では「中国はより高い利回りを求めて短期債から中長期債に乗り換えている」(日本の大手証券)との声が多い。5年債や2年債などの利回りが低めで推移している背景には、中国からの資金流入があるようだ。

一方で米国債の保有は減る傾向だ。米財務省によると、中国の米国債の保有残高は3月末時点で1兆1449億ドル。世界最大の保有国に変わりはないが、昨年10月末に比べると残高は約300億ドル落ち込んだ。

中国による日本国債の購入は、大半が外貨準備の運用によるとみられる。中国の外貨準備高は3月末に3兆447億ドルで世界最大。世界2位の日本の約1兆1000億ドルを大きく引き離す。

日経 9日朝刊
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元を安定化するために、中国人民銀行は元を売って外貨を買ってきました。その運用先が米国債です。いまでも米国債保有比率は全世界でトップ。中国外貨準備の3分の2を占めています。日本の外貨準備高相当を米国債で運用しているのですね。ただ、米国債は安定運用先ではなくなりつつあるようです。米国債デフォルトの危険性に起因する、ムーディーズによる格下げ方向の発表もあり、一極集中は避けるべきと判断。日本の中長期債への投資に切り替えてきました。日本も決して安心できる投資先ではありませんし、金利も低い。でも分散投資することが、今の中国には必要なようです。

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