旧(アイマスな)駄目人間の溜り場

(アイマスにはまってる)駄目人間の駄目な毎日。の跡地。

伊平次とわらわ 1、2巻

2010-10-24 17:03:16 | 漫画
作者は大好き漫画家の坂田靖子。
少女漫画家さんで好きな人を三人上げろといわれれば、
萩尾望都、竹宮恵子、そして坂田靖子をあげます。そのぐらい好きな漫画家さん。
ちなみに次点は佐々木

まぁ、この「伊平次とわらわ」に関しては少女漫画といっていいのかは微妙ですが。
というかおそらくこれを少女漫画に分類したら怒られる。
ちなみに大分前に、もう10年近く前?位に既読。

なんですが、個人的に少々ありまして、現在手元になく、
どうしようもなく読みたくなったので、改めて購入。
前にあったのは文庫版だったので、今回はわざわざ単行本版を。

中身としては、伊平次は墓場のはずれに住んでいる墓守。
だが、墓守の仕事はそれほど忙しいわけでもなく、ゆるゆると暮らしている。
そんな中、ある日、自身で先の中納言の姫、と名乗る犬が父親の骨を見つけたい、と訪ねてくる。
という、ちょっとよく分からない感じの、いわゆる少し不思議的な意味でのSFというか、
ファンタジーというか、怪異物というか。

幼少から墓守として墓場の近くで暮らした故に化け物が見えて関わってしまう伊平次と、
見た目は胡散臭い可愛くも無い、食い意地のはった野良犬でありながら、
人語を解して、自身を先の中納言の姫というわらわの、
1人1匹のよく分からない化け物が出てきたり、幽霊や骨が出ていたりなお話。

坂田さんの持ち味である、温かみがありながら極限まで簡略化された、
デフォルメの効いたキャラが、ゆるゆると互いの領分をわきまえながら、
人間味(化け物味?)を効かせた話を展開していく様は、
おぞましい、怖いではなく、奇妙で暖かく面白い。

日本語で表現する事は難しいですが、その坂田靖子ワールドがとにかく素敵。
特に平安期の日本と、墓守、わらわの組み合わせがまた絶妙で、
坂田さんの作品の中でもトップ3に入るくらいにすきなのが、この伊平次とわらわ。

久しぶりにじっくり読みましたが、やっぱりいいなぁ。と。
坂田さんはもっと評価されていい作家さんだと思うんだ。
そんな。