内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

来年前半の演習・講演・発表の予定について ― 哲学・生命・宗教

2018-12-22 23:59:59 | 哲学

 来年前半に予定されている演習・講演・発表のことを先日来ぼんやりと考えている。それらをすべてを一つの主題をめぐって関連づけるようにしたいと思っている。
 その核になるのが3月14日にリル大学で行う発表である。この発表は、「宗教的生の現象学」というテーマで開かれる研究集会で行われる。宗教とフッサール現象学との関係がその中心的な問題なのだが、この問題を〈外〉から照射する一視角として西田哲学について話してほしいというのが主催者からの依頼であった。受諾の返事の中では、西田とフッサールを直接対質させるのではなく、ミッシェル・アンリの生命の現象学を媒介として話すつもりだとだけ主催者に伝えてある。この冬休みに話の骨子を組み立てておきたい。
 6月29日のイナルコでの発表では、リルでの発表から西田哲学の方に引き寄せて、哲学と宗教との関係について話すつもりだが、まずは3月の発表の骨子ができあがらないことにはその輪郭も定めようがない。ただ、先月のパリ・ナンテール大学での田辺についての発表の際、原稿の半分も読めなかったので、残りについてどこかで発表しておきたいという気持ちもあり、どちらにするか、まだ迷いもある。
 7月27日から8月2日にかけての東洋大学大学院での集中講義「現代哲学特殊演習」では、リルとイナルコでの発表の内容を前提とし、かつ今年の集中講義で取り上げたシモンドンによる技術と神聖との関係についての議論も参照しながら、現代社会における宗教と技術との関係について考察してみたいと思っている。
 4月か5月のいずれかにストラスブール大の日仏大学会館で学術振興会主催の講演をする。この講演は、一般向けであるからあまり専門性の高い話はできない。現代社会における日本人の宗教観について「空」と「結び」をキーワードとして話そうかと思っている。
 1月から5月にかけての修士一年の演習「近現代思想」では、上掲の諸題目と何らかのつながりをある日本語の本を一冊学生たちと一緒に読みたいと思っているが、なかなかこれといった本が見つからない。強制はできないのだが、同意した学生たちには本を一冊買わせて、それを読ませたいと思っている。もうしばらく探す必要がある。












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