内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

東京でのオンライン集中講義

2022-08-01 23:59:59 | 講義の余白から

 今年の夏期集中講義は今日から五日間、毎日三コマ(一コマ九〇分)計一五コマ行われる予定だった。ところが、講義開始のほぼ二週間前、ストラスブールを発つ七月一八日に受講予定の学生の一人からオンラインでの受講を希望する旨のメールが届いた。理由はもっともだったが、私の一存で即座に判断できることではなかったので、日本に着いてから大学院教務課と相談して返事をすると応えた。日本到着後、教務課に相談すると、学生と相談して決めてくださいとの回答だった。
 その時点では、他の受講予定学生(最大で四名)とは教室での対面授業を行うつもりでいたので、大学のヘルプデスクのスタッフにハイブリッド方式で行うための機材の使い方を初日に教室で教えてもらう手筈を整えた。学生たちには事前に授業方式について簡単なミーティングをしておいたほうがよいと考え、講義開始三日前の前週の金曜日にZOOM会議を設定した。ところが、その前々日の水曜日に別の学生からPCR検査で陽性反応で体調も優れず、オンラインでの受講を希望する旨のメールが届いた。
 どうするか。感染もますます急拡大している。対面でも行うとすれば、それに出席する学生たちは大学までの往復路でそれだけ感染の危険に晒されることになる。ハイブリッド方式によって発生する手間と時間のロスもある。それにこの酷暑である。これらの条件を勘案し、全面的にオンライン授業に切り替えたほうがよいと判断した。事前ミーティングでその旨学生たちに説明し了承を得た。
 残る問題は、毎日三コマオンラインで行うことの不都合である。途中で休憩を入れるにしても五時間ほどPCの前に拘束されるのは、私にとっても学生たちにとってもかなりの苦痛だ。昨年度の集中講義は最初からオンラインで行うことが決まっていたので、二人の受講学生と相談の上、一日の時間数を減らし、日数を増やすことにした。結果、九回に分けて行った。私にとっても学生たちにとってもより快適な条件で演習を行うことができた。
 今回は、しかし、集中講義開始まであと三日しかない。回数を増やし、一日の時間数を減らすには、事前ミーティング直後の土日にも授業をしなくてはならない。予告なしにそんなことを急に言われても学生たちの都合がつくとはかぎらない。幸い問題ないとのことだったので、土日にそれぞれ二コマずつ行った。だから今日は演習三日目だった。ここまで概ね順調だ。学生たちの反応も良い。
 このまま最後までオンラインで続けてもよいのだが、私も東京にいるだから、状況が許せばせめて最終日は対面で行いたい旨、学生たちには事前ミーティングのときに伝えておいた。明日明後日の状況を見て最終的な判断を下すことになる。