南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

ワーキング・プア

2009-12-06 21:13:59 | 読書
ワーキング・プアという言葉は、NHKスペシャルで放映されて注目を浴びました。
その原点となったのが、この本です。
英語版が出版されたのが2004年で、日本語版はNHK放映翌年の2007年出版でした。
ここに紹介されている事例はすべて真実のレポートですが、読み進むにつれて気持が暗く沈んでしまいました。

序文の終わりで著者はこうまとめてあります。
「仮にこれが短編小説集であれば、登場人物がいて、ときには筋書きがあり、家族の悲劇と孤独なヒロイズムまで描かれていると言われるところだろう。
しかしここにはクライマックスも物語の終わりもない。
人生は未解決のまま続くのである。」

本を読みながら、以前“災害ボランティア・コーディネーター養成講座”を受講した際に共感した内容を思い起こしました。
「災害ボランティア」である前に「被災者」であることを思いなさい。
「何をすればいいか」を考えるのではなく「何をされたいか」を考えなさい。
誰かの指示を待つのではなく、「何かしたい」と思う気持を「行動」に変えていく力を身につけなさい。


ワーキング・プア―アメリカの下層社会

岩波書店

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