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「ドブスを守る会」事件で思ったこと

2010年07月07日 10時16分15秒 | 社会
首都大:学生2人退学 「ドブスを守る会」で動画無断投稿 - 毎日jp(毎日新聞)
首都大学東京:准教授を諭旨解雇処分 - 毎日jp(毎日新聞)

今回の事件は、大学側の対応は「当然」と捉えられているように見えるのだが、
個人的には、そこまで当然視して良いのだろうか、と違和感がある。
結論としては妥当かも知れないのだが、
充分に考えられているのか。
ムードで決めていないか、というところ。

例えば大学の落研の人間が、
マクラで「こんな女性がいた」と
(例えば「酋長の嫁さん」でも「ブラジル人ばばあ」でも)取り上げ、
容姿について語ったとする。
まあ、面白くなるかどうかはともかく、「シャレ」で済まされるわな。
この高座が撮影され、前後の文脈なしに、
その「悪口」と捉えかねられない部分だけ切り出される。
さらにその女性の写真が追加されて、ネットに晒されたとする。
これが「女性の人権を傷付けた」として叩かれ、
退学させられる。

こんなことはないだろう、と思うのだが、
論理的に、絶対にない、という根拠がない。
「みんながそこまでは問題視しないだろう」というだけのこと。
危険である以上、
我が身が可愛ければ「叩かれるかも知れない」言動は控えざるを得ない。
どこまでOKか?どこからNGか?が不明確な取り締まりは、
「萎縮的効果」をもたらす。

今回の件を「明らかにNG」と感じたところで、
それで済ませるのはマズいのではないか。
例えば今回の事件では女性だったが、これが男性ならばOKだったのか。
女性の容姿ではなく、服のセンスだったらどうだったのか。
不特定多数が閲覧できる動画サイトに投稿されたから問題が広がったが、
個人的に撮って、持っているだけだったらOKなのか。
あるいは知り合いの間でファイルをやりとりするだけだったらOKなのか。
「境界事例」になりそうなケースはいくらもあると思う。

極端に言えば、
「世間を騒がせた」ことを理由に退学させられるのであれば、
大学は意図的に世間を騒がせて、制裁を加えることもできる、ということ。
学生運動華やかなりし頃にこんなことが認められれば、
新左翼の連中は問題視したと思うけどなあ。

違う観点。
今回の件って、テレビ局が人気タレントに同じことをやらせても、
再起不能なところまで至らなかったのではないか。
せいぜい一時的に番組を下ろされるだけで。
# 「弱い立場の人間程、不利益が大きい」逆進性も、どうかと思うが。

「退学」って、下手したら「懲戒解雇」以上に影響のある処分だと思うのだが、
学生生活離れて長い人間は、そのあたりをあまり意識していないのかな。

そして、特に犯罪者として逮捕されていない、
国家から刑罰を受けていない人間に対して、
一機関たる「大学」がそこまでの不利益を課すことは認められるのだろうか?
「大学の名誉を傷付けた」と言うのは簡単だし、
タテマエ上、大学に所属する人間の生殺与奪の権利を大学が持っているのかも知れんが、
実際に想像してみると空恐ろしいものがある。
# 地位保全の訴えとか、見てみたい気もする。

まあ、石もて追われる者の戯言かも知れませんがね。
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