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「業務改善助成金」は筋の悪い助成金

2022年05月28日 13時04分32秒 | お仕事
業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援|厚生労働省
業務改善助成金(特例コース)|厚生労働省

様々な助成金のハードルが上がった今、厚生労働省では「業務改善助成金」をやたらと推している。
そのためか、事業主さんから「賃金を引き上げたら、その一部が助成される助成金があるの?」と
問い合わせを受けることもある。

実際には、
「賃金を引き上げたら、生産性向上に向けた取組を行う場合に、その費用の一部が助成される」助成金なのだが、
この「賃金を引き上げたら」が独り歩きしがち。
厚生労働省は、「分かりにくいのは、理解が進んでいないからだ」として説明しようとしているが、
そもそもこのような誤解が生じるのは、この助成金の仕組みが歪んでいるからだろう。

まず、この助成金の根幹は、「生産性向上にかかる費用の一部を助成する」という「経費助成」。
これは、経済産業省の「補助金」と同じ考え方。
ここに厚生労働省として「人」に関連付ける必要があるので、
助成額の上限を決める際に「何人の最低賃金を何円引き上げたか」を効かしている。
この全体的な構成がそもそも不自然で歪んでいるため、頭に入りづらいのではないか。
賃金引上げを目指すのであれば、
「引上げた賃金額の○○%を支給する」方が、はるかにシンプルで分かりやすい。

しかも、本来は対象経費についても、
従業員の待遇改善や職場環境の改善に繋がる、という
厚生労働省所管の助成金らしい趣旨を盛り込むべきなのに、
現在はそこは要件になっていない。

さらに、今回の「コロナ特例」は、
「令和3年7月16日から12月31日までの間」に賃金を引き上げている必要があるのだが、
申請時までに、遡って差額を支払っておけばOK、などと言っている。
また、条件を満たせばパソコンでもOK、と言っているし、
そう宣伝してこの助成金を申請してもらうように誘導している。

私はこの助成金は分りづらいし、
厚生労働省という役所が何とか助成金の財源を維持するために
筋の悪い助成金をゴリ押ししているようにしか見えない。
設備投資に使うのであれば、シンプルな「補助金」を申請する方が良いのでは、と考える。

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