1947年(昭和22年)5月3日に日本国憲法が施行され、
今年で69年、来年で満70年を迎える。
人間でいえば古稀。
人生七十古来稀なり、であり、
一度も手を加えられることなく70年の節目を迎えることになるかどうか。
70年前には想定されていなかった状況があり、
プライバシーに関する権利、或いは環境権といったものも盛り込みたいところではある。
しかし昨今の議論の状況を見ていると、
そのような新たな権利を盛り込むのとバーターに
本質的な部分に改悪が為されてしまうのでは、という懸念が大きい。
そんな改悪も併せて為されてしまうくらいならば、
新たな権利も入れずに現行の憲法をそのまま使用した方が良いのでは、という感覚がある。
護憲派は「現在の憲法が最高だ、一切変える必要がない」と心底思っている訳ではない。
ただ憲法を変えようとするとそのタイミングで根底から戦後の歩みを腐らせる邪悪なるものが紛れ込むから、
それならば最初から扉は閉めておく方がマシだ、と考えているに過ぎない。
日本が西側先進国の一員として歩んでいる以上、
欧米民主主義国の「基本的人権」或いは「立憲主義」の考え方を踏まえるのは当然だろう。
それを拒否するのは伊藤博文より前に戻ろうとする企てに他ならないが、
そのあたりを意識せず、或いは意識するだけの知識や能力・素養のないまま、
「変えたいから」と自己陶酔の汚い手で触れようとする連中が多過ぎる。