北島邦彦の「すぎなみ未来BOX」

元杉並区議会議員(2007-2011)北島邦彦の活動日誌 e-mail kjmirai@jcom.home.ne.jp

日米首脳会談の虚妄

2013年02月25日 | 日記
今回開催された日米首脳会談はその内容以前に、その取り扱われようにちょっと異様なものがありました。日本とアメリカのメディアにおいて。「日米同盟の絆を回復した」「TPP交渉参加にあたって、『聖域なき関税撤廃を前提としない』と確認した」などと、日本のマスメディアは報じています。しかし、アメリカにおいては日米首脳会談の内容を取材しようという姿勢はまったくなく、「財政の崖」をオバマ大統領がどう切り抜けようとしているかを探るのに終始していたといいます。この状況には、「アベノミクス」とひとり合点に浮かれ騒いでいるムードと同様に、日米首脳会談の内容を自分に都合のいいように歪曲してアナウンスしている安倍晋三=安倍政権の姿を見ることができます。
TPP問題について言えば、「聖域なき関税撤廃」を承認することが交渉参加の条件であれば、それは「交渉」ではありません。承認して協定に参加するか、否認して協定から排除されるかしかありません。アメリカは日本をTPPに引きずり込むことが第一に必要なことであり、それによって中国排除の経済的包囲網をつくることにねらいがあります。交渉それ自体は徹底して争闘戦的に行なわれるでしょうが、結果としてアメリカのねらいどおりの関税撤廃が実現されればよいわけです。しかしこの日米争闘戦は、アメリカが構想するように簡単には進んでいかない。確かに日本資本は脱落資本と化しつつありますが、アメリカ資本総体がそれほど“強靱”でないことは、リーマンショックを見るまでもなく明らかなのですから。ただし、TPPそのものは労働者階級人民の敵対物以外の何ものでもありません。たとえば労働分野。この点で日米資本に何の利害対立もなく、労働分野における文字どおり「聖域なき規制撤廃」が行なわれることになります。絶対に阻止しよう!

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