北島邦彦の「すぎなみ未来BOX」

元杉並区議会議員(2007-2011)北島邦彦の活動日誌 e-mail kjmirai@jcom.home.ne.jp

「杉並まるごと民営化」攻撃の現状

2010年05月19日 | 日記
ある自治体関係者の学習会で、杉並区長・山田宏による「杉並まるごと民営化」攻撃10年の現状を報告する機会がありました。以前にも同様のテーマで調査したことがあったのですが、もっと攻撃は進められていたし、その矛盾の噴出も様々な面で出てきています。結論的にはあらかじめハッキリしていたことですが、やっぱり杉並区職労働者の団結と山田区政との真正面からの闘いこそ、「杉並まるごと民営化」攻撃を木端微塵にしていく道です。来年の杉並区議選のことを考えてみても、山田区政12年の労働者の側からの階級的な壊滅的批判と総括ができるかどうかがカギになりますね。以下は学習会で使ったレジュメです。

「杉並まるごと民営化」攻撃の現状

1)「杉並区行財政改革実施プラン(スマートすぎなみ計画)」
   第1次~第4次-H11~H22まで3年ごとの計画
・3つの目標
a)協働(NPOの活用)・民営化・民間委託…区の事業の6割が目標
  第3次までで57.7%の事業で協働等を推進(H20区政経営報告書)
b)財政健全化
  第4次目標の区債残高180億円以下を達成(H22区政経営計画書)
  *減税自治体構想-減税基金設置条例
c)職員定数削減
  10年間で1031人削減-目標1000人(H22区政経営計画書)
★コメント
a)「杉並行政サービス民間事業化提案制度」の行き詰まり
  民間委託事業における受託企業の撤退-賃金未払い事件の発生
  ボランティアとしての区民動員とNPO設立支援-事業委託の受け皿育成
b)人件費削減とPFI事業導入などによる費目変更による減少も
c)正規の非正規(若年嘱託、パート・アルバイト)への置き換えでしかない
  民営化・民間委託による膨大な低賃金・不安定の非正規労働者の創出

2)民営化・民間委託の実態
・学校における民間委託…小学校43校,中学校23校,健康学園1校
 給食…小中43(65%) *受託業者24,最大受託校数3
 用務…小中11(17%)
 警備…小中49(74%)
・保育園における指定管理・民間委託…44園
 指定管理…4
 給食・用務(一括)の業務委託…17
・図書館における指定管理…中央図書館1館,地域図書館13館
 指定管理…6
 業務委託…3(3年契約の途中のため次回契約から指定管理に移行)
 中央図書館におけるカウンター業務の民間委託
・学童クラブにおける民間委託…49クラブ
 社会福祉法人への業務委託…7
・その他
 集会施設・スポーツ施設などはすべて指定管理
 さらに受付業務を清掃業務と一括で外注化…ここで賃金未払い事件が発生
★コメント
a)学校:09年給食室ガス漏れ事件(例の和田中!)-委託労働者の訴えが表面化しない
     単年度入札と劣悪な労働条件による労働者交替と子どもへの影響
b)保育園:人件費削減による保育士の若年化と高い離職率
c)図書館:08年民間委託館における個人情報漏洩事件
d)学童クラブ:08年受託NPOが業務開始直前に受託を返上

3)「杉並行政サービス民間事業化提案制度」…869事務事業をすべて対象に
・民間からの提案と採択状況
 H18:提案35件→採択3件
     奨学資金回収,学校地域支援,公共トイレ管理
 H19:提案31件→採択6件
     電話での税・国保納入呼びかけ,交換便,自転車駐輪場管理…
 H20:提案15件→採択2件
     職員研修,福祉資金の貸付・回収
 H21:提案16件→採択1件
     公園活用
★コメント
提案数・採択数ともに減少
事業実施による利益確保の困難性-杉並区によるコスト設定の低さ
スケールメリットがなければ利益確保が困難であるが広域受託とはならない
「納付センター」業務での“グレーゾーン”に関する苦情と個人情報管理

4)山田・杉並区政の矛盾が爆発
・「日本創新党」による右翼ファシスト政党の結成
・「減税自治体構想」の現実…新たな1000人削減計画とまるごと民営化の推進
・国鉄をめぐる社民・日共の杉並区職労働者支配の崩壊-新たな組織化へ