薔薇と書いて、ただ、うれし
○【うそつきもんの子守唄】☓
【ひき、ひかれもんの小・大うた】
『
バンド演奏の状景、パック、化粧をした人、振り向く。
大きな白い紙に赤をぶつける。
青、青、大きな窓、青い空。
街、窓にスワッタ人、
ガラスのコップからカメラでとらた状景、ビールの色、泡。
“夏・死にたい・・・”
首くくる少女、垂れ下がる足の間から少女自身が歩いているのが見える。
階段、白装束の人、風鈴をもって歩く、
コ ー ン
太陽に、かざす手、まぶしがる奴、奴は地下へと階段を転がる。
“おれ、マブシンダ”
醜い存在の摘発、 奇形的美少女
夏。
夏が来れば彼女は青白い砂浜に佇む
夏が来れば彼女は田舎道で大きな影となる
夏が来れば彼女は熱い屋根のかげろうを吸う
夏が来れば僕は湿度100%の密室で体を溶かす煙を吸う
夏が来れば僕は思い出の涙と供に死のうかと思う
夏が来れば僕は旅の幻想に思い悩み憧れる
彼女は幻想の旅に憧れる
夏は去る。
緑のボールだけが、夜の電車内を飛ぶ、
淋しそうな青年が、空を部屋から見上げる。
オレンジ色の光が。
“彼女は歩いていた、彼女は道にしゃがんだ、そして空をあおいだ”
急にパン
風鈴が、ふわふわと上昇してゆく、彼女をガラス越しに見る青年。
夏。
彼女は僕を見ていた。
絵の中の風鈴。
女は火を灯ける、火をみる、火は街と重なる
“内臓が燃えるわ”
パックをした人々が停止している中を男は絵を抱えて通り過ぎる。
ある日、
アパートに帰ってドアを開けると自分が笑って振り向いた。
』
『
秋。
僕らは道端で愛し合った。吸殻の多く落ちた地面。
笑いながら震えている少年の手、死んだあの娘の笑顔。
“君を僕は、君の生まれる前に見たことがあるんだ”
血のついたナイフと太陽と「あたし人を殺してしまったの」と女。
胸一杯の怠惰。
白痴の娘に白痴の青年、義足の男の人生観、
善と悪と劣等意識の結びつき、
車に飛び込み血だらけになった青年が、
海浜で女の膝の上で、息絶える。
女:“あんたの息、くさい”
男:“くそぅ、なんだって?”
女:“あんたなんか最低よ”
男:“最低って何の事だ?”
男は自分の閉じた目蓋を自分の手で、見開いて、
かっ!と女を睨みながら死ぬ。
化粧した男が路上で踊っている。
暗闇の左隅で女の子が光に照らされて、
「アッ、アッ、アッ」と口に手をあてて叫ぶ。
水に沈む、顔がうつった鏡。
“世界が、ひとつになって、
みんなやさしく人に気を使い合うようになればよいと思う”
僕はエンピツみたいに、いつも真を出すんだ。外側を削ってさ。
でも、真は使うと、どんどん減って、また外側を削らなきゃならない。
そんで、しまいにゃ、何も、なくなっちまう。
チンポに毒を塗れ!
』
【ひき、ひかれもんの小・大うた】おしまい。
kipple