元祖・東京きっぷる堂 (gooブログ版)

あっしは、kippleってぇケチな野郎っす! 基本、自作小説と、Twitterまとめ投稿っす!

「KIPPLE星人襲来!」:kipple

2011-10-22 23:09:00 | kipple小説

「KIPPLE星人襲来!」


“2011年。10の月。22の日。極点に二つの穴が開きし時、以外宇宙からKIPPLE星人、日本に襲来す。KIPPLE星人は日本人に重大な忠告を残し去る。その忠告を無視すれば日本国は消滅するであろ~うやもつ。”

日本古代から伝わる「やもつきひもろぎの予言」の一部翻訳文である。


そして、2011年。北極にもオゾンホールが開き、ついに予言は現実のものとなったぁ!

2011年10月22日。
ついに以外宇宙から日本上空に列島全土を覆い尽くす程の巨大なUFOが出現し、KIPPLE星人が現れたのだ!

ちなみに以外宇宙とは我々人類が存在し認識している宇宙とは、別の全宇宙の事であ~る。

KIPPLE星人は我々の宇宙とは、別のどこかの宇宙からやってきたのだ!

日本列島を覆い尽くしたKIPPLE星人のUFOの外付けスピーカーから大きな声で日本語が響き渡ったぁ!

“インターネットは諸悪の根源!インターネットは諸悪の根源!インターネットは諸悪の根源!インターネットは諸悪の根源!インターネットは諸悪の根源!インターネットは諸悪の根源!インターネットは諸悪の根源!”

列島は震撼した!

全日本人が注視する中、ついに東京上空に位置するUFOの真ん中らへんから、するすると縄梯子が降りてきた。

そして、その縄梯子を伝ってKIPPLE星人が、するすると降りてきて東京スカイツリーの天辺のちょっと上あたりで止まった。

あ!あれが!KIPPLE星人か! ↓

うひょひょひょひょ うひょひょひょひょひょひょ!


KIPPLE星人の周りにはマスコミのヘリコプターが飛び交い、KIPPLE星人はドアップで音声と共に地デジで生中継された。

「ワレワレは KIPPLE星人ダ 以外宇宙ノ KIPPLE星カラ 日本人ノ皆様ニ 重大ナ 忠告ヲシニ ヤッテキタ」

日本全土、犬も猫も、固唾をのんで聞き入った。

すると、KIPPLE星人は懐から巻物を出して、サッと広げた。

そこには、墨字で、こう書いてあった。

『漢字が 書けなくなる!』

そして、KIPPLE星人は、さらに次の巻物を懐から出して広げて見せた。

『エンピツ削りが 売れなくなる!』

そして、さらに次の巻物。

『エンピツ削りが 製造されなくなる!』

そして、さらに次の巻物。

『雇用が 減る!』

と、それだけ巻物を広げて、

「日本ハ 象形文字ノ 文化デア~ル コノママデハ 漢字ガ 書ケナクナッテ 工場潰レル 会社倒産 雇用喪失 日本消滅 分カッタカ 忠告ハ シタ 我々ハ 知ッテイル 鉛筆削リノ 楽シサ ガ 無クナレバ 日本ノ 精神文化モ 無クナリ 国滅ブ チューコク シタ チューコク シタ サラバデゴザル」

と、言い放ち、KIPPLE星人はするすると縄梯子を登ってゆき、UFOの中に消えた。

そして、再び、UFOの外付けスピーカーから地響きがするほどの大きさで日本語が響き渡った。

“インターネットは諸悪の根源!インターネットは諸悪の根源!インターネットは諸悪の根源!ケータイもダメー!スマホもダメー!パソコンもダメー!タブレットもダメー!インターネットは諸悪の根源!インターネットは諸悪の根源!インターネットは諸悪の根源!”

そのようにして、KIPPLE星人は以外宇宙の彼方から巨大なUFOに乗ってやってきて、我々に重大な忠告を与えると、空中の一点に吸い込まれるようにして、瞬く間に、巨大なUFOごと、消え去って行ったのだったぁ!

日本全土に沈黙が漂い、日本人全員が、何だか良く分からないショックを受けた。





                   おしまい


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「スキゾイドパラドキシカルマスヒステリア」:kipple

2011-10-19 03:53:00 | kipple小説

「スキゾイドパラドキシカルマスヒステリア」


スキゾ!スキゾ!スキゾイド!

さあ!ウォール街に続け! 世界をデモで覆い尽くすのだ!

ああ!肥大し続ける自意識よ! 果てしなきバラバラ!

果てなく粉々に拡散する精神は! 果てなく混濁し膨張! 無限に膨張!

世界勢力図 流転変貌し続けて 力関係逆転し

反り返るシュペリオリティーコンプレックス! 文明的優位の崩壊不安! 出でる焦燥!

反転するインフェリオリティコンプレックス! 劣等意識の裏返し! 出でる驕慢!

それらも全てバラバラ! 果てしなきバラバラの混濁!

スキゾ!スキゾ!スキゾイド!

何だっていいんだ! 1%の収奪者だろうと! フジテレビだろうと!

富裕者だろうと 政治家だろうと どこぞの有名人でも 隣国でも

世界勢力図 流転変貌し続けて 力関係逆転し

反り返るシュペリオリティーコンプレックス! 文明的優位の崩壊不安! 出でる焦燥!

反転するインフェリオリティコンプレックス! 劣等意識の裏返し! 出でる驕慢!

与えられる者の屈辱感! 与える者の優越感!

それらも全て一切 バラバラで あちらこちらで逆さまになり混濁す

パラドキシカルマスヒステリア! それ!世界中で決起せよ!

俺たちゃ 99%の貧困層! 雇用をよこせ! 金よこせ!

フェイスブックで ツイッターで デモ呼びかけて 金融システム糾弾するぜぇ!

新自由主義!グローバリゼーション! 何がここまで世界中に蔓延させたか

とどめ無き IT技術の進化と拡散! それが 1%の収奪者を作りだす

パラドキシカルマスヒステリア! それ!世界中で決起せよ!

Mrジョブズを英雄と称え NETに浸かり iPhone 4S に群がるぜぇ!

結局 99%は 1%の隷属者 99%の奴隷たちが1%の御主人様に反逆だぁ!

金融システムを糾弾するなら IT商売そのものを同時に破壊したらどうなのよ

インターネットの全壊目指せ!

スマートフォンを叩き壊せ! タブレット端末を燃やせ! PCを吊るせ!

ITが進化膨張すればするほど ますます(偽りの)便利に(偽りの)快適に どんどん雇用は減っていく!

それじゃぁ金融商品やめちゃって 古い工場再稼働! 電化製品 農産物 全て国産 雇用を増やします

ITやめて 輸入に頼った生活家電もなにもかも国産製造いたします そして国産品を買うのです

さあ それで雇用は 激増します 国産製品ガンガン作り アホな日本に輸出しましょう

アホな日本は TPPで下痢させちゃえ 米国国産物は全て買っていただきやしょう

為替操作で 買わざるを得なくして ピーピーピーだぁ

パラドキシカルマスヒステリア! それ!世界中で決起せよ!

アメリカは日本が標的だ! アメリカ経済ため TPPで犠牲になっていただきやしょう!

あらあら アメリカ以外は どうするの

やっぱり 金融商品やめちって 国産 実体経済 で参ります

関税を引き上げ 保護貿易で参ります 関税撤廃なんて とんでもねぇ

できるわきゃねぇ! これだけ世界にインターネットがはびこっちゃ 今さら金融商売止まらねぇ 貿易自由化幻想無くならねぇ

世界勢力図 流転変貌し続けて 力関係逆転し

反り返るシュペリオリティーコンプレックス! 文明的優位の崩壊不安! 出でる焦燥!

反転するインフェリオリティコンプレックス! 劣等意識の裏返し! 出でる驕慢!

スキゾ!スキゾ!スキゾイド!

さあ!ウォール街に続け! 世界をデモで覆い尽くすのだ!

パラドキシカルマスヒステリア! それ!世界中で決起せよ!

貧困のパレードがいくよ 暴れろ! 破壊せよ! さあ!格差是正のため

どっちにしたって デモの行き着くところ 例え 何らかの成果があったとしても

結局は 1%のすげ替え

本気でデモの成就を願うなら 今すぐ スマートフォンを踏みつぶせ!

できやしねぇ なら永久に 1%の収奪者の隷属に 貧困に 甘んじろ

だから スキゾイドパラドキシカルマスヒステリア もたらすものは


1%のすげ替え




                   おしまい


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「自販機」:kipple

2011-10-06 01:30:00 | kipple小説

「自販機」


ドッシャ降りの雨の中 ドッシャ降りの夜の中

オレは帰路を急いだ 訳もなく 急いだ

なぜなら!

ぼんやり” がオレの後ろから頭の穴を通って入ってきて

ドッシャ降りの雨に滲むオレの視界に映る木造二階建ての民家のベランダで 物干し竿からビチョビチョになって垂れ下がる青白いシーツに包まったドッシャ降り雨女に向かって オレの口を飛び出してゆき指令を与えたからだ!

「指令しろ!」と

ドッシャ降りの雨の中 オレの口から飛び出した“ぼんやり”を飲み込んだドッシャ降り雨女がオレに指令した

「この愚か者めがぁ!早く帰れ!さもなきゃ、ドッシャ降りに濡れて夜に溶けちまえ!」

面白くねぇなぁ!面白くねぇ!何もかもドッシャ降りの雨に溶けちまえ!

そして!

ドッシャ降りの雨の中 ドッシャ降りの夜の中

オレは帰路を急いだ 訳もなく 急いだ

そう言えば、松田優作が映画「野獣死すべし」で青木義朗をブッ殺し拳銃を奪ったのも こんなドッシャ降りの夜だったな

来い!拳銃!うしっ!来たな!

ありゃぁ? 何だ このドッシャ降りの雨の夜にドデカイ硝子を運んでいるヤツラガいるぞ

おいっ! そこの硝子売り! オレの前にその硝子を持って来い!

こなけりゃ撃ち殺すぞ! こんなドッシャ降り夜に硝子を運ぶ この極楽野郎!

オレは ブレイビクみてぇに優しくねぇぞ! トラヴィスみてぇな半端なバカでもねぇぞ!

どこの世界のどんなヤツもマフィアに資金繰りしてもらってるバチカンみてぇなもんだ!

オレが全知全能の神なら まずキリスト教徒から皆殺しにして地獄に落としてやらぁ!

おいっ! ほらほらほらぁ!気をつけろ! そぉ~っと オレの前に硝子を立てろ!

おいっ! ホオズキを噛む硝子売りA! どーでもいい硝子売りB!

テメーら、いい根性してやがるじゃねぇか! このドッシャ降りの雨の中! これも何かの因縁だぁ そーか テメーらはオレのために硝子を運んでいるのかぁ! そーか そーに違いねえ

おっと 滑るなよ 手を放すんじゃねぇ! オレの前でちゃんと押えてろ! 動かすな!

このでっけぇ鉄砲はなぁ! 南部式・甲の改良型でなぁ! 銃弾の代わりに入れ目が飛び出すんだよ!

入れ目は痛ぇぞぉおおおお~っ!なんせ この世のありとあらゆる地獄を見てきた哀れな奴らの眼球から作った生体ハイブリッド眼球だ!

バッキュゥ~~ン!

よぉ~し! 立てたな! 暗~い暗~い このドッシャ降りの夜に硝子売りが二人で オレの前に大きな硝子を立てた訳だ!

ドッシャ降りの雨の夜に オレの目の前に立つ大きな硝子は 当たり前のように鏡と化していて

ドッシャ降りの雨の夜に びしょ濡れの鏡と化した大きな硝子はビチョビチョなオレの姿を映していた

ドッシャ降りの雨の中 ドッシャ降りの夜の中

オレは帰路を急ぐんだ 訳もなく 急ぐんだ

オレの帰るところは 黄泉の国 このクソ面白くねぇ世界からオレは黄泉の国へ旅立つぜ

オルフェに習い ビッショ濡れの鏡と化した大きな硝子にオレはドタマをくっ付けて

さらば!くそったれた世界! とドッシャ降りの夜にビチョビチョなオレは びしょ濡れの鏡を通り抜け 黄泉の世界へゴーホームだぁ!

その時 再び“ぼんやり”がオレの頭の後ろの穴を通って入ってきて さっきのドッシャ降り雨女の声で再び指令を告げた

「振り向いちゃダメ!」

何を言ってやがんでぇ! そりゃ 黄泉の国から帰ってくる時の話だろ

と 思って振り向くとオレは驚愕し 目を見開いて絶叫した!

「ふんぎゃぁー! 何だぁ!そこのドッシャ降りの雨の夜の裏路地にビッチャビッチャに濡れて屹然と存在する自動販売機! オメーはいつから夜に明かりを灯すようになったんだぁあああ~っ!」

オレはいつの間にか夜中に煌々と光っている自動販売機に驚愕し! 夜中の自動販売機に灯りが戻った事にさえ気づかなかった己自身の人生修行の未熟さを思い知らされ

鏡に突っ込んだ半身をUターン

そうだ まだ早い オレの家には妄想の家族が待っている

オレが帰るのは黄泉の国じゃねぇ 暖かい妄想の一家団欒の家族のもとなんだ

そして 南部式・甲の改良型で硝子売り二人を撃ち殺し 硝子にも一発ブチ込んで粉々にすると

何となく しょんぼりとした気持ちを抱えつつも

ドッシャ降りの雨の中 ドッシャ降りの夜の中

オレは帰路を急いだ 訳あって 急いだ


そうなんです。

今宵 ドッシャ降りの雨の中 夜中の自動販売機にいつの間にか灯りが戻っているのに気付いたのであります

いつからですか? 今宵からですか? 節電はもういいのですか?

また 煌々と輝く夜が舞い戻るのか  冬になったら又 消すのかなぁ




                   おしまい


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)