元祖・東京きっぷる堂 (gooブログ版)

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「超簡略版・回転扉と投下ボンベ」:kipple

2006-12-10 00:39:00 | kipple小説

     「超簡略版・回転扉と投下ボンベ」


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【超簡単明瞭・回転扉と投下ボンベ・あらすじ】
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 人々の心はすさみきり、腐りはて、荒廃し、何でも金に換算するのが当たり前になってしまった近未来。
 回転扉(異界と現世を分離させている領域)が徐々に開き始めます。
 この世が腐敗しきった時、回転扉が全開し投下ボンベが地上に降り注ぎ人類は完全発狂して全宇宙から全時間から全記録から完全消滅してしまいます。

 回転扉が開き始めた時、救世主きっぷるが現れ、人々に辻説法を始めます。

 しかし、救世主きっぷるの辻説法も全く効果がなく、ついに回転扉が全開し、投下ボンベ(かつてこの世に存在した全人類の憎悪の魂:中でも怒れる天才ミュージシャンの霊魂は強力:が封入された精神破壊爆弾)が地上に落ちて来ます。

 怒れるエリック・サティの霊に最初に立ち向かったのは、極悪人『ザマミロ君』とその愛人ジョセフィーヌでした。
 『ザマミロ君』とジョセフィーヌは生まれながらにして超完全発狂体化していたので大丈夫でした。
 怒れるサティの霊の次に、“マーク・デヴィッド・チァ~プマ~ン~”と絶叫しながらジョン・レノンの霊が落ちて来ます。
 国連はポ~ル・マッカートニーにヘイ・ジュードを歌ってジョンを成仏させるように頼みますがポ~ルにきっぱり断られてしまいます。

 しかたないので投下ボンベの怒れる霊たちの攻撃を受けても何ともない超完全発狂人の『ザマミロ君』とジョセフィーヌにヘイ・ジュードを歌ってくれるように要請します。

 『ザマミロ君』とジョセフィーヌはゲラゲラと笑いながら引き受け、ヘイ・ジュードを歌い上げますが、あまりに下手糞なため怒れるジョンの魂をさらに激怒させ、事態はさらに悪化してゆきます。

 そして最後に無数の触手をヌルヌルどろどろ蠢かせ、どす黒くグロテクスな見るのもおぞましい、絶え間なくガッシャンガッシャン!と蒸気機関のように全体を動かし続ける、機械で出来た、巨大な生殖器のようなベートーベンの投下ボンベが落ちて来ます!

 第9の大合唱と共に全人類は完全発狂してしまいましたとさ。
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「きっぷる登場」
  きっぷる“お前らなぁ~!
     人生とはぁ~!やさしさだぁぁあああ~っ!・・・”
救世主きっぷるが天孫降臨した。
辻説法をし続けるが、人々からは全く理解が得られず、ただの恫喝に終わり、全く無駄でした。


「ケチなピアノ弾き」
  子供“ねぇ~おじさぁ~ん!ピアノ弾いてよぉ~!・・・”
 ああ!なんて嘆かわしい事でしょう!

 金!金!金!金の世の中も行くつくとこまで来てしまいました。人々の心は、すっかり金に蝕まれ、腐って腐って腐りきり、もはや救いようもありません。
 さすがの救世主キップルも、ここまで腐りきった人間たちは、むしろ永久に時間や空間から消却しちまった方がよいのではないかと思うようになりました。

 そして、こっそり、回転扉全開鎖を後ろ手でジャリジャリと引いたのでございます!

 ここだけの話ですがね・・・人類を完全発狂させ全ての宇宙から全ての時間から全ての空間から全ての記録からイレースした犯人は、救世主きっぷる様だったのでございます!

 しぃぃ~!ここだけの話だよ!多言無用だよ!

 そして、救世主きっぷるを救済から人類完全消却へと心がわりさせた多くのきっかけがございました。

 晴れた渡った青空の下、町の広場では朗らかな人の良さそうな老ピアノ弾きが優しい笑顔で広場の円台に置かれたピアノの前の椅子に気持ち良さそうに座っておりました。

 そこに純真無垢な貧乏な可愛い天使のような子供が輝くばかりの笑顔で、やってきたのでございましす。
 そして天真爛漫で、無欲な美しい天使のような子供が、ただひたすら、そのピアノ弾きのおじいさんを信じて、
“おじさん。ピアノを弾いてください。お願いします”ペコリ<m(__)m>

 すると、そのピアノ弾きのおじいさんは、鬼のような恐ろしい形相になるや否や、いたいけな純真無垢なる子供にこう言い放ったのでございます。
“ゴラァ!金ぇ~ねぇ~のかよ~!この糞餓鬼!肝臓!腎臓!目玉!売ってきぃ~や!金のねぇヤツぁ~死ねぇ~!”

 ああ!人間はここまで心底腐りきってしまったのでございます!

“もうダメだ。
 いっその事、全人間、全人類を完全発狂させ、完全消却させちまった方がましだ!”
 救世主きっぷるは、この他にも、いくつかの似たような、金に心を破壊された腐れ外道たちの行いを目撃してそう思うようになったのでありました。

 無理もありません。

 おまけに朝から晩まで汗水垂らして、休む事なく続けた辻説法は、恫喝によるカルト宗教の壺売りかなにかと勘違いされ、全く効を奏しなかったのでございます。

 救世主きっぷるは、思いました。
―――お前ら大嫌いだ!消えちまえ!―――

まだ、回転扉が開き始める前、ピッカピッカに輝く青空の下、狂った人々は狂った平和の中で、いつもと同じように明るく笑い、狂った夢や狂った希望をそこはかとなく抱き、狂騒の日々を送っておりました。

しかし、何となく、青空を見上げるたびに、何かおかしいなと感じている者もおりました・・・


「投下ボンベ」
次々と工場から吐き出され、まるでグロテスクな墓石のように地獄の底で無数に屹立する投下ボンベたち・・・亡者たちはまだ乗り込んでいない・・・あたりは静まり返っている・・・

人は皆、平等に地獄に落ち、そして、さらにその最下層へと落ちて落ちて落ちて、最後にかつて人間だった証として微かに残った光。
ぼんやりと淡く青く光る。
地獄で濾過され最下層まで落ち最純化された魂。
それは憎悪の輝きだ。地獄の最下層で最後に残ったのは憎しみ。
無数の投下ボンベたちは待っている。微かに青白く輝く魂たちが乗り込んでくるのを・・・

次々と憎しみ満ち満ち魂たちは投下ボンベに乗り込んでゆく。地獄の底から飛べ!

投下ボンベは乗り込んで来た微かに青白く発光している魂たちに力を与える。憎しみの増幅だ。憎しみが最大限に膨れ上がった時、投下ボンベは次々と地獄の底から軽快に飛び立ってゆく!さあ、回転扉は開いた!出撃だ!

腐りきったこの世界で夢と希望を抱いて輝く青空の下で明るく笑って狂って生きる人々はまだ何も気づいていない。

しかし、天高くピッカピカに輝く遙か上空では徐々に不気味な感じが広がっていた・・・

腐りきった現世と、あの世の境目にある回転扉・・・


それがある日、いっせいに大空にズラリと、その不気味な姿を現す。

さぁ!地獄と現世を繋ぐ回転扉が開いたぞ!

グルグルグルグルと超高速で回り続ける回転扉から、続々と飛び出してくる投下ボンベたち!
さぁ行け!その究極にパワーアップした青き憎悪の魂たちよ!腐りきったこの世界に生きる人間どもを全て消去したまえ!

天空に浮ぶグロテクスな形状をした巨大な回転扉たちには一つにつき一つの扉があるわけではない!
一つの回転扉の扉の数、666!

ボンバァァァアアー!

グルグルグルグル回転しながら天空を覆った無数の回転扉から出て来たのは・・・投下ボンベ

さぁ~回転扉よ!人生みたいにグルグル回りやがれぇぇええ~っ!

そして人生よ!回転扉みてぇにグルグル回って飛んでけー!

現世を生きる人間たちより、死者たちの憎悪の魂の方が圧倒的に数で上まわっている!

一ボンベ一殺で充分!人類皆殺しにできる!

さぁ特攻だぁ!友よ!靖国で逢おう!

かくして、かつて、この世に生れ出で死んでいった全ての人間の残滓である憎悪の魂たちは投下ボンベに搭乗し、回転扉から飛び出し、今を生きる生者たちを皆殺しにし、完全に人類の痕跡を、この宇宙から消し去るために猛スピードで!人間ども一人一人に向って急降下していった・・・

ちなみに、投下ボンベは、そのまま人間に衝突して一殺する事もあるが、主に、降下中に搭乗している魂が投下ボンベを切り離し、その時の出力でスピードをアップして、凄まじき怨念と憎悪の表情(青白い巨大な顔だけ)となった魂自体が一人の人間に激突し、一殺し、自らも消滅する。
外れたら、魂たちはただただ消滅するのみである。

・・・思いで・・・人類が存在した記憶、記録、、、全てが消滅した時、あのアカシックレコードさえ、人類の記録を失うのである・・・全宇宙の初めから終りまで、そして存在しない世界や出来事まで、全てを記録しているはずの、アカシックレコードさえ・・・


「キター!」
黒子亡霊たち“何かが来るぞ・・・何かが来るぞ・・・”

 ジャリ!ジャリ!ジャリー!と開閉鎖が引かれた事により、超高速でギュンギュン回りながら、巨大空中戦艦の爆弾投下口がバカッ!バカッ!と開いてゆくかのように、世界中の空を覆いつくした巨大な回転扉がいっせいに回転を止め、扉が開き、粘膜粘液だぁらだらなグロテスクな投下ボンベが放出された。

 ああ!何てことでありましょうか!

 “何かが来るぞ・・・何かが来るぞ・・・”という、不気味な預言者の亡霊たち(黒子亡霊)の声に導かれるように、金によって心を蝕まれ、荒廃し腐りきった人間たちに向かって、ついに怒れる霊たちが投下ボンベに乗って、落ちてきたのでございます!

 ああ!嘆かわしい!

 金!金!金!金!によって心の隅々まで荒廃しきった人間たちを、もはや怒れる霊たちは、許してくれなかったのでございます。。。。

 ・・・しかし、この「回転扉と投下ボンベ」のいままでの記事を隅から隅までお読みになっておる、読者様方には・・・・・・実は、回転扉を全開させた真犯人をご存知のはず・・・・・。
 しかしながら、それは誰も知り得なかった隠れた真実でございます。誰にも言っちゃぁ~いけません。物事の表側というのは、たいてい嘘っぱちで、真実は裏側に隠されておるものでございます。

 不気味に到来する投下ボンベに人々はおののきました。


「襲撃」
黒子亡霊たち“回転扉が開いたんだよ・・・”

 ズゴゴゴゴゴゴォォォッ~~!
 ケチなピアノ弾きに向かって猛スピードで落下してきたのは、やはりエリック・サティの霊でありました。
 自業自得です。

 ケチなピアノ弾きの精神はギッタンギタンに破壊され魂は永久に救われず終わりです。

 純真無垢なる子供は、その投下ボンベがエリック・サティの霊だと見抜いておりました。

 子供は老ピアノ弾きをののしります。
“この糞ジジイ!てめ~のせいだ!ざまーみろ!死ね死ね死んじまえぇぇ~!”

 無理もありません。

 もう始まってしまったのです。人類完全発狂完全消却が。

 そして、それは、いたいけな純真無垢なる子供だから逃れられるというわけではありません。
 何の罪もない、まだ金に魂を犯されていない心の清らかな子供でさえも心の腐った醜い大人のせいで完全発狂完全消却されてしまうのです。
 全人類の大罪への審判として・・・鉄槌は振り降ろされたのでございます!

 しかし、純真無垢なる子供たちも、汚れきった腐れ外道の金キチガイの大人たちも、まだまだ腐れ守銭奴から目を覚ますと言う極々小さな望みがあったにも関わらず、ギュンギュンギュンギュン回る回転扉の全開鎖を引き、ガシャ~ン!と回転を停止させ、バッシュ~ン!と扉を開け放った真犯人がいるなどとは誰も知る由もありません。

 何度でも言うがね、世の中には知らなくて良い事があるのだよ、金田一クン。スケキヨより愛を込めて・・・
 ズゴゴゴゴゴォォォッ~~!

 ぐぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぁぁ~~♪


「怒り狂うサティの霊」
基本ナレーション“そして回転扉から出てきたエリック・サティの霊は町の人々の目の前で怒り狂った・・・”

 さぁて! ダンス!
 投下ボンベから飛び出してきた、プレデターのような牙の生えた口を大きく開けた巨大な半透明の顔を乗せた上半身だけの、怒髪天な「怒り狂うサティの霊」が猛スピードで飛び回りって、人々に襲いかかってきました。

 凄まじい恐怖の余り、人々は次々と完全発狂してゆきます。

 完全発狂した人々は、素っ裸になり、目玉を上下左右にデタラメに動かし、“ゲラゲラぎゃぁぎゃぁ”大声で笑いながら、全身でキチガイじみたダンスを始めます。
 満面の笑顔で、自分の目玉を自分の指でくり抜き、涎をダラダラと垂れ流し、舌をベロ~ンと垂らし、ゴム糸の切れた古いゴルフボールのように、メッチャクッチャに飛んだり跳ねたりクルクル回ったり、バタバタ手足を振り回したりして、メッチャクッチャなダンスを踊り続けます。

 怒れるサティの霊に襲われた人々は、皆、ニコニコと大声で笑って絶叫し、踊りながら、自分の性器を毟り取って喰ったり、自分の足を膝小僧から切断して、それを振り回してのたうちまわり、腕も肘から切断して這いつくばって踊りながら、”ゲハゲハぎゃぁぎゃぁ”と爆笑しながら、幼児を裸にして、皮を向いて頭から喰ったり、と、それはもう、この世の地獄そのものでありました。

 もう、目もあてられません!


人類消滅~「尻切れジエンド」まで。

あっという間に狂った平穏は血に染まり、グロテスクに内臓をまき散らした死体がゴロゴロ転がる。

投下ボンベから噴出した憎悪のみとなった一般死者の魂塊は、一人の生者に特攻し、砕き殺す。

そして砕き殺された者はすぐに地獄へ落ち、そこから同じく青白き憎悪の魂塊となりて投下ボンベに搭乗し、出撃す!

人類消滅の循環は、完全消滅まで繰返され、現世ではあちこちで内臓噴き出す真っ赤な血飛沫に彩られた死のダンスが続いている・・・

都市にいようと山にいようと海にいようと宇宙にいようと地底深くにいようと、決して逃れる事はできない。どこまでも投下ボンベは猛スピードで追いかけてくる。過去に死した全人類の憎悪の魂塊は今、生きている人間の数に比べたら無数に近い。

その光景はまるで壊れた風景が狂ったダンスをしているようで陽気で滑稽だ。

そう・・・あたかも、狂い死にしてゆくハープシコードのように・・・

襲い来る霊魂たちは、顔面だけが青白く半径2~3m級に巨大化し、目玉を剥き出し大口を開けた恐怖の形相で迫ってくるのだ!

ある人里はなれた山奥に世を捨て一人で掘っ立て小屋に暮している男がおりました!そこに向ってドヴォルザークの霊魂を乗せた投下ボンベは飛んでゆく、ヒュンヒュン!ヒューヒュー!飛んでいく。

生きてる人間、一匹たりとも逃すものかぁ!
プシュー!っとドヴォルザークは投下ボンベを切り離し、猛スピードで日暮れ時のオレンジ・ゴールドの大空を旋回しながら山奥のその男に向ってゆく、
♪とぉ~おきぃ~山にぃ~ ヒューン ヒューン 日が落ちてぇ~~~ ヒューン ヒューン~~♪
ってな感じで、激突!ドガッ!

五体バラバラ、生首ゴロリ。男は瞬殺され、ドヴォルザークの霊魂は満足げに転がって消滅してゆく!

人類に新世界なんかねぇ!全ての死者たちの総意により!みんな消えちまえぇぇええええ~っ!

ブギャゴゲガガガガァァァ~~~!

狂った人間たちは突如として始まった「投下ボンベに搭乗した死者たちの憎悪の魂塊」による壮絶なる特攻によって、何が起きているのか全く分からないうちに次々と内臓をばら撒いて自らの血の海の中で死んでゆく。

その凄惨な光景を目撃した人間たちは、ますます狂う、人間は底無しに狂う。どんどん狂って、投下ボンベの激突によるまでもなく、狂いに狂ってお互いに殺し合いを始める。赤子を踏んづけ、嬌声を上げ出刃包丁を振り回して他人を切り刻む者、銃を乱射して自害する者。

地上の狂乱は、あっという間に、生者の数を減らし、投下ボンベたちも兆単位で回転扉から特攻急降下して人間を瞬殺し続ける。

かくして、回転扉が開き投下ボンベが特攻を開始してから、30分もたたぬうちに、生者は激減し、死んだ人間は地獄で再び投下ボンベに乗り込んで特攻し、人類完全消滅の循環は実に気持ちよく爽快に続いてゆく。

回転扉が開き、投下ボンベたちが出撃し、ほんの1時間ちょっとで生者たちは、全滅するのだ。

あっという間だが、全人類の死者たちの数は生者たちより圧倒的に多い。当然、生れた直後に間引きされたり、流産で死んだり、胎内で受精した直後に死んだ人類の霊魂も含まれているので、太古からの人類の数は軽く兆単位になる。

一匹も残さずに生者を皆殺しにした後も、兆単位で投下ボンベは地獄の底から出撃を続ける。そして、すでに生きている人間がいないのだから、ただ地べたに激突して消滅するのみなのだ!

投下ボンベや憎悪の霊魂たちに殺された人間も地獄で憎悪の霊魂となりて出撃してゆくので、外れの特攻は人類完全消滅(霊魂も全て消滅する)まで続くのだ!生者に激突して消滅できた霊魂たちはほんの少数で、殆んどは無駄死にである。

特攻の目標を失った何兆もの投下ボンベ内の霊魂たちは、ただただ地べたや建造物やらに激突して消滅してゆく。

外れの霊魂たちは猛スピードで何かに激突し、一瞬、ボワっと霧状に拡散してから、すぐに収縮し、小さな青白い丸い玉になって、ころころと転がってから、シュゥゥゥ~ッと消滅してゆく。

何だか悲しくも哀れな、外れの「ころころ霊魂たち」。小さな玉となってコロコロと転がり消えてゆく、その光景は、何とも可愛らしい。


・・・そして、人類は完全消滅した。

全宇宙、並行宇宙、存在しないはずの宇宙からも、完全に人類は消滅した。記憶も記録も、アカシックレコードにも無い。。。

そして、かつて存在したという痕跡も消えて行く。人類が作り出したもの・・・建造物も機械も空想・妄想・残留した想いも幻も、、、全て、うっすらと透明な水色に溶けてゆく・・・消えて行く・・・消えてゆく・・・

そもそも人類は、どこの宇宙にもいなかったのだから、こんな人類完全消滅なんていう出来事もない。最初からなかった。

しかし、何だか世界は悲しいくらいに清々しい。

・・・死者も生者も全て消え失せ、ただ、ひたすら空は青く輝き続け、誰もいなくなった地上を映す、大洪水が去った跡みたいに綺麗だ。。。

全ての真実は他にある。
全人類の存在が全宇宙から全て消滅したのは!
全てシルヴァーナ・モンゴリータのせいだった!

全宇宙。存在する無数の枝葉宇宙、存在した可能性があっても存在しなかった無数の宇宙、上下左右前後ろ斜めに右下45度・・・全無数方向に無数に連なる全宇宙、その全宇宙を内部に包括し全無数方向に無数に連なる全宇宙、全粒子内部に無数に内包される全宇宙。。。

それら全宇宙から完全に分離された無数の存在。又は非存在。その一つがシルヴァーナ・モンゴリータだった。
それは、存在していて、存在していない。非存在の存在。在る事と無い事は同一なのだ。

その非存在、又は存在の一つを人間の感知する音声や文字図形などで言い表す事は不可能だ。
あえて、言葉で名づけるとしたら、何となく、シルヴァーナ・モンゴリータ。

小学生の頃、何となく、人間や、この宇宙の全存在が絶対に感知する事のできないはずの、その感じを何となく捉えた。それは言葉で何となく表現するならば、シルヴァーナ・モンゴリータって感じなのだ。

そう・・・全てはシルヴァーナ・モンゴリータの仕業!

シルヴァーナ・モンゴリータが、“なぁんか嫌な感じだなぁ・・・”って感じた・・・それが、我々人類が存在していた全宇宙に干渉した結果だ。

人類完全消滅の原因は、シルヴァーナ・モンゴリータのほんのちょっとの干渉だった。
 

そして、今まで存在した全てが一切何も無かったように、そこには薄っぺらい静寂だけが姿を現す・・・

それでは世界の皆様、さいなら、さいなら、さいなら!

いやはや、さいならは、投下ボンベたちからの伝言でございます。。。

失はれたどこかで、投下ボンベたちが、お別れを惜しんでおります・・・・・・・

うぉ~ん!うぉるるる~~ん!! 

 

 

              おしまい
(「回転扉と投下ボンベ」と言うのは十代の頃に壮大なノイズ・オペラを作ろうと思って書いた長編小説で曲付き。サブ・タイトルは曲名です。でも、小説も曲も殆ど、どっかに消えてしまいました)


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)