【或る着物生活者の一生】
アサー!いやぁ昨日もよか天気だったですばい!
昨日は…昨日は……よか天気だったずらのぅ……で、何しとったかのぅ…よか天気だった事以外忘れてしもうたわい!
う~ん…う~ん…お~いぇ~い!昨日は細かい紫の破れ模様が散らばった濃紺の長着一枚に素足で下駄じゃった
【或る着物生活者の一生】
うぉう!思い出して候でござる!
昨日は素足に下駄が気持ち良く、町も人で溢れ、綺麗な着物姿の若い女の子を数人見かけ思わず「おねーちゃん、いやあ其の着物姿、うっとりしやすなぁ、ねぇねぇ着物仲間同士ちょっとお茶でもどっすかあ?」と声かけたくなり欲情しちまってよ
【或る着物生活者の一生】
だがしかし、そこはワシもイイ年の腰痛でどろどろ血液爺じゃ!伸びる鼻の下をグッと縮めて惚れ惚れと眺めるだけにしといたわい。皆、超可愛かったのぅ…
それに比べて南蛮衣装の娘どもってのはどうしても嫌な感じでどんなに小奇麗な今風のお洒落をしてようと小汚く見えらぁ
【或る着物生活者の一生】
ま南蛮おべべの若い娘に嫌悪感を感じるのはワシが日本人だからしょうもないとしても、殆ど色気すら見い出せぬのぅ。
それに比べて着物姿の若い娘たちは何と感じ良く美しき事じゃろうのぅ。目の保養じゃ、有りがたや有りがたや。ついつい鼻の下が伸び伸びじゃ!輝いておる!
【或る着物生活者の一生】
そういや某地下食品売り場で買い物しレジ並びしとるとワシの前で今風の南蛮的には綺麗でお洒落た南蛮衣装の若い娘がずっとスマホを超スピードでいじっており其のまま一度も顔を上げず声を出す事すらせずスマホいじったまま人間とは思えぬ雑な態度で会計を済ませとったのぅ。
【或る着物生活者の一生】
レジのおねえさんが一生懸命笑顔でレジ打ちし「ありがとうございます」「これはこのままでよろしいですか」等々、声をかけても一切無視しておったのぅ。挙句の果て投げ捨てる様に金を置き、ずっとスマホいじっており一度も顔さえ上げんかった南蛮衣装娘、成敗したろか思たわ
【或る着物生活者の一生】
日本派日本人を舐めたらあかんぜよ。この南蛮奴隷南蛮衣装日本人どもめ!
あっしの腰紐手甲は伊達じゃねぇ~んだ!ええ?南蛮派偽日本人端末アンドロイド娘ども!立ち上がれ日本派闇の必殺着物人!いつか蝋で強度鍛えた暗黒の腰紐がお前らを華麗に吊るす日が来るかもなぁ
【或る着物生活者の一生】
いやあ、それにしても素足に下駄履きが心地良い季節になりましたのぅ~♪
でも、ずっと秋の終り頃からずっと足袋履いてたから下駄の鼻緒が伸びきっちまってYO!久し振りに素足で履いて歩いとると、なぁんか感覚がちゃうんやなぁ~。下駄屋で鼻緒、きつくしてもらおっかあ