元祖・東京きっぷる堂 (gooブログ版)

あっしは、kippleってぇケチな野郎っす! 基本、自作小説と、Twitterまとめ投稿っす!

「聞いておくれよ、ゴン太君!」:kipple

2005-08-20 00:16:00 | kipple小説


     「聞いておくれよ、ゴン太君!」


 諸君!なんて言ってもどうせ「諸」がつく程、読まれやしない。ああ、オレ、バカだなぁ。

 それじゃぁ、てめ~、あなた、貴様、YOU、Te、君。やっぱり名前があった方がいいや。ドンくん、いや、ゴン太くんにしよう。僕はゴン太くんに決めた。

 さて、とりあえずノンフィクションなので正確をきさねばならないのだろうが、残念な事に僕には「正確」をきす自信がない。

 何故かと言えば僕は何もかもさっぱり分からないし(まあ、自分の守護神が鉄人28号のコントローラだって事くらいは分かってるけど)それだけに、みんな気味が悪い。

 例えば人間は何故、地球上でこうして支配者側になったのか、何故、僕はすでに作られた、この炭酸ガスのめくるめく世界にポンと生み落とされなきゃならないのか。

 宇宙の前には何も無かったのか、無とはどういう事か。これを正確に答えられる人がいたら僕は喜んで靴の底を舐める。(わけねぇだろ。うそつき!とつぶやくだけさ)

 ご容赦していただきたい。ちなみに正確とは「事実にあっている様子」という意味だそうだ。さらに様子とは「なんらかの判断や感情をもたらす主観的な物事の状態」だそうだ。

 まとめて言うと正確とは、「事実にあっていて、なんらかの判断や感情をもたらす主観的な物事の状態」となる。この主観的と言うところがミソである。

 さらに主観的とは・・・伝々と掘り下げていきたいところだが、うんざりして、どうせ結果はメビウスの輪なんだ、と。どこまでいっても、ぐるぐるとフィンガートラップ。

 これは「文字、言葉とは何ぞや?」のちょっとしたヒントになる。僕は、ここで言語学をとやかく言うつもりはないので、あとは想像にまかせるよ、ゴン太くん。

 でも、ちょっと、いいね?悪いね、ゴン太くん。ある古代民族の言語には対意語というものが無かったそうだ。つまり善と悪、低い高い、正・誤・・・これらは皆、一語で表されたんだ。

 もちろん固有名詞について言ってるんじゃないよ。頭のいいゴン太くんには、ちゃんと分かるよねぇ。

 もし、これが抽象名詞の起源ならば、どうどうめぐりは当たり前。そしてこの「主観的」と言う意味づけは実に気がきいているわけだ。

 世の中に、あふれかえっている言語表現は皆、「インチキ」という言語表現に落ち着きそうだ。ああ気味が悪い。ゴン太くんは気味悪くないかい?

 又、横道にそれるけど、ユングの集合的無意識や「実は、この世は一人のインド行者の夢である」なぁ~んて話。

 やっぱり、これだってユングの主観の世界だって考えると、インチキ(主観)をインチキ(ユングの主観)でインチキ(文字・言語)によって種明かししてるんだから、ああ気味が悪い。

 ゴン太くん!起きてるかい?

 さて僕が、これから何を書くかというと、わけの分からぬ宇宙の片隅にポッカリ浮かんだ丸長の玉。

 そこに住んでる人達が、どんなに情報とかのインチキに攪乱され、又、擁護されてゴキゲンになっているかというバカバカしさについて分析しようってわけだ。ども!

 あるSF小説の前書きに、こんなのがある。

「つまりはこうなんだ結局。人間が塵から作られた事を諸君はよく考えてみなくちゃいかん・・・・・・しかしだな、そんな惨めな出だしのわりに人間はまずまず、うまくやってきたじゃないか。・・・」


 僕の手元にある「宇宙論」によると宇宙は今から約55億年前に始まり、水素ガスや塵がぐるぐる回って散らばって時間と空間が発生し、現在に至ってまだ膨張中だそうだ。

 ちなみにエントロピーの法則というやつのおかげで宇宙さんは「T×S」という公式によって、そのうち死んでしまうらしい。もっとも気が遠くなって金玉が抜け落ちてしまうほど先の話だが・・・・

 さて、地球が今から、どのくらい前に出来上がったかは諸説あるけど地質学では26億年前から始生代、原生代・・・という具合に始めている。

 では大幅に見積もっても、少なくとも四捨五入して30億年前には絶対に?地球は出来上がっていたはずである。

 地球の原形完成を30億年前と勝手に仮定するぞ。宇宙年齢が55億才とすると地球は30億才、なかなかの風格じゃないか。新参者め!ビシッ!ビシッ!

 ゴン太くん!起きてるかい?あ、起きてるねぇ、偉いなぁ。

 そしてね、かの有名なアウストラロピテクスさん(ゴン太くんによく似てるねぇ)が登場したのが第1氷期の最中で、約200万年前という事だ。

 その前の29億9千800万年のブランクに何があったのか。1億年くらい前に大きなトカゲさんたちが歩き回ってた事くらいしか僕たちは知らない。

 そしてアルタミラ洞窟に落書きした人類の原形、クロマニョン人(日本じゃ浜北人や牛川人・・・?)が、かなりまっとうな形で登場したのが約1~2万年前だ。測定法によって違うだと?

 じゃかぁしいいいいい!われ!だまらんかい、こらぁ!

 あ、ごめんねぇゴン太くん。どうしてそれがわかるのかって?同じように僕も中学生の頃、社会の時間によくブーたれてたんだなぁ。

 先生は、こう答えたよ。

「地層の古さでわかるのよ」

 なぁ~るほどぉ~、そういう事だ。と、純真だった僕は納得してしまったが、高校の世界史の資料には、こう説明されていた。

「C14という放射性元素の減少の度合いにより推定する。」

 なるほど、そういう事だ。と再び純真だった僕は納得してしまった。が、今、僕の持っている本にはこう書かれている。

「C14を利用したカーボンテストが効果的なのは2千年前から2千5百年前の範囲である」と!

 今度は簡単には納得しない。アウストラロピテクスさんは200万年前、恐竜さんは1億年前であると取りあえず決めると、やはり地層(原石と比較した水和層の厚さ)かなぁと中学校の先生に感心してしまう事になるんだなぁ、うん。

 情報とは、ゴン太くん、このような タヌキの遍歴 を僕に強いるのだよ。

 さて、そんでもって都市文化らしきものがやっと現れてきたのがB.C4000~3000年頃のシュメール人。メソポタミアだ。

 メソポタミアの都市国家誕生を、まずB.C3000年とすると、人類の文明は現在にいたって約5千年間という訳だ。

 地球年齢の約60万分の1が「まずまず、うまくやってきた」我々人類の歴史だ。じゃあ、どんな具合に人類はうまくやってきたのかなぁ。

 シュメール人を見てみよう。ど~も文明と神様は、ひっついているものだが、彼らも例に漏れず、信仰で結ばれた氏族集団が神殿づくりにせっせと励み、ついに都市文化らしき時代を迎えたのであるのねぇ。

 そして出ました。ついにここで文字が発明されてしまったのだね。文字は絵と供に彫刻となり、必ず神様が関係してくるんだよなぁ。

 その後、神様と言語は切っても離れぬ仲となり現実に及んで、世界をのし歩いているんだ。

 さて、そんで、「神様偉い!」とばかり信仰が体系化されてゆくと必ず、どこでも階級が出てくる。差別の始まりだな、うん。

 シュメール人は神官・平民・奴隷という具合。日本じゃ大王=天皇・氏人・部民・という具合。要するに強者は都合よく神様とお友達になってしまうんだぁな、これが。ま、中には自ら神様になってしまう電波系さえいるよ。

 で、実はそれ結構、僕にあてはまったりするんだなぁ。僕は神だと神からお告げが来たこともあったし、高校の時、プロクシマ星系の宇宙人に誘拐されて「君は神様なんだよ」って言われて変な任務を背負ってしまった事もあったものなぁ。

 僕の頭にはイスカンダルでとれた鉱石「ピカール」が埋め込まれていて、それは神の証拠で人類を救済しなければいけないと、長い間思い込んでいたものなぁ。

 あ、ゴン太くん、僕の事を変な目で見てるね。それは妄想だって言いたいんだろう。でも妄想の方がリアルな時ってのも人生には必ずあるものなんだよ。え?ゴン太くんには無いって?・・・そうか・・・いいなぁゴン太くんは

 あれ?何を話してたんだっけ?そうそう強者と神様の事だったね、続けるね。

 そんで弱者、敗者は次々に神様と縁遠くなり、神様のお友達の王様による神様の伝言に従う事になるんだなぁ。その結果、王様にこき使われる訳なんだよ。

 あちこちに文明が出現すると人種ごと部族ごと語族ごとのそれぞれの王様と全て異なる神様がお友達になってしまうんだな。

 実に神様は八方美人なのだ。それに神様は、たいてい、巫女たちによる伝言形式で情報を与えてくるのであるのだなぁ、これが。

 神様は、きっと姿なくして声(幻聴)だけのものに違いない。この声をロゴスという。

 しっかしだなぁ、このロゴスはメチャメチャなんだよ。言ってる事が場所・時代・状況により、たえず変わってしまうのだ。

 神様は、とんでもない嘘つきか、とんでもないお調子者か、とんでもない口下手に違いない。さもなきゃ、パープーだぁ。

 さて、神の都メソポタミアのシュメール人はセム語族にぶっ殺されていき、バビロニアとなりインド・ヨーロッパ語族が馬や戦車で乗り込み、またまた、あちこちで殺戮を繰り返し、ついにエジプトとメソポタミアは結びつき、オリエントは一体化していったのだぁあ!

 どこでもそうだが、小国が大国として統一される際には、凄まじき大殺戮の過程があるのであるな、うん。起きてる?ゴン太くん。

 んんで、大国化しても変わらないのは、専制君主は必ず最高の神官、あるいは神自身として君臨する事って訳だぁ。

 もちろん神様は言語として登場しない場合もあった。星や動物や植物を崇める自然崇拝の多神教でありんすなあ。

 さりとて!これも言語と大した違いはない。ない。人々は星や動物を崇め、それによって都合のよい情報を乞うたのだからにして。自作自演の自己マインドコントロール=文明ってか。

 古代から人類は目に見えぬ何者かの情報に胸をときめかせていたわけだぁ。みんな僕と一緒ね。電波が遙か数万光年の彼方から、数億年の過去から飛んで来るんでしょ。うふ。

 かくして、神の情報を都合よく信じ込むことにより、あらゆる殺戮が繰り返され、そのおかげで世界は、いたるところで大きくまとまりを遂げていくのだったぁ!

 これは神の情報を欲望とシャッフルさせ、たとえ錯覚であれナルシズムであれ、とにかく人類の歩みに偉大なる成果として貢献していったっつう訳だぁ!

 神様も時にヒューマニティーを発することがあった。エジプトで奴隷としてこき使われていたヘブライ人をモーゼというイカれたメッセンジャーを使い助け出したそうだ!

 なんと情報しかもたらさなかった神様が、この時に限って実力行使に出た。エジプトを血の海にしたり、海をまっぷたつに裂いたり、と。

 そしてシナイ山ではイナズマによって十戒を文字として石版に刻みつけたそうな。これをトーラというそうな。インチキが次第に妄想となって未来にとどくのね。

 神様も、よーやるわ。さんざん、こけおどしをやって、しまいにはお得意の情報だけ残して、めでたしめでたし。あちゃー、なんとまどろっこしいのでしょう。実にエキセントリック。別の言い方すれば、キチガイか・・・おい!不謹慎だその言葉使うな!へぇ、ども!

 神様は、この頃に限ってちょくちょくせこい手練手管を労して他にも、ちょこちょこヒューマニティーの伝言ゲームをやらかしていたらしい。

 それはモーゼもそうだが、世界各地に出没した救済者とか呼ばれる超能力メッセンジャーボーイたちである。これをスーパープロパガンダと名づける。

 ついに情報だけでは、まどろこしくなり伝達メディアとして派手なおしゃべりエスパーを地球上に実体化させたわけだ。なぁ。

 まずアジアじゃ仏陀だなぁ。なんと彼は瞑想によって天眠を得、死と再生の反復を見、宿主随念智(過去世の全ての情報)を得てしまったのだ。えれぇこったい。

 これを悟りと言う。精神病理学では何というかは伏せておこう。

 して、彼は煩悩を断ちきり解脱しろ、八正道により中道を歩め、そこにはカーストの差別は無いとの情報をもたらし、これは広まったぁああ!

 なんとギリシア哲学にも伝わり、グノーシス主義のエンペドクレスも仏陀になってしまい、どういうわけか彼はサンダルをきちんと揃えて、火口から愛の純粋飛び降り自殺をしてしまったとさ。

 いうまでもなく、その後、仏教は多岐に分かれ多くの争いを生み多くの死者をだした。

 又、神様が派遣したのはツァラトゥストラ、ペルシャのゾロアスターさんがいる。

 彼は予知能力を持っていて、しかもプレコグだったらしい。

 それにしても神様は、いたずら好きというか気が変わりやすいというか、今度は神様は善神と悪神の2神であると言い出したのだ。ここに神様の「てめぇら勝手にしやがれ」と善悪の選択を人間の自由意志に任せるという投げやりな態度がうかがえる。

 彼、ゾロアスターは火こそ全て、火は全てを浄化すると言いふらし、肉体は復活すると教え、それはユダヤ教とキリスト教に大きく繋がっていったらしい。

 ところでヘブライ人の超能力者、モーゼだが、彼はゾロアスターから都合のいい倫理解釈を抜き出し、唯一神はヤーウェであると言い出したんだな。

 ヤーウェはヘブライ語で「ある」という意味だが、何故か当時、口にする事を禁じられていた。「ある」と言ってはいけないのだ!それじゃぁ対意語が、いっついだったってさっきの話からすると、「ある」を抜かせは「ない」になるじゃないかぁ。へへ!僕って天才。

 きっと神様は「ない」に違いない。だから「ある」と人々に嘘をつかせたくなったのだ。へ?おかしいか?いいんだよ。時に神様は可愛らしく思える。バカだから。

 さて、後にエルサレムに神殿を建て、これはユダヤ教となったものは言うまでもなく、例に漏れず、のちに死者の山を作った。

 さてさて、旧約に「エリヤが弟子のエリシャに霊の二分の一を与え生身のまま天に昇り大いなる日が来る前に神は再びエリヤをつかはさん」とある。ん、ある。

 そして出たのがスーパースター・イエスなのだぁあ!はて、エリヤがイエスか、エリシャがパウロか、ヨハネがエリヤか、バカな僕にはよくわからんが(分かる方が怖いって)、とにかく神様はマウグストゥス帝治下のユダヤにイエスを実体化させた。

 ところがイエスはユダヤ教の指導者を、こき下ろしてしまったのだ。神様は口先だけで現実に目をそむけているか、遊んでいるか、とにかく可哀相なのはイエスであるな、うん。

 イエスは超能力を発揮し、死人をよみがえらせ病人を治し、一生懸命弱者をいたわり隣人愛を説いたのち、民衆にも裏切られ無抵抗のまま十字架の上で串刺しにされてしまった。(本当かいな?そうかいな?)

 これは悲劇のヒーローとなるにふさわしい顛末で、よって後、彼は世界的な侵略性に富んだスーパープロパガンダとなり、もちろん彼の残した情報のため天文学的な死者を生んだ。

 ちなみにイエスはタイムトラベルも出来たらしい。そしてイエスの最後の言葉

「わが神、なぜ我をみすて給ひし」

 これは悲痛である。この時、おそらくタイムトラベルで見たものをイエスは忘れてしまったのだろう。

 イエスの伝達機能としての回路は閉ざされてしまったに違いない。イエスの前にアスクレピオスという超能力者がいた。彼も又、死人をよみがえらせてしまった。

 その結果、彼はゼウスの怒りに触れ、キュロワープスによってイナズマで殺されてしまった。神様というものは間接的な殺戮に対しては、ひどくルーズなくせに何故か死人をよみがえらせる事にかけては、とってもナーバスである。

 神様は何を企だてているのだろうか。たとえスーパープロパガンダといえども死人をよみがえらせてはいけないのだろうか。

 情報は甦った死人に対してろくな印象を与えていないんだなぁ、これが。おぞましいゾンビ。フランケンシュタインのモンスター。一滴の血液によって蘇るドラキュラ。

 僕はこう思う。死=聖域だ。聖域=神のうち。ヒントは子供だ。7つまでは神のうちと。まだ聖域から現世へやってきて間もない子供は昔からよく消え失せてしまう。

 笛吹きによって街中の子供たちが消えてしまう話や悪い子供をひっさらうナマハゲ、要するに神隠しは子供だけに起こるのだな、ふん。

 僕は、これは子供が聖域の秘密を思い出してしまったために消されてしまうんだと思う。これから考えると神の域はおそらく、人に知られてはいけないものなのだ。やばいんだ。インチキがバレるのが。

 だから一度死に、聖域に入ってその情報を持ったまま生き返る者は神にとって大変な危険人物なのであろうなぁ、うんうん。ままよ。

 キリスト教とユダヤ教から派生し形を変え出現した宗教は多い。じゃ、その中から有名なスーパープロパガンダを2人紹介してから、宗教の話を打ち切ろう。

 僕は、もう飽きてきたんだよ。

 まずイスラム教のマホメット。ちなみにイスラムとは服従すべきものだそうだ。イスラム教はキリスト教を引き継ぎ、唯一神教だ。

 ご存じ、アッラーフがマホメットに啓示を与え天使ガブリエルに媒介させ、それはコーランという情報になった。この宗教はイエスを否定している。何故かといえば、神の唯一性を最も重んじているからだそうだ。

 次にマニさん。この人は、肉体は悪、精神は善とし、ゾロアスター教に似た善悪2元論が取り入れられている。そして、ここでもイエスは悪の原理とされているそうだ。

 このようにキリスト教から影響され出現した宗教、それを生み出したスーパープロパガンダたちはイエスを悪役に仕立て上げている。

 僕は思う。神様は人を甦らせたイエスを、徹底的に悪役に仕立て上げるために、その後のスーパープロパガンダたちにはイエスを否定する聖なる情報を持ち込ませた。

 さてさて、こうして7世紀あたりまでゾロゾロやってきていた大物スーパープロパガンダは、その後パッタリと現れなくなる。

 小物はチョロチョロ出てくるが、規模が違う。何故か?神様はあきらめたのか?それとも、もうその必要は無くなったのか。

 それは、こうである。実は神的情報のネタが尽きたのである。何故、僕が知ってるかって。それはねぇ、ふふ、ちょっと神の域にスパイを放ってるんだよ。ひひひ。

 後から出現した神体示現者は、ちょこざいなものでいい。彼らは、すでに前出の大物スーパープロパガンダたちによって築かれたものを多様化させていくだけなのだ。

 さて、7世紀までに伝わった神的情報の大物たちは小国群を大国に統合させるため、とても役だったんだったねぇ。

 各各神様の情報圏ごとにぶっ殺し合いが続き、殆ど現在の大国の原形は、この頃築かれたと言っていいのではなかろうかねぇ。

 え?じゃあ、アメリカは?って?わかってないなぁ~。あああ、今、僕に尋ねたのは誰?ゴン太くん?

 あれ?ゴン太くんは、とっくにどっか行っちゃったみたいだねぇ。そうだよなぁ人のこんな妄想話に、さすがのゴン太くんもつきあっちゃいらんめい。

 ってな事、こんな妄想に昼夜と耽っていると女の子にもてないんだよなぁ。頭もクルクル来ちゃうし。いけないんだなぁ。

 “もう止めたら?”

 あれぇ?“もう止めたら?”って、いないはずのゴン太くんの声が聞こえるよ。じゃ透明なゴン太くんに話しかけよう!

 僕は真夜中に、こんな事ばかりを考えるのは止めたらっていうゴン太くんの忠告にしたがうんだ!妄想に浸ってうっとりするのも暫くお休みさぁ。

 僕は暫く僕が全宇宙を光に導く東丈である事や、僕の脳髄に向けて飛んでくる電波の事は考えないようにするよ。




“ゴン太くん!僕も時間を無くしたくないからねぇ!”

“あれ?ゴン太くんって僕の妄想だったっけ?れれ?”


            

                        


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「昔見た午後の神様」:kipple

2005-08-18 00:26:00 | kipple小説


     「昔見た午後の神様」


 一匹のハエが白い地面に足を捕らわれた。

 ハエは空中に飛び出そう、出そうと細い足で、地面に結び付けられた小さな黒い肉体を振り回した。

 地面は強力な粘着力で、決して足を離してくれなかった。

 黒い点が原子の回転に似た動作を迫る死に向かって続けているのを知っているものは誰もいない。

 ハエは狂ったようにもがき、絶叫した。

 塗りたての横断歩道のペンキの上で、しばらくして小さな倒壊音が起きた。

 ハエの身体はペンキに埋もれ、静かに、しかし、凄まじい抵抗の末に、そのペンキの中へ落ちて行ったのだ。

 静かな時が、死骸の上を過ぎてゆき、次第に乾いて固まるペンキの中でハエは乾燥していった。

 幾日かが経ち、その上を踏みつけた少女がいた。

 少女は不思議な感覚に、ほんの一瞬おそわれたが、それが何だか少女に分かるはずも無いし、気の狂いそうに短い時間の中で少女は今の感覚を忘れてしまった。

 空は限りなく広がっていた。

 少女は、その広がりを、目を通して頭の中で、より広げる事ができた。

 少女の内部は、今まさに、無限の虚空なのであった。

 そこには雲も風も太陽も無く、果てしない空だけの世界であった。

 少女は白痴だった。

 しかし少女は自分だけの、まぎれもなく純粋な世界を完璧に作る事ができたのだ。

 少女は、いつも黒い服を着ている神様という男と、小さなアパートで暮らしていた。

 少女は神様を、とても愛していた。

 神様は放浪癖があり、時には2~3ヶ月程帰らぬ時があった。

 今も少女がアパートのドアを開けると、さびしい、さびしい、誰もいない夕暮れの部屋がポッカリと口を開けて彼女を待っていた。

 少女は畳の上に寝転んで、窓の外の赤いせんこう花火のような太陽を見続けた。

 隣りの部屋の女子大生が食事を運んできてくれるまで。


                    


 醜い岩が幾千も、つらなる海岸で、神様は少女が見ている夕陽を、やはり見続けていた。

 神様は膝の上の携帯演算機の鍵盤上で目にも止まらぬ速さで両手の指を動かしていた。

 目で少女が今見ている夕陽を見つづけながら、神様は激しく鍵盤を叩いてセルを集めていた。

 未だかつて存在した全てのセル、存在しなかった全てのセル、存在するはずのない全てのセル、空想された全てのセル、存在してはいけない全てのセル、これから在り得る全てのセル、これから在りえない全てのセル、無限のセルを集め、解析し起動させ融合させ続けていた。

 神様は、夜が静かに訪れるまで、セルを集め続けていた。

 ホテルに戻って、神様は、ロビーで夕刊を取り上げ、ソファーで読むと、ギョッと目を剥き、独白を始めた。


 三島由紀夫と吉田松陰は似ている!

 世界は終わりかけている!

 今、私の目の前で!

 ゆっくりとフェードアウトしてゆく!

 人々は、パタパタと通りを歩き!

 鳥は音をたてずに空に満ちている!

 空から100000000000000本が1本に見える、おばけ煙突を!
     真っ暗くなる前に見たい!

 昔、夢の中で聞いた鐘の音が、今、よみがえる!


 目の前には、ぎっしりと活字が並んでいる!

 視界は、どんどんズームアップされ!

 スポットライトを浴びて、1つの文字が拡大されて迫ってくる!

 死という文字だ!

 死は、どんどん大きくなる!

    

       

           

               

 そして、黒いインクの タ の部分に迫り!

            

               

                  

                     

 最後には、真っ黒で、何も分からないほど、拡大され!

 そして 死 が、はじまる。




                   


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「ガタガタ青年、放火を趣味にする」:kipple

2005-08-16 00:25:00 | kipple小説


     「ガタガタ青年、放火を趣味にする」


光の中に白い服の少女がいたんだ!僕の方を見たんだ!

通り過ぎて、もう二度と来る事のなかろう、トキメキの瞬間なんだ!

夕暮れの街の騒音が止まったんだ!

僕は、よくないんだ!

目も、よくないんだ!耳も、よくないし、心も傾いたんだ!

体も低く重く、苦しそうに唸ってるんだ!

耳は絶えずゴウゴウ鳴ってるし、

口は人と話す事を欲しているくせに、すぐに話に絶望し黙りたくなるんだ!

しかし、僕の方は、ずるずると話を続けてしまい、

きっぱり止める事が出来ずに気分を外面の軽薄さと反対に、

とことん、沈ませ、暗くする事になるんだ!

悪いのは何だ?

いったい悪いって何の事だ!

最低とか、屑とか恥かしさとかとは別の事か!

僕が一瞬、見た美しい少女に心を染められるのは、いったい、

よくない僕の、何なのだろうか!

何か、よい事か?

9の悪の中の一つの良は、9の悪によって大きく歪められ、9の悪を超えた、

強力な邪悪!陰湿さ!となって後にあらわれるのだ!

しかーし!僕は悪というよりは最低なんだ!

身体の、どこをどうとっても、ガタガタなんだ!


僕は昔、水の中にいたんだ!誰も、そうらしいんだ!

でも、もう誰も水の中へは帰らないんだ!

空気の中へ、地の中へ、海の中へと散っていくんだ!

誰も、あの水には戻れないんだ!

僕は、どこに散るか!地上か海かだ!

灰にされるか、土や海に溶けるかだ!

よく回りを見るんだ!何がいる?

男だ!女だ!鳥に犬だ!

全て、消え、又、全て違う形の同じものが、やってくるんだ!

川の流れの如くだ!音があるんだ!

やけに騒々しかったり急に消えたり、一つだけになったり、繰り返すんだ!

聞く者が、いなくなったって、同じ事なんだ!

誰も、いない場所、そこに音が、あるのか?

世界に、最後のたった一人の男、そいつが小説を書いたんだ!

それは意味を持つのか?

果たして、そいつは一人ぼっちで、どんな小説を書いていたんだ!?

そいつに今の僕の体験している、どんな小さな行為でも想像できるのか!


太陽に欠ける顔だ!想像するには余りにも眩しいんだ!

まっ白の、だだっ広い風景の中の一つの小さな黒点!

想像するには、余りあるんだ!

やわらかな黒髪の中に見つけた小さなツムジだ!

太陽のようにだ!・・・天与の才だ!

才は、拡散し、ぼやけて白くなり、ぷつりと断えるんだ!

精神的オナニーだ!文化はオナニーによって育つんだ!


ああああ木々が青く燃えるぅぅぅぅ!

人の魂も!目の中の青!青い夢だ!かわいい女の子!

スリップ・ノットの曲を聴いてたら久し振りに恋がしたくなったんだ!

一ヶ月前の明日、ママンが死んだんだ!

もう見栄や、かっこつけは、うんざりなんだ!

存在からの逃避だ!

薄闇の街に、ぽぅっと灯りがともり、何かが帰ってくるんだ!

逃避からの逃避は半妥協だ!ぶらさがりだ!

そして安定が望まれるんだ!お前の夢は何だ!

生活の秩序か!安定なのか!

道端での、野垂れ死にじゃないのか!


夏なんだ!

右耳では、いつもジェット機が唸るんだ!

意識はとっても白く、無意識は分からぬ願望を押すんだ!

ので、次第に行為も思考も異常なものへ走っちゃうんだ!

ただ死んだように布団に横たわり汗をかくんだ!かくんだ!

何もないんだ!気力も!生きるためのエゴも!

静かに時と風が通りすぎるんだ!

葬式の旅から戻って、もう10日たとうとしてるんだ!

僕は絶対に欠如だ!穴ぼこだらけだ!どーしょーもないんだ!

煙草吸って酒飲んでゲロ吐いて眠ってブルブル震えて頭を熱くして、

悲しくて悲しくて、何も起こらないのに涙が流れるんだ!

世の流れに平然と従ってる奴らに会うとブルブルふるえちゃうんだ!

身体が、ガクガクなんだ!

頭に来るんだぁぁああああぁあけど、

奴ら僕と異体質のように思えて何やら薄気味悪く、ただ恐ろしいんだ!

一人で、ふるえちゃうんだ!

何故、ああやって、何も退廃しないんだ!

身体、ぶっ壊したくなんないのか!

田舎の山や海、土の道で野垂れたくなんないのか!


なんにもなーいんだ!

なんにもなーいんだ!


眠りと夢とネジレたリビドーと煙草以外は!

僕の生活、何も、なーーーいんだ!

たんれんすんのイヤだぁ!

真剣に取り組むと、続かないんだぁあああ!

真剣に取り組まないと、何も、なーーいんだ!

放火を趣味にするんだ!

いつも心に太陽をってを持って、くだらん火の組み合わせして遊ぶんだ!

          炎
         炎炎
        炎炎炎
       炎炎炎炎
      炎炎炎炎炎
     炎炎炎炎炎炎
    炎炎炎炎炎炎炎
   炎炎炎炎炎炎炎炎
  炎炎炎炎炎炎炎炎炎




                        


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「豚の記憶」:kipple

2005-08-15 00:38:00 | kipple小説


     「豚の記憶」


 島に住みたいと思っていた。

 オレの細胞に、微かな光沢が、島にゆけば必ず宿るだろうと思っていた。雑踏の中で、うらやましく、鳥と空を仰ぎながら、灰色の細胞を確かめる時、いつも、しっかりと島は怠惰に対する抗体となり、救った。

 沼のような日々の中で、目覚める事は始点、寝る事は終点、そして、同僚と空騒ぎをして、胸に切り子のような不快のわだかまりが巣くう時、死点であった。

 オレは虚弱であった。笑わぬ事を、死ぬ程望んでいたが、笑わぬ事は死ぬより恐ろしかった。かくしてオレは、いい奴で、頼りにならぬ奴で、ふがいのない男だった。

 オレは悪い奴で、強情で、尊厳に満ちていたが、その通りに振る舞う事は、死点の中では不可能だった。オレは、人間と、社会生活に絶望し嫌悪していたが、その中にも、一つの理想があった。

 それは少女の事だった。長い間、オレは、唯、少女という異生物全般に奇妙なユメを抱いていた。少女が、どうあるのか、その規定は無かった。唯、少女という存在、純真で優しく、又、不純で冷酷、そして、社会の暗黒への大いなる拒絶、又は、大いなる受容。それらの同居した、なめらかで柔らかい生き物。それを望んでいた。

 だからこそ、少女との島への脱出こそが、オレの人生を差し照らす穏やかな光であり、希望なのだった。

 オレは道端で、よく夕陽を浴びて栗色に髪を光らせる清冽な美少女たちに出会った。そして、その度にオレは、この少女は、もしかしたら・・・と思った。しかし、歩調をゆるめ、目を期待に細めるオレを見向きもせずに、果実の甘く涼しい香りを残して彼女たちは、オレを見捨てた。

 そのたびに、オレの身体中に凝固したゼラチン状の蒼海が、いっきょに地の果てへ落下して砕け散るのだった。

 少女は、オレの支えに近かったが、断言して、性欲とは別個のものだった。オレの性欲は淫らで頭の軽い健康な女にのみ、ほこ先を向けた。少女は、それらの条件をたとえ充たしていたとしても、少女である限り、除外されてしまうのだった。

 オレは、ある蒸し暑い7月のはじめ、パタンと本を閉じるように大学を辞めてしまった。別に理由はなかった。親はオレの為に惜しげなく金を使うし、オレが大病を患ったわけでもない。ただ、望んだから辞めてしまった。それは衝動という事だったのかもしれない。わけの分からぬ甘ったるい温泉状況への反逆なのかもしれぬ。

 甘い反逆。そうさね。オレは皆に、甘い甘いと言われ続けてきた。甘ったれた自分を認識したからって、どうなる?苦しいだけだろ?人は個体どうしだし、どーせオレには、いつものオレしかいないんだ。認識して、それだけ。知ったからって何も変わらない。行くとこへは、どーせ行くのだ。甘さを利用しまくって、衝動の自由を守り続けるのだ。当たり前だろ?そんな事。

 さて、辞めてしまってから、どこでも同じように、親や血縁者どもがズーズーしく、オレの自由なる心域に侵入し、圧迫するんだ。不自由な人形どもめ、オレまでをも、腐った御社会形式のロボットにしようと計っていやがる。オレの自由を汚染し、潰そうとしやがる。糞どもめが。

 ある日、オレは自宅に軽薄で肉欲的なチャラチャラとブランド物を身につけた自意識の強そうな女を引っ張り込んで、両親のベッドの上で朝まで、まさぐり合った。一晩中、ハードにぶち込み続けた。

 こういう女は、ちょっとスカしたレストランでスカしたイタ飯でも喰わせて、強引に求めれば、必ず、すごすごついてくる。

          下劣な人間さ。ブタ以下よ。

 オレとブタ以下女は、太陽が、てっぺんに来る頃、目覚めた。女の顔は、むくんでいて、まさしくブタ饅頭に見えた。気色が悪く、吐きそうになったので、オレはなるべくブタ饅頭淫売女を見ぬようにして、思いっきり嫌悪を込めて絞め殺した

 それからオレは、ブタ女の死体をクローゼットの中にあるダストシュートに突っ込み、今までオレがしてきたブタどもの地下の安息所に勢い良く落としてやった。

  シュゥゥゥゥウウゥウウゥドシャッ、ビシャッ

 これで両親も含め、100匹以上、オレはブタをしてきたわけだ。オレは、喜びのあまり、ついつい雄叫びを上げながらコサックダンスを踊ってしまった。

 延々とコサックダンスを踊ってると、何やら外で大きな拍手が起きたので、分厚いカーテンを引き開け、湿気でにじんだ窓ガラスから外を見下ろすと。白い男が黒い服を着て、タオルをしぼるパントマイムをやっていた。

 オレは室内の強烈なクーラーの冷気を窓から放ち、その寒風をカミソリのように感じ、鋭い快感に破笑し、蒸し暑い炎天下の中でパントマイムを続けている白い男に、白い冷気の息をはいた。

       空気の中に白いカプセル。その中の男と拍手

 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

 オレは、やや満足し、窓を閉じ、ビンビンに冷房を効かせ、石油ストーブをつけて、その上でシチューを煮立たせ、フローリングの床の上に、その煮立ったシチューを降ろし、パンをひたして食べ続けた。もちろんポークシチューだ。もちろん材料は地下のブタどもだ。パンを赤黒いシチューにひたして、吸うように喰らい、口中から食物が無くなると、生きているのを確かめようと、じっと時計の針を見ていた。

 その動作を何十回も続け、黄色い太陽が、ひらひらと天使の羽のような光を放ち、石油ストーブに消費された酸素が、オレを苦しませ始めた頃に、テーブルの向かいの鉄扉が開き、配達夫が、やってきた。

 配達夫は、よく光る白手袋を、ちらちら動かし、オレの目線を、彼の大切な伝票に誘導し、位置づけた。卑小な奸計だ。オレは白々しくスローな動作で、言葉を放つ事をせず、ハンコを出した。配達夫の目が、小狡い狐のように黄色く光るのを、オレは見逃さなかった。

 配達夫は、加速装置をONにしたような動作で、捺印を押え、いつの間にか、オレの手にはハンコが戻り、すでに彼はドアーの四角い立体スクリーンから消え失せ、そこには白い大きな荷物だけが、寝ぼけたように立っていた。

 そしてオレはハンコを、テーブルの上に放り投げ、荷物を引き入れ、ドアーを閉ざした。籐椅子の上に、白い大きな荷物を置き、オレは再び、なまぬるくなったシチューを、すすり始めた。

 そうしながらもオレの目は計らずとも、ずっと、籐椅子の上の物体に向けられていた。奇妙な引力だ、と思った。凍てついたように部屋は動かず、時計だけが固い音をたてていた。

 オレは、少し変だと気づいた。(ずるずると赤黒いシチューを吸いながら、ぼんやりと荷物を見つめて)

         変な言葉がオレの頭の中をグルグルと回っていた

   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
   「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」

                 なんのことだ?

 やがて、10分が過ぎた頃、爆発のような変動が起こった。荷物が、癲癇を起こしたのだ。荷物が、ゴムの弾けたゴルフボールのように、凄絶な狂騒を演じているのだ。音が無いのに、宇宙をつらぬく、狂気の悲鳴の渦中に放り込まれた感じだ。

 オレは大粒の涙を流していた。島だ。オレは島に、少女と島に行きたいんだ。でも、いつもこうなんだ。オレは「」なんだ。オレは超平和主義なんだ。どんな人間だってオレを透明なの姿に見るんだ。オレは無表情だが、何に対しても人一倍おびえる。そして、いつも、こうして、こっそりと泣くんだ。


      分かってる。分かってるんだ。

           それは、ブタだ。ブタ

                  そう。

    されたブタたちの呪い。


      かくして、・・・・・・・・・・・・・は覚醒した。



                   

(日本における、ドッペルゲンガー(多重身)とは、西洋のように自分と全く同じ人間が存在するという単純なものではなく、突如として他人に変貌して他人の人生を生きたり、また戻ったり、しかも複数形で時を隔てて行われたりするものまで伝承されており、小説では澁澤龍彦の「ねむり姫」の「ぼろんじ」などが有名、かつ分かりやすい。映画ではデヴィッド・リンチの「ロスト・ハイウェー」。・・・・・らしい。と言うか、エドガー・アラン・ポーの「使いきった男」や「ウイリアムウイルソン」とは何の関係も無い。と言うか、この話は前掲載作「犬の夢」と繋がっている。と言うか、ほとんどの作品に様々な伏線や仕掛けがあるらしい。と言うか、そんな事はどうでもいい。と言うか探すのはアホらしく完全に無意味なので止めたほうが良い。と言うか、其の国はどこに登場してるかとか、大日本絶対愛国同盟のテロがどこに影響をおよぼしているかとか(ホームページの方だったりするので)、どこがどう繋がってるのか考えるのは人生の無駄なので早起きしてラジオ体操第一をやったほうが絶対に良い!と言うか、ラジオ体操の音楽を突如、NICOの「チェルシーガール」やヴェルベット・アンダーグラウンドの「ヨーロピアン・サン」やビートルズの「ディック・ア・ポニー」に変えてみると複雑な気分に陥る。と言うか、コケる。映画「続・夕陽のガンマン」のサントラ、エンニオ・モリコーネの♪ああ、ああぁ~♪の方が合ってたりするから不思議だ。)


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「犬の夢」:kipple

2005-08-14 01:28:00 | kipple小説


     「犬の夢」


 薄水色の朝もやが、ふんわりと覆い被さった灰色の広い国道の両側には、焼けただれた赤色の荒地が内蔵のように、ひしめいていた。赤い地面に生えた死人の舌のような枯れ草が、まるで誰かを手招きしているかのように風にふるえた。

 死人の舌は、赤い地面に点々とまだら模様をつくっていた。生物は一匹も見る事はできなかった。

 赤い荒野の遙か遠くに、朝の霧と陽光に輪郭を消されている山々の頂が、下界を見下ろす神の訓示のように、又は悪魔の歯のように、静かに地上から生えていた。

 薄水色の靄は、次第に透明に近づいていった。B10号国境線は、靄の中に、グサリと突き刺さっていて、まるで無間地獄へでも通じているかのようだった。その地獄から、靄の中から、しだいにしだいに黒い小さな点が現れた。

 ほとんど無色に近くなった靄の中で、黒い点は、大きくなっていった。ゆっくりと黒い点は、その本来の外輪を靄の中で顕現させていった。ハイウェイは、ずるぅ、ずるぅ、と血をすする様な、その足音に身を固くして、その役割を果たしていた。

 もやは、もう地面に80%くらいは吸い込まれていたので、視界は60秒前の5倍くらい広がった。薄れた靄の裏には、黄ばんだミルクの皮の様な空があった。そして、その空の真ん中(地面の真上)、には目玉の様な奇妙な雲が浮かんでいた。

 太陽は無かった。目玉雲が太陽の代わりをつとめていた。

           
 道路の黒い点は、すでに点ではなく人の形に変わっていた。彼は黒い機械を左手に下げて、足をけっして真っ直ぐにする事なく、歩いて来た。舗装道路の中心を。


   彼は黒い髪を耳の真ん中程で、乱れない様にクリップで止めていた。

   彼はサングラス(真っ黒け)を顔に、ぴったりくっつけていた。

   彼は血液の様な口紅を塗っていた。

   彼は黒い、光を吸い込む背広を、無関心そうに前を大きく開けて着ていた。

   彼は背広の下に、しわの多く刻まれた、紙の様なワイシャツをつけていた。

   彼は、その上に金色の十字架のペンダントを首から垂らしていた。

   彼は、時計をしていなかった。

   彼は、指の指輪をはめていて、その指には5cmほどの長い青い爪がのびていた。

   彼は黒いズボンに黒いベルトに黒いドタ靴をつけていた。

   彼は機械を持っている左手に、ほくろの入れ墨をしていた。

   彼は全体的に見ると「死神」そっくりだった。

 そして、まさしく、まぎれもなく、彼は「私」だった。


 目玉雲が一瞬、まばたきした様だった。私は、ちょっと口の端を曲げ、首を傾け、自分の存在理由を考えたが、全くわからない事に唖然とした。そして、私は唖然とするのには、もう慣れきっているはずだと気がついて、その自分の演技をケラケラと声を出して笑いものにした。そのうち笑う理由が、わからなくなり、私は口を閉ざした。十字架が、ぶらぶら揺れた。


 赤い大地の遠い地平線から突風が土煙を巻き起こしながら、この国道に向かっていた。赤い突風が、ここへ到達するまで、あと10分もかからないだろう。

 私は、ゆっくり、道路、ひんやりしたアスファルトに腰をおろした。そして、例の黒い機械を股の間に挟み、PLAYボタンを押した。

 機械からは、数十匹のセミの合唱が飛び散った。私の周囲5m程は、セミの鳴き声に全て包まれた。私は機械を股に挟んだまま、仰向けに寝そべった。

 そして、私は、ピッタリ接着された黒いサングラスを、空いた左手でビリビリと、剥がした。何か、とても薄い、ナメクジの様なモノがサングラスの裏にへばりついていた。よく見ると、それは私のまぶただった。私は自分のむき出しになった眼球を想像して悲しくなり、再び、サングラスを元通りに、貼り付けた。

 セミの大合唱が、私を嘲笑する群衆の声の様に聞こえた。私は、少しノイローゼ気味なんだと、確信して思った。私は、ずうっと上の上の目玉雲を見つめて、自分の存在を考えた。空は青く成長していた。

 そして、私は目玉雲の下の端っこに、金色の太陽を発見し、戦慄した。私には、それらいっさいが、カエルの卵に見えたのだ。明るい底なしの青空に、ぽっつん、ぽっかんと大きなカエルの卵が浮いているなんて、私の健全な精神を否定するようなもんじゃぁないか。私は重度精神障害者が、はっきりと自分が異常だと気がつく、その時の恐怖に等しいだろう戦慄を覚えたのだった。

 私は息を強く吹き出して、頭を左右に一回振り、もう一度、自分の存在を考えた。しかし、私の存在は、どうにも私の存在を無くしてしまうかに思われた。私の存在は、私の存在自体の邪魔をしているのだ。

 その時、私は赤い風に攻撃を受けた。私の回りは、薄い赤色に染まった。赤い風の、その地鳴りの様な響音は、私の機械からセミの声を奪い、セミの声がコンクリートに浸みいる静けさをも破壊した。

 静寂を愛している私は憤怒のために、憤怒を呼び起こすために、静寂を愛する理由を考えた。(でも、どうやら、それには静寂を愛する事の確認によって自分の存在の理由の一つに、結びつけようという下心も、あったようだ)

 考えているうちに、私の体の右半分が(風側に向いているため)、じょじょに、スプレーを噴きつけられた様に細かく赤く染まってゆくのが、わかった。
 - 何故、私は静寂が好きか? きっと前世で騒音に殺されたんだろう。そうだ!解決のカギは全て前世に見出せるだろう! -

 赤い風は、突然、切れた。ゴウゴウと音をたてて、私の左側の内蔵砂漠へ突き進んでいった。再び私の回りには、冷たい青空と黄ばんだミルク色の目玉雲、その中の金色の太陽、私の前後を果てしなく繋ぐ墓石のような国道、そして左右の血みどろの泥世界、が湧くように再び現れた。

 私は上半身を、そうっと起こし、赤い風が過ぎ去ってホッとした事を表現するための表情を10通りくらいやってみた。どれも上出来だ、と思った。暑かった。機械は作動を拒否していた。

 私は立てた足の中に、頭を挟み、「前世が、あったんだから絶対に今の私は存在しているんだ」と、考察し、ジワジワと疫病が広がるみたいに笑い始めた。私の悩みは、どうにか解決された様だった。私は、活力がこみ上げて来るのを感じた。そして、私は、今、生きて【在る】のだと強く思った。

 私は勢いよく立ち上がり、右手をサングラスに翳して、国道を、遙か遠くを、地平線に沈んでいるあたりまでを見渡した。金色の十字架が、チカチカ揺れていた。

 緑色のジープが針の先の様に小さく現れた。ジープはセンターラインの真上を、誇らしく、頼りなげに、こちらへ向かっていた。

 目玉雲の内部を金色の太陽が、ゆっくり動いていって、私の真上に高く高く上昇し、広大なゼラチン状の青空の真ん中にたどり着いた時、ジープは私の前方300メートル程のところに近づいていた。

 ジープは薄い赤煙を尻から吐き出し続けていた。私は、ごく自然に、その車に向かって右手を突き出した。そして、くるくる回した。そして、叫んだ。

「私を、ここから助けてくれ!」

 前照灯の片方とサイドミラーの片方が、跡形もなく、全体的に見ても私には、とてもジープいや自動車とさえ認めたくなかった。その鉄クズは、なめらかに私の左側を滑って、次第に速度を落とし、やがて完全に停止した。

 再び私は、舞き上げられた道路上の少量の赤い砂塵に包まれねばならなかった。薄赤の煙の中からドアを開ける鈍い音が聞こえ、やがて赤煙が消えていった。赤煙が消滅すると、ジープの後部にもたれかかって、だらしなくニタニタ笑っている男が、はっきりと現れた。そこで、私もニタニタ笑い返すと、彼は突然、笑うのをやめた。どうやら御機嫌を損ねてしまったらしい。

 私は、すっかり変色した例の機械を左手で持ち上げて、笑いながら、その男に近づいていった。機械は、すでに赤く染まっていて、私が一歩踏み出すたびに、パラパラと赤い粉を落としていた。汗も、したたり落ちた。

「暑いですね。」

 私は彼に向かって話しかけた。

「フン、まぁな。でも、こいつ(とジープを顎で示した)で走ってりゃぁそうでもねぇよ。」

 私は「そうですか」と言って、さも感心したかのように大きく肯いてみせた。その時、自分の足もとを見て、影がないのに気がついた。私は自分の胸の内部に恐怖を感じながら、会話を続けた。

「実は私、ちょっと困っているんですよ。そのう、何故私が、こんな所にいなけりゃならないのか・・・」

 私は恐ろしさのあまり、全身海の底にいるよりも、もっとびしょぬれの汗をかき、声尻が震えた。何故だ。何故、私の影が・・・

「へぇ、そうかい。そりゃ、こんなとこに一人ぼっちじゃ困るわなぁ!町まで、まだ100キロ以上あるぜ!」

 私は突然、太陽が真上にある事を思いだした。私は少し前方に身をかがめて、頭の影を作ってみた。私は、ひとまず安心すると同時に、自分はちょっとどうにかしていると思った。そして、それを太陽のせいにした。

 男は相変わらず、ふてくされていた。

 男は、もぐもぐと黄色いチューインガムを噛んでいた。

 そして突然、

「乗りな!! 俺は親切ものでね!」

 と言った。


 ジープは爽快な風を作って、真夏のよく熱せられたアスファルトをとばしていた。私はサングラスを風で飛ばされぬように、手で押えていなければ、ならなかった。何処を見ても我々以外、誰もいないし、何もなかった。そして空気が切れそうなくらい明るかった。

「あんた、どっから来たんだぇ?」

 彼は果てしなく続く国道の先っぽに、まるで威嚇するように鋭い眼差しを投げつけていた。

「私は、病院から来たんですよ。」

 と私は言った。彼は、その答えに納得がいかない様だった。彼はハンドルを左手でわしづかみにし、右手は外にブラブラと垂らしていた。そして、彼の右手は木製らしかった。右腕は風にゆれて、ドアの外側にぶつかる度に不自然な冷たい音をたてていたのだ。

「あのなぁ、あんた、俺は、どこから来たか聞いてんだよ。町の名だよ!まったく。俺をからかってんのかよぉ。」

 彼は、「ふん」と鼻を鳴らして、ガムを外に吐き出した。

「いいえ。そんな。私は、ただ本当に、混乱してしまって。ああ、病院にいた事は確かなんですが。それが、どこなんだか、さっぱりわからないんですよ。病院の名は、たしかコギト病院だったんですが。ええ。」

 沈黙が続き、私は記憶を整理しようと思った。そして記憶というものが、ほとんど失われているのを知り、冷や汗を流した。果たして、私は何も思い出せなかった。私は、どこで生まれ、どこで育ち、どこで暮らしたのか。

 ジープは走り続けた。そうして、遠くに大きな指のような丘があらわれた。母のふやけた指のような丘が。

 私は、目を見張った。そして、運転している男も、この世界も、私自身も、私の心的宇宙の中で、急速に不確かなモノに感じらていくのがわかった。衝撃的であった。私は、聞いてみた。

「このジープは、どこに向かって走っているんですか?」

 彼は、一瞬、きょとんとした。そして彼の顔つきに次第に、明確な変化が現れた。それは、自信の喪失と、巨大な不安の獲得を表しているということを、私はきちんと読みとっていた。かなりの間を置いてから、彼は、さっきとはうってかわった、か細い声で言った。

「・・・町。町に向かってるに決まってるじゃ・・・いや?町?ってどこだったけ?え?俺はいったい・・・何をしてるんだ?あ、あ、あの丘が・・・」

 もちろん、その時には、私も事の次第と、私の役目をきちんと理解していた。そうだ。あの丘。あの「母のふやけた指のような丘」が、ちゃんと指針を示しているという事を。私は、迫り来る小高い丘をじっと見つめながら、「母のふやけた指=記憶の創造再編」、「丘=電波発信装置」、である事に気づいていたのだ。

 やる事はもう解りきっていた。私は、呆然として運転している彼の木製の義手を外すと、黒い機械の差込口に突き立て、PLAYボタンをONにした。そして木製の右腕アンテナと黒い機械は、素晴らしい、その性能を発揮してくれた。そう、セミの大合唱の代わりに、ちゃんと「母のふやけた指のような丘」から受信した重大な意味を持つ電波を最大限に増幅して、この世界中に響き渡らせてくれたのだ。


  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」
  「天才とは気まぐれの名人のことで、無意識の気まぐれ度数が天才指数になる」


 いい響きだ。私は、うっとりとした。そして、今さら言うまでもないが、黒い機械は、その言葉を永久に繰り返しながら、ガチャガチャと音をたてて巨大化してゆき、運転手をちゃんと両手のある配達夫に改造し、走り続けるジープを宅配便の小型バンに改造した。

 そして最後に黒い機械は、ガチャガチャと細い導線のような無数の工作手で私の全ての細胞を「記憶の開封前」に再編成し、私と同化した。


 かくして、私は、「白い大きな荷物」になって、こうして宅配便のバンに揺られながら、全ての記憶を吸い取りに、誰かさんの元へ配達されようとしているところなんです。


 犬が目覚めるためにゃ、誰かの記憶を奪うんだ・・・



                  


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「白痴の叫びぃいいいいいい!」:kipple

2005-08-13 00:55:00 | kipple小説

           田舎道だぁ!

           太陽だぁ!

           大樹だぁ!


 男が立ち上がったぁ!

 「さあ-、いらはい、いらはい

 今宵の月は、よく切れそうだぁぁあああっ!

 そうだ!

 あの太陽が近づき、大地の底がじわじわと熱くなってきた!

 あ~の頃の文化的円熟は、どうなってしまったんだぁあああ!」

 男は太陽に向かって話しかけたぁあ!

 「おい!太陽!よぉく聞けぇぇぇっ!

 熟した俺たちは、そのまま腐り落ちたんだぁぁっ!

 ザマアミロ!

 そのまんま、腐って、冷たいアスファルトの大地に、べっちゃり落ちて、

 からからに干からびて、風に飛ばされ消えちゃったぁ~!

 ヘッヘッ!!!

 もう、そんなものは亡霊でしかありゃしねぇや!

 現在は過去の歴史によって築かれるだとぅ!

 けっ!

 過去なんてのは今が過去になった瞬間に死んでしまった今の亡霊でしかない!

 ああ、すると俺が死んだ時!

 俺の人生はすべて現在の亡霊なのなら、死んだ俺!現在を持たない俺は、

 いったい何なのだぁああ!

 きっと俺は、何でもない!

 最初から俺は存在しないんだ!

 だから亡霊も存在しやしねぇえええええ!

 わかるか!

 そこの、ほおずきを、噛む女!!!」

 男は、ほおずきを噛んでる女を指差したぁぁっ!

 女は、眩しそうに陽を見、ほおずきを鳴らし続ける!

 キュッ、キュッ、キュッ!


 男
 「わかるか!このてて殺し!

 だから俺は、何をやっても良いのだぁ!

 存在しない俺が何をやろうと、誰も気にしやしない!

 わかるかぁぁぁああああああああああっ!」


 女は、ほおずきをクチュクチュしながら立ち上がり、

 すすきの枝を振り回しながら男に近づき指差して言ったぁあ!

 「あんた。あたしの、指に触れて・・・」

 男は、無言で女の指に触れたぁああ!


 女
 「ほら!あんた、今は存在してるでしょ!

 あたしの血を感じるでしょ。

 太陽の熱い日差しを感じるでしょう。

 それは、あんたが存在してるからよ。

 だから、あんたは何でもしていいわけじゃない。

 あんたは、いつまでたっても私の奴隷よ。

 私の言う通りに動く、私のお人形よ!」

 ほおずき女はニコリと笑ったぁああ!

 男は、「うん」と、うなずいたぁあ!

  うん?

 男と女は道の遠方から、

 ゆっくりやってくる1台の車に気がついたぁあ!

 車の横窓には、風鈴が下がっていて、

 それが、けたたましくゆれているぅうう!

               

-----------------------------------------------------------
「白痴の叫びぃいいぃぃいいい!」
                (大きな声で朗読)

------------------------------------------------------------
         
 車は、ゆっくりと2人の前で止まったぁあ!

 ドアが開き、男の手が現れたぁあ!

 それは、義手だったぁああああああ!

 「おい!あんたら、乗せてやるよ。

 乗りたいんだろ。乗りな!」

 男と女は無言のまま、その車に乗り込んだぁああ!

 そして車は出発したぁあああああ!

 運転手が木製の義手をコツコツ鳴らしながら言ったぁあ!

 「運転手は、一つの義務を背負っている人間だ!

 それはヒッチハイカーを助けてやるという事だ!

 この俺でもね!義務は守るんだ!

 それが車を持った人間の社会モラルだ!

 それは俺が片腕でも、ちゃんと2本腕のそろった人間でも

 同じ事だ!同じ事なんだ!

 いいか!お前ら!

 片腕だろうが、かたわだろうが、そんなものは見かけだけなんだぜ!

 みかけさ!えっ!くぅえっ!ぷわっ!

 えっ、おい、何が大切か?

 精神さ!モラル!

 心の正しい道徳が一番素晴らしいものなんだ!

 俺が、かたわだって、そんなものは、

 精神の崇高さに比べたら何でもない!

 俺は崇高な精神を持ってるんだ!

 ええっ、そうだろ!そりゃ肉体だってあった方がいい!

 でも肉体なんて、たかが知れてるんだぜ!

 肉体は滅びる!

 だが精神は、違う!

 肉体は動けない!

 だが精神ってやつは、どこへでも行けるんだぜ!

 この車みたいにな!

 ぎゃはははははははははっ!


 ほおずきを噛む女 は 言ったぁぁあっ!
 「Mr.シフレット!」

 運転手=シフレットは驚いたぁあ!

 「・・・何故、俺の名を知ってやがるんだ!」

 女
 「かたわで変質者の乳母捨てシフレットって言ったら、

 もうそりゃ、カルトな文学少女の間じゃ有名ですわ!

 何が道徳だよ、てめえ!

 自分の母親も、女房も捨てておいて!

 この、かたわもん!

 あんたの母さんはブタの様に臭いんだ!

 男と女は車のドアを開けて路上に飛び出したぁあ!

 ドアを開け放したまま車は疾走していったぁあ!

 Mr.シフレットは涙を流しながら言ったぁあ!

 「ぢぐじょう!神サマ、今の世の中、まったく腐ってる!」

 車はスピードを上げて、どんどん遠のいていったぁああ!

 女は、けたたましく笑って立ち上がり石を蹴とばしたぁあ!

 「ぎゃはははは!バカ糞野郎!」

 男は怒った顔で女を見上げて地べたにしゃがみこんでいたぁあ!

 「あんた・・・ひどい女だよぅ」

 女
 「へっ!ひどいって?だからって何だよ!

 あんたに何ができる!?

 あんたは、いつも何も出来ないんだ!

 何故?

 何かやりゃ、すぐ自分に責任が付きまとって、それを追求される!

 そう思って、それが、怖くて、

 お前にゃ、何もできやしないんだよ!

 この弱虫野郎!いじけ野郎!糞袋!

 男は、泣き出したぁああああぁああ!

 「でも、あの、せっかく乗せてくれた人に、

 あんな事、言うなんて!

 あんな・・・ひぃぃいいい-!」

 男は、もっと激しく泣き出したぁあああ!

 女
 「ちぇっ!まったくバカだねぇ!

 さっきの元気は、どうしたのよぉぉぅぅぅうう!

 あいつにゃ、あれくらい言った方がいいのよ!

 そうじゃなきゃ、あいつは一生、自分だけしか愛せないわぁぁあ!」



       太陽だぁああ!

       空だぁあああ!

       緑の木々だぁああああ!



 2人は歩き続けたぁああ!

 しばらく行くと、木陰で、ポカンと口を開けて、

 すわってる白痴の少女がいたぁあああ!

 男
 「なんだ!あの娘!アホみたい!」

 女
 「きっと、本当にアホなんでしょう!」



そして、それから男は、激しいほおずき女に見切りをつけて、その白痴の少女に、そのイノセンスに惹かれてゆくのでした。2人は恋に落ちました。その後幸せに暮らしたと伝え聞きます。

そして、それから女は、数年後に、さっき罵ったMr.シフレットに恐ろしくも残虐な復讐を受けたのでした。内蔵を引きずり出されて灼熱の大地にハリツケにされ死んでしまったとさ。




                    



             ( KIPPLE絶叫朗読会)


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「友人Z」:kipple

2005-08-13 00:25:00 | kipple小説


     友人Z


 僕は、ある日、《タバコを吸え》という、何かの指令を受けた。

 それは何か分からない。ただ、吸わなければならないのだ・・・

 そして、僕はタバコを買って、吸った。

 そして、その指令は何だか、何処から来るのか、だんだん分かってきた。

 僕の回りの人々は、皆、タバコを吸っているのだ。

 その圧迫感が、僕に喫煙を指令したのだ。

 そして今、僕は日に百本は吸うようになってしまった。

 そして悪夢ははじまった。

 僕は、いつものようにタバコをふかして、会社へ行った。

    友人Aにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Bにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Cにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Dにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Eにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Fにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Gにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Hにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Iにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Jにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Kにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Lにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Mにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Nにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Oにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Pにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Qにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Rにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Sにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Tにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Uにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Vにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Wにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Xにあう。彼はタバコを吸っていない。

    友人Yにあう。彼はタバコを吸っていない。

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 友人Zである僕は、再び指令を受けてしまった。

           《タバコを吸うな》

 その時、僕は初めて気がついた。

 僕の人生は・・・・僕の人生は・・・・・・

 僕は生まれてから、ずっと人々の圧迫感に負けて服従してきたのだ。

 大学だって、そうだ。

 僕は何の目的も持たず皆入るから入った。

 仕事だって、そうだ。

 皆が就職するから、就職して働いてる。

 ただ皆が会社に入って働くから。

 僕は、生まれて以来、ずっと友人Zだったんだ!

 そこで僕は考えた。

 よし、ひとつ、ここで逆らってやろう!

 独自の道を進んでやろう!

 これから新しい人生をはじめよう!

 新しいガニメデの神様のもとに!?

 それから僕は、タバコを一日千本も一万本も吸った。

 吸って吸って吸いまくった!

 そして、僕は癌になって今、死ぬところです。

 まだ、30才なんだよなぁ。

 でも独自の道を生きたんだから、まあ、いいか。

 さよなら、スパスパ

      

スパッッパパスッパ!スッパッパ!スパパパパッ!スパッッパパスッパ!スッパッパ!スパパパパッ!スパッッパパスッパ!スッパッパ!スパパパパッ!

スパッッパパスッパ!スッパッパ!

       

   (友人Zはみ~んながするのを確かめて後から始める僕たちの事だよ!)



                      


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「透明な月と蒸発高校生」:kipple

2005-08-12 01:34:00 | kipple小説


     透明な月蒸発高校生


 幼い頃、僕の回りは全部、透明だった。僕の世界は全部、本物で本当の事ばかりだった。世界は全て美しく透き通っていた。そして、僕は不死身だった。僕の事を何か神聖な、神様だか何かが絶対に守っていてくれている、そんな気がして、それを確信していた。

 夏の夕暮れそして夜、秋の夕暮れそして夜、冬の夕暮れそして夜、春の夕暮れそして夜、僕の家には風呂が無かったから、僕はお母さんと手を繋いで近所の銭湯に通った。行きは夕暮れ、帰りは夜、僕の中では思い出はそうなっている。思い出の中で、いつも月が出ていた。

 行きは真っ赤で物凄く透明で綺麗なお月様。帰りは真っ青で物凄く透明なお月様。お母さんと僕を行きも帰りも物凄く透明なお月様が追ってきた。ゆっくり歩いても早く歩いても月はどこまでも追っかけてきた。

「ほら、追っかけて来るから追いつかれないように逃げるのよ!」
 ってお母さんが言った。

 透明な月は、逃げても逃げても追っかけてくるので、僕は怖くなって泣いた。それを見てお母さんがゲラゲラ笑った。僕は泣いたけど、とっても楽しかったんだ。


 それから時が流れて、僕は高校生になった。僕の回りは全部、不透明になった。僕の世界は全部、偽者で本当の事は何一つ無くなった。世界は全て醜く濁っている。

 僕はすぐに壊れた。僕の事を何か邪悪な、悪意だか何かが絶対に傷つけ、もっともっと壊そうとしている、そんな気がして、それを最近、確信している。

 家に風呂があるせいで、夕暮れの月も夜の月も最近は滅多に見ない。たまに見ても月はぼんやり赤かったりぼんやり青かったりで、淀んで見える。濁った月が追いかけて来る。僕はちっとも楽しく無いし、嫌な気しかしない。

 毎日毎日、僕は授業が終わり、校舎裏の茂みから伸びている細い道の途中にある祠に行く。そして、その時、とてつもない妄念が僕の頭を横切る。

 人間社会で人間として暮らすために、本当は人間の生活において全く不必要であるに違いない、偽善への認識と嘘と蹴落とし合いの受容と全てに対する疑惑だ。妄念はどんどん膨張してゆき、巨大な淀みきった暗雲となって僕の回りをグルグル回って取り囲む。

 そして一服する。タバコを吸う。すると、その忌まわしい妄念の暗い渦は僕の回りからしばらく消え去り、しばらく忘れる事ができる。そして、又、僕は偽善と嘘と猥褻まみれの醜い腐敗しきった世界へ戻る。

                  

 それは現在の日本にとって、苛めや猥褻や虐待、虚偽と悪意と蹴落とし合いの陰湿な汚濁の連鎖が相変らず続く、とてつもなく平凡な日であった。しかし僕にとっては、とてつもなく重大な日なのだ。

 僕は前日、その前の日と続けてきた通りに、カバンに教科書をつめ込んでいた。開いた引出しの中には、この間の30点のテスト用紙とNETで引き出したアンチョコのコピーが見えた。僕は口を曲げてバタンと閉めた。そして、いつものように家を出た。

 家を出て、100mばかし歩くと、僕は石ころに、つまずいて転んだ。僕は、いつものように駅に着いた。僕は学校とは反対側の電車に乗った。

 それきり、僕は蒸発した。

             僕は  になった。


 気持ち良い強い風が吹いてくる。僕は口笛を吹いて、ずぅーっと続いてる草野原と花々の中を、タッタカタッタカ、歩く!僕は口笛を吹いたまま、突然、倒れる。ずっと口笛を吹いている。

 草花の上に大の字になって、寝転んで空を見ると、とてつもなく青く澄んでいる。透き通っている!

 しばらくして僕は、ゆっくりと腕を立てて、ゴロンと座り込む。花をくわえて、目を閉じる。僕の回りから淀んで濁りきった黒いタールのような雲がすっかり消え失せているのを確信する。

 こうしていると思い出す。そう、幼い頃、お母さんと銭湯へ行ってた頃の事。行きの月は物凄く透き通った赤いお月様で、帰りの月は、物凄く透き通った青いお月様だった。僕は無敵で、とても楽しかった。

 こうして、しばらく目を閉じていよう。口笛を吹いていよう。風に吹かれていよう。夕暮れになればカラスの声が聞こえるだろう。そうしたら目を開いて月を探そう。きっと幼い頃、銭湯の行きと帰りにお母さんと一緒に見た、あの物凄く透明な美しい月が見つかるに違いない。

 綺麗な真っ赤な透明な月を見つけたら、僕は、どこまでも走ろう。そうしたら、きっと、どこまでも月は僕を追いかけて来るだろう。そして夜になったら、きっとお月様は真っ青で物凄く透き通った月に変わるだろう。

 そして僕の回りは再び全て透明になり本当になり美しくなり、僕は不死身になる!


    きっと天にいる誰かさんは、
   あんたを気に入ってくれてるぜぇ!



                     


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「アトミック・ラブ・アフェア」:kipple

2005-08-11 01:57:00 | kipple小説


     「アトミック・ラブ・アフェア」


 コポレ君は、ある日、横須賀に寄港中のアメリカの軍艦を爆破しました。

 それも、たった一人で、超能力を使って、艦長の首をぶった切り、彼らの武器を逆さにして、空中に浮かせて、攻撃し、惨殺し、艦内を血まみれにしてから爆破しました。

 これはコポレ君の、何となく衝動的な気まぐれだったのでした。

 “がんばぁれぇ!9番!がんばれぇええ!9番!”と彼は叫びました。

 燃え上がる船を背に、コポレ君は群衆の中に一人の美しい女を見つけました。

 政府はあたふたし始めまして、米国に謝罪文を送り、原因の解明に必死になりました。またもや“誠に遺憾です。テロには屈しません。誠意を持って対処いたします”ときたもんです。結局、多額の賠償金を支払い、米国に有利な経済規約を結び始めて玉虫色に染め始めました。ケケ。

 米国は、ここぞとばかり弱みにつけ込み、核持ち込み放題!あらゆる日本製品に高額の関税をかけろと、ヨヨヨッ、詰め寄りました。さらに日本の軍備拡大まで暗に要請してくる始末でした。

 まあ、そんな事とは全く関係無しに、次にコポレ君は何気なく米国大使館と朝鮮総連の中央本部を破壊しました。館内の人間は皆、殺しました。

 さあ、政府は上にぃ下へぇの大騒ぎです。

 コポレ君はマンションの一室で百合の花を生けていました。ふと窓の下を見ると、下の道を、あの美女が通るのが見えました。

 さっそくコポレ君はマンションの階段を駆け下りて、彼女を追っかけました。

 追っかける途中、コポレ君は犬に噛みつかれ、足を傷つけました。動物たちは彼の危険性を知っているのでした。

 足から血を流し、追っかけ続けたコポレ君でしたが、商店街で美女を見失ってしまいました。

 コポレ君は人混みにもまれ、次第に正気を保てなくなり、叫びました。

 「俺は孤独だ!孤独だぁああああ!」

 コポレ君が頭を抱えて、しゃがみ込んだ時、北の空から爆音がし、空にキノコ雲が上がりました。
             
 商店街ではパニックが発生し、コポレ君は踏みつけられ、泣き出しました。

 そして何となく、近くにいる人間たちを殺し始めました。コポレ君の回りには死体が増えてゆきました。

 数時間経って、人々が去り、夕闇の中、死体の山の中にコポレ君は立っていました。

 ボ~ッと赤い月を見つめて、コポレ君は歩き始め、涙を流しながら言いました。

 「俺は淋しい。淋しい。誰も俺をかまわない。俺の帰るとこはない。」
               
 コポレ君は、そうつぶやきながら歩き続けていました。

 そのうち、後ろに小さな足音を感じてコポレ君は振り向きました。そこには例の美女がいました。

 「こんにちは!あたし、ポコルよ。」

 「あなた、あたしをつけていたでしょう。」

 コポレ君は人と、こんな会話を長いことしてなかったし、自分を偽ろうとする気持ちに罪悪感を感じたせいもあって、口がきけませんでした。

 「日本は終わりね~。」

 と女は笑いました。

 コポレ君は自分が許されたのと、その優しい笑みとに、激しい内的な感動を受けました。彼の心の奥から、今まで無かった不思議な熱いものが、こみ上げて来るのでした。

 それに近くに誰もいませんでした。2人きりで、2人は、2人きりゆえに親近感を覚えたのかも知れませんでした。

 ポコルさんはコポレ君のアパートにやって来て、2人きりで一緒にベッドに寝っ転がってTVを見ました。

 何だか、コポレ君は、とても暖かい気持ちに満たされ幸せでした。

 TVでは臨時ニュースを放映していました。

-千葉県に落ちた核ミサイルは北朝鮮のものらしく、ミサイルディフェンスの迎撃の輪をくぐって、一発だけ国内に入ってしまい防ぎようが無く・・・-

 有り難う。原爆。有り難う。北朝鮮。

 コポレ君とポコルさんは、その後、一生、2人幸福に暮らしました、とさ。


                   アトミック・ラブ・アフェア

              アトミック・ラブ・アフェア
          アトミック・ラブ・アフェア
   アトミック・ラブ・アフェア

     ちょ~っラブラブよ~



たとえ世界が滅びようと皆死んでいこうと、恋しいあの娘と一緒なら、ぜ~んぜん、関係ないの~!うひゃひゃひゃひゃひゃ




                     


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「街で見かけた小さな暴力」:kipple

2005-08-11 01:19:00 | kipple小説


     「街で見かけた小さな暴力」


私がはじめて、その少女を見たのは、3月も終わりの、ある暖かな午後のことでした。

少女は天使のように、お花畑の中にしゃがんでいました。

私は、しばらく少女から目が離せませんでした。

少女は花をいじくっていました。

私は少女に近づいていきました。

少女はお花をいじり続けていました。

そして私は爽やかなスポーツマンの笑顔で言いました。

いっひっひぃ、お嬢ちゃん、お金とペロペロキャンディーあげるから、おじちゃんと一緒においでぇ~、ほぅら、おじちゃんのウチはすぐ近くだから一緒においでぇ~、一緒に楽しく遊ぼぉ~よぉ~~ひぃっひっひっひぃ~

すると少女は勢い良く立ち上がり、いじっていたお花を引き抜くと、こう言いました。
 
「うぜぇんだよ!エロじじぃ!パンツなら百万で売ってやっけどそんな金持ってねーなら、とっとと消えろ、ばーか!何見てんだよ!キモいんだよ!キモい!早く消えないと、てめぇもこうなるって言ってんだよっ!」

そして少女は私の目の前でお花を地面に投げ付けて
グチャっと踏み潰しました。

私は何て時代になったんだと、この世を嘆き泣きました。

この世は腐っているぅぅぅ!

そして少女を監禁する予定だった私の家の地下室で詩を書きました。

ああモラルはどこに、目上の者を敬わぬか、ふぇんふぇんふぇ~ん

 












街で見かけた小さな暴力。

 


あたたかい家を出た。

冷たい街に出た。

冷たい炎を感じた。

オブラーゼで美化されてるな。

だまされないぞ。

頭の中でデモンが、つぶやいた。

書店の雑誌部に群がる、

沈黙の人々。

お花畑の可憐な少女。


とてつもなく醜い力を美化しているとてつもなく醜い力の存在を忘れまいと歩いた。

悪意の雨。

黒い傘の花が、街に咲く。 



                           


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)