元祖・東京きっぷる堂 (gooブログ版)

あっしは、kippleってぇケチな野郎っす! 基本、自作小説と、Twitterまとめ投稿っす!

『スタッド マーダーズ』:kipple

2006-10-31 00:43:00 | kipple小説

未完小説
全世界を熱狂の渦に巻き込んでいる未完小説!
絶賛の嵐と熱狂的な要望に応え!お届けする感動の第五弾!

 “路地裏の片隅で愛を叫んだ明日なき少女の鮮烈な青春!
  冷たい冬の夜に!マーコは叫んだ!!”


     『スタッド マーダーズ』


 冬の終わりにマーコは、その青年を発見した。やわらかく冷たい風が吹いていた。

 マーコは8才になったばかりだった。

 4日まえの誕生日に、両親にサドルが極端に低くタイヤのぶ厚いサンドバギーみたいな自転車をプレゼントされて(しかもブザーを押すと赤外線でケータイと連動してスミマセン・スミマセンと合成音を発し、ママのケータイに位置確認のメールが送信される)、目白台の路地津々浦々を気違いみたいに乗り回していた。

 マーコは学年でも優等のほうだったが、仲のよい友達を作り、そこそこに楽しく遊ぶという才能に欠けていた。

 彼女の両親は、娘が協調性よりも孤独と非日常的な空想の世界に埋没しているということに気づく才能に欠けていた。

 それでも両親は、その平凡な意識の底で、娘の発する負性のエネルギーに何か触発されるところがあったのだろう。娘を潜在的な識域下のなかでアウトドアに導こうと考えたのだ。

 そして、サンドバギー自転車のプレゼントと到ったわけだ。

 マーコは狂ったようにバギー・チャリを乗り回すようになった。

 とくに夜---授業がひけてから後---に、高速度写真のテールライトの流線型みたいに路地と路地の間を走り回った。

 その夜、学校から帰ってから前世紀の戦後の闇市のようなソフトウェア・マーケットを縦横無尽にバギー・チャリで疾走し、マーコは疲れ果ててイライライライラいていた。

 が、しかし、ある種のシンとした予感みたいなものがあった。

 サイケで混濁としたネオン群と無数の肉たちの間をぬってマーコは黙々と走り抜けた。

 反吐と酒の匂い。

 モニター群と発光ダイオード・ファッションのすえた匂い。

 あらゆるものがデタラメ過密状態にある2010年、終わりかけた冬の夜。

 その青年は、歩道に乗りだして尾光をつけたままにしてあるブリキ塗装の中型トラックと錆びたラクガキだらけのシャッターが降ろしたままの元・板金屋の間を、通り抜けようとしていた。

 そこに、マーコが通りかかった。
 青年はマーコにとっては、悪意のある邪魔者に過ぎず、当然、マーコが通り抜けようとする、その中型トラックとシャッターにはさまれた狭い道に愚鈍に立ちふさがるはずだった。

 マーコはトラックのオレンジの尾光に照らされながら、シャッターとトラックに挟まれた紐のような通路の入り口で自転車を止めて、青年を、じっと凝視していた。

 青年は意外な反応を示した。

 少女の傲慢で人間嫌いな予想に反して、青年はトラックの影に退散して、少女の自転車が通り過ぎるのを待ったのだ。

 マーコは、ちょっとしたショックを受けた。マーコの後頭部を何か清涼な感覚風が通り過ぎた。

 と!その時、トラックとシャッターの間の道を挟んで対面し、固まっているマーコと青年の廻りに、奇怪な笑い声が響いた。

 その笑い声は、シャッターとトラックに挟まれた狭く暗い道を、360度回りから囲むように、大勢が同時に発しているように、響いた。

 暗い暗い、どうしようもなく救いがたい世界の闇の底から響いてくるような笑い声だった。

 その大勢の人間が同時に発しているような声は言った。

 「私の名は・・・・私の名は・・・」

 マーコと青年は、身震いして、その声のする方向に同時に顔を向けた。

 ・・・・・・いた。

 ソレは、トラックの上に乗っていた。真っ赤な満月を背景に・・・。

 「だ・・・だれ?・・・・・・・」

 マーコは自転車を握る手を震わせながら尋ねた。

 「私の名は・・・・・・・・・・・・・」


 “私の名は・・・   
                     笑い仮面きっぷる!”
うひょひょひょひょぉ~~!うひょひょひょひょひょひょひょひょひょひょひょひょ~~~!うひょひょ、うひょひょひょ~!
うひょ~!





                  
未完!


未完小説。それは最初から未完として!未完を目指して書く小説!

必ず未完で終わらせる事・・・・・・決して完成しては・・・・・・・・・・・


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


『ニューロマンカー』:kipple

2006-10-30 00:47:00 | kipple小説

未完小説
全世界を熱狂の渦に巻き込んでいる未完小説!
絶賛の嵐と熱狂的な要望に応え!お届けする驚愕の第四弾!


     『ニューロマンカー』


 ノイズゲイトを抜けて「グランド・アニマ」の中央ポッドに超高密度解像PCMホログラムの5年前の僕自身を送り込んだ。

 ナビは、サイドカーに乗った相棒のジョニー・Mだ。敵の衛星スキャナーを攪乱させるためにジョニー・Mは狂ったように空中でサイドカーを走らせて、位置を特定させる事を防いでいる。

 5年前の僕自身は骨格手術と皮膚移植をする前で、まだ日本人的な外見をしていた。鼻梁線や腰骨あたりにアジア系人種のニュアンスがあった。ホログラムは忠実に再現していた。

 僕自身の実体は「グランド・アニマ」の水銀ノヴァ・ネオンの混濁した神経を逆撫でされるような熱気と色彩より、高度五百メートル上空に仮設された逆ピラミッド型のワークイットセルフ記念館のロフトから迷彩色の軍用のピッチベンドつきホロ・コントローラーを、操作している。

 あらかじめ「グランド・アニマ」の中央ポッドのサーキット・ホールにある巨大な球形発光ダイオード・スポットライト群のひとつに秘かに取り付けた多角度ヴィウ・スキャナーを唯一のたよりにだ。

 ジョニー・Mはサイドカーでワークイットセルフ記念館あたり一帯をメチャクチャに走り回り、敵の衛星スキャナーを攪乱させると同時に、僕の作業をナビしてくれている。

 僕は、ジョニー・Mから時折入ってくる音声信号を確認しながら、仮設ロフトの中で、まるでセミの抜け殻のようにしてニューロ・モニターにしがみついている。視神経にダイレクトに押し寄せてくる立体映像の波。

 5年前の僕のホロは煙りと喧騒とウルトラ・ハイ・サイケデリック・ファッションの渦に入っていく。僕はピッチベンド・コントローラーでホロの動きを加速する。

 その時、ジョニー・Mから、ノイズ入りの音声信号が入った。受信機はレッド5を点灯した。僕は焦って叫んだ。
「いったい、どうしたんだ!ちゃんとナビしてくれ!」

 すぐに、ジョニー・Mは僕の聴覚に音声データを暗号化して送り込んできた。
「・・・サイドカーがパンクした・・・・」と、ジョニーは言った。



 サイド・カーが・・・パンク・・・




 サイド・カー・パンク・・・・・・・・




 サイドカーパンク・・・・・・・・・・・




 サイバーパンク・・・・・・く・くるしいか・・・




                  
未完!


未完小説。それは最初から未完として!未完を目指して書く小説!

必ず未完で終わらせる事・・・・・・決して完成しては・・・・・・・・・・・


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)