Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

Campagnolo RECORD SF Road HUB グリスアップ

2014-10-21 20:03:10 | 自転車整備 ハブ
Campagnolo RECORD カンパニョーロのレコードハブのグリスアップを行います
オールドカンパと呼ばれる 40年程度前のハブです





カンパニョーロのレコードハブです スモールフランジの 36 穴 この頃のカンパは
本当に良く出来ています 40年経った今も回転部分は現在の物に引けを取りません






Campagnolo RECORD の刻印は地球マーク
黒いパーツは胴に開いたグリスホールの蓋です 
フリーはボスフリーを使います ネジの横の一本溝は
BSC 規格を表しこのハブには国産のフリーが取り付きます






クイックレリーズのレバーは直レバーと呼ばれる
真っ直ぐな物 これは後に湾曲した曲レバーになり
コニカルナットもこの臼型から鼓型になって行きます






前置きが長くなってしまいました 仕事を進めましょう
フロントハブの回転部です これは左右一緒の構造で
どちらから分解しても構いません






使う工具は玉押しに 13mm のハブスパナ
ロックナットには小振りなモンキーを使っています






ロックナットを緩め 外すと次はワッシャーです




最後のパーツは玉押しです これも外しましょう






玉押しを外すと反対側からシャフトを抜きます
ただ引っ張れば O/K です






ハブの玉受けにはスチールボールが入っています
これはバラ玉なので先の細い物で下に落として
やれば良いでしょう この辺は決まりは無いので
自分のやり易い方法でボールを取り出します






これでフロントハブの分解は完了です スチール
ボールは片方に 9 個入っていました これは良く
無くすので注意が必要です 玉受けから出す前に
数は読んでおいた方が良いですよ






続いてリアハブを分解します ここは左右で多少
パーツが違いますがどちらから進めてもする事は
一緒です 右側から行きます






リアは前と違いハブスパナを 2 枚使います サイズは
14 mm が二枚必要です ロックナットを緩めて外します




この時代のナットは裏に製造年の刻印が有ります 73'
1973年の製造です 41 年前ですね






右側にはスペーサーとワッシャが入っています
最後はフロントと同じで玉押しです






片方のパーツを全て外すと反対側からシャフトが
抜けます この中のボールを全て取り出すのも
フロントと同じです




これでハブの分解は終了です 今回の回転部の
構造がカップ&コーンと呼ばれる機構です






分解した各パーツを洗浄します これは屋外で
やりましょう 今回はガソリンを使います






分解したハブとガソリンを入れたステンレス容器






ガソリンを入れた容器に行儀良く部品を並べています
ガソリンが汚れると底に沈んだ部品が見えなくなって
しまいますから・・ 歯ブラシやこの様なブラシを
使うと便利ですね






部品達を綺麗に洗ってやりました グリスアップでは
この洗浄が大切ですね これはチェーンの洗浄など
全てに言える事です





もう花が咲き終ったのでしょうか 小さくて可愛い黄色ですね

今回のハブは前回のグリスアップから一度も使っていません 茶色くなっていたのは
高性能な潤滑剤の Microlon マイクロロンのルブリカントです この潤滑剤は著しく
摩擦を抑えとても良い状態を作ってくれます ただこれにも弱点が有り使わずに
相当年数が経つとこの様な状態になってしまいます この辺を詳しく綴った記事が
有ります 3 回に分かれています 良ければお読み下さい
過去記事 【 Microlon マイクロロンの 不具合 】

次の作業 【 41年前のカンパレコードハブ グリスアップ 】

 
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クリンチャー用チューブ バルブ部の保護

2014-10-18 20:14:30 | ホイール
最近は主流になったクリンチャーと呼ばれる W/O のタイヤに使うチューブ
これのバルブ付近の不具合が良く有る様です それを有る程度防ぐ事が出来る
簡単な方法を見て頂きます





タイヤのビートをリムのエッジに引っ掛けて取り付けるクリンチャーと呼ばれるタイヤ 
その中に使うチューブです これのバルブ部分で結構な頻度で不具合が起る様です




私はクリンチャーは使わないのですが
少し前に引き渡した知人の COLNAGO コルナゴ
これが最近パンクの神様に気に入られたのか
良くパンクをします






使っているホイールは MAVIC の KSYRIUM キシリウム
タイヤはパナレーサーの 23mm 巾です






チューブは Vittoria でバルブ部分には この様に
一枚、切ったチューブを使い保護しています 最近
このホイールが頻繁にパンク 乗り手にまだ修理の
講習をしていないので その都度出張しパンク修理を
していました






そして出先でスペアチューブと入れ換えた時
バルブの保護材を使わずにいたら 5km 程度の
走行距離でこの様にバルブの際が傷付きました
私の面子まる潰れです(笑)
と言う事はこの保護材はそれなりに役に立っていると
言う事ですね






この保護材は使わなくなったチューブを
必要な長さに切って作ります おおよそ
4 cm で良いでしょう これを切り裂き
必要な巾に切り落します






その切り落したチューブの穴開けに使うのは
ポンチが有れば良いですね これは 4.5 mm です






別にハサミを使っても良いですが ポンチの方が
簡単で綺麗に開ける事が出来ます 上がハサミ
下がポンチです








私が使っているのはポンチのサイズが替えれる物ですが
一般的にはこの様な物が売られています 数百円です
バルブの外径は 6mm なので 5mm 前後のサイズを
選べば良いと思います






バルブの根本はこの様な形状なのでここが保護
出来れば良いですね そのサイズは次に紹介します




二種類のサイズを作っているので見てみましょう
穴開けのポンチは全て 4.5mm を使っています






このサイズになると チューブの折り癖が残って
いますが 巾 2cm x 長さ 4cm です






それをバルブに付けるとこの様に充分バルブ周りを
保護出来ます






これはチューブの折り癖を避けて切り落したら
巾が 1.5 cm 程度です




それを使うとこの様な感じです リムのバルブ穴を
考えると ギリギリかな?
でもこれを使っていましたが大丈夫ですね





リムのバルブ穴を面取りしても相手は金属 それには勝てないですね
この保護材を使いタイヤを入れる時はビートに嚙まさない様に注意は必要ですが
廃棄するチューブでトラブルが減るなら一手間掛けても良いですね これからは
忘れずに使う事にします

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MAVIC GP4 に必要な ベッド

2014-10-16 20:08:01 | ホイール
古くから有るリムで MAVIC マビックの GP4 と言うチューブラー用リムが有ります
この中には製造時期に依り 通常のタイヤの張り方では少し不安な物が有ります 
その不安を解消するのにはしっかりとしたベッドが必要です






MAVIC GP4 今回ここで紹介するリムはマイナー
チェンジ後の物です 初期の赤い菱形と金色の
シールの物とその後のステッカーがこれと同じでも
初期の形状の物はタイヤを貼る上では特に問題は
有りません

※ 今回の記事は少し前に書いたものと被る部分も
  有りますが 前回のまとめ的なものです






この GP4 を使ったリムはトラック用に組まれています




貼って有るタイヤは SOYO のシームレスで
22mm 巾のしなやかなタイヤです






そのタイヤを剥すとリムとタイヤが密着していない
部分が有ります






こちらはステッカーは違いますが同じ形状をした
リムを使った後輪です






後輪にも同じタイヤが使われており こちらは
リムとタイヤが綺麗に密着しています これの差は
ベッドの厚さの違いが有りそうです 

これらのタイヤは私が張ったのでは有りませんが
他の仕事を見てもかなり腕の良い人がした仕事だと
思います 技術力はきっと私より上の人ですね






これらのリムセメントには SOYO の金リム用の
白セメンが使われていました






次は速乾性のリムセメンを使いたかったので
これらの古いリムセメントを剥離しました
最初は彫刻刀で削り落しています




一本でこれだけのリムセメントが削れました
かなりの量です






その後は塗料の剥離剤を使い全てを綺麗に
除去します




古いセメントは残っていません




これがマイナーチェンジされたリムの形状で
両サイドのリブが高く 谷も深くなっています 
この形状がタイヤ張りを難しくしています






次のタイヤを貼る為に新しくベッドを作ります
ここではボンド G-17 を使いました






ボンドをリムの接着面に塗り拡げ一晩乾燥させます 
ベッド作りは人に依り考え方が色々です 私は自分が
使うホイールには一回塗りで終わらせています






ベッドが出来たホイールにタイヤを入れます
今回は速乾性のリムセメンを使います






今回はタイヤを剥した時にタイヤとリムが密着
していない処も見ているので 普段より多く
又リムの両サイドのリブ部分にもセメンを塗り
タイヤを貼りました




タイヤを貼って一晩寝かせました セメントの
接着力が出ている時間経過です






ここでもう一度タイヤを外してみると 両サイドの
リブ部分にタイヤは接着していますが 谷底の本来
タイヤが接着する部分にタイヤが届いていません
これがこの形状の GP4 に不安を感じる処です






これを解消するのには この深い接着面から
この様なアールになるまでの厚いベッドが必要
だと言う事です これには一回のベッド作りでは
終らず何回かの作業と多量のリムセメントが必要
ですね





先日このリムの事を記事にしましたが今回はそのまとめ的な記事です
この深い谷では当然リムテープはタイヤが届かないので使えません
この様な事を理解しながら両サイドのリブにタイヤを丁寧に接着すれば
乗り方にも依りますがタイヤは外れずに使えそうな気もします
もし同じリムをお使いでしたら 少し気に留めておいた方が良いですね

幸いにもこのリムに関しては以前の記事以降 造詣が深い何人かの方から話が聴けました
特に人気サイト cyclowired シクロワイアードの編集長からはマイナーチェンジ前は
素晴らしいリムでしたが この後期型はレースでは使い難いリムですと ご自身の使用感や
多くの試合を見聞された経験からのお話しでした

前回の関連記事 【 MAVIC GP4 と言う チューブラーリム 】

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ゴム糊不要 イージーパッチの 接着力を確かめる

2014-10-14 20:47:08 | 自転車部品・用品
先日、ゴム糊の要らないパンク修理材イージーパッチを使ってみました
それがどの程度の接着強度が有るのか試してみましょう





自転車のパンク修理には一般的にゴム糊とパッチゴムを使います
最近はゴム糊が不要な商品も出ています 先日それを使い模擬修理をしました
それがどの程度接着しているのか試してみます






今回は Panaracer パナレーサーのイージーパッチと
言う商品を使いました Park Tool のスーパーパッチは
同じ 3M のものを使っていると言う案内を見る事も
あります






このパッチは説明書に従い丁寧に施工し
約 30分後の状態です これを剥してみましょう
剥し易い頂点を指先で摘み引き剥します






かなり強力な接着力です 一度で一気に行けません






かなり糊も伸び強固にチューブに引っ付いています
ただチューブが破れると言う手応えでは有りません
ゆっくりと力を加えて行くと徐々に剥がれて行きます






全てが剥がれました この接着強度を手応で表すと
チューブが破れるまでの接着力を 10 とすれば
イージーパッチは 7~8 と言う処でしょうか
パンク修理とすれば充分な手応えだと思います






そのイージーパッチはこの位の伸縮をします






こちらはゴム糊とゴムパッチを使った従来の修理です
これも基本を踏まえ丁寧に修理をしています 修理後
約 2週間でまだ使っていません






これも剥し易い所から剥して行きます かなり強い
手応えです




引っ張る力に耐えられずパッチゴムが千切れました






パッチゴムが接着力に負けています又パンクの
穴が大きければチューブが裂けそうな手応えです

これを先程の手応えで表すと 9 と言う処です








実際に使ってみないとパッチその物の摩擦などに
対する耐久性は分かりませんが 接着力に関しては
糊を使わないイージーパッチでも 使用に耐えられると
感じました





チューブに残った糊はシンナーで拭き取れるのでしょうか







シンナーをタオルに付けて拭き取ってみます






シンナーで拭けばこの様に綺麗に糊は取れます

パッチキットの取説には 修理を失敗すればもう一度
パッチを貼り直して下さいと有ります 又そこには
シンナー等の有機溶剤は使うなとも書かれているので 
少し矛盾は感じます・・ 修理をやり直す時、他の物で
この糊は除去出来るのでしょうか




ただシンナーを使うとチューブの方にもダメージが
有りそうで中性洗剤で良く洗いました そのままでは
表面がヌルヌルしています






パッチ本体はシンナーに対しどの様な反応を
するか浸けてみました




20秒程度の時間です 取り出して引っ張ると
伸縮せずに破れました 有機溶剤には影響を
受ける素材の様ですね 近付けてはいけません





今回の検証は実際に走行していないので検証としては不十分かも分かりません
実走行で問題無く使えると言う結論には相当な期間と距離が必要です

整った環境で丁寧な作業で修理をすれば私は充分使えると思いますが 修理後そのまま
使っていると空気が漏れた、剥がれたと言う事例も有る様です そんな事で緊急用だと
仰る方も居ます その辺は私には判断出来ません  
この商品はスペアチューブと一緒に携帯していれば 出先で複数回のパンクをした時には
きっと役立つとは思います

前回の記事 【 パンク修理用 イージーパッチの使い方 】

コメント (11)
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パンク修理用 イージーパッチの使い方

2014-10-13 20:10:08 | 自転車部品・用品
自転車のパンク修理をする時は一般的にゴム糊とパッチゴムを使いますが
最近はイージーパッチなどと呼ばれるゴム糊が要らないパッチが有ります
その使い方をご紹介致します






今回ご紹介するのは Panaracer パナレーサーの
イージーパッチキット 品番は RK-EASY と言う
商品です 定価は 483 円です

イージーパッチとは商品名で他のメーカーからは
グル―レス(TOPEAK) スーパーパッチ(Park Tool)
などの名前で販売されています






樹脂製の容器は中の商品に比べ余裕の大きさです
そしてその中身 黄色い物は取説です






黒いのはペーパーで若い番手の物(粗い)ですね
白い物がイージーパッチ これ自身は半透明の
乳白色をしています 6 枚入っています






パッチには台紙の裏の文字が透けて見えていました
パッチの大きさは約 25mm 角です






取説です 要約します
1) パッチを貼る部分を紙ヤスリで軽く擦る
  バリや凸凹が有る場合は出来るだけ平に
  なる様に擦ります
2) ヤスリは縦横斜めに擦る
3) ラテックス、ウレタンチューブにはヤスリを使わない

4) 擦ったカス汚れ水分を乾いた布で完全に拭き取る
5) 拭き取りにシンナー等有機溶剤は絶対に使わない
  パッチが付きません

6) パンク穴をパッチの中心にし裏紙を剥し貼りますが
  この時パッチの接着面には触れない事 空気漏れを
  起こします
7) 貼ったパッチの中心部より空気を押し出す様に指で
  強く押える
8) 圧着は必ず指で行いハンマーなどの道具は使わない

この様な事が書かれています






長くなりました では実際にイージーパッチを
貼ってみましょう




用意したのは先日パンク修理をしたチューブです
これの横で模擬パンク修理をします






取説には紙ヤスリと書いて有りますが 付属されて
いるのは布ヤスリです 特に問題は無いのでこのまま
使いましょう




平面は軽く擦る程度で良いですが 凸凹やバリが
有る場合は少し時間が掛ります






擦る前と擦った後 凸凹や段差を削るのはこの辺まで
ですね これ以上は反ってチューブを傷めるでしょう
凸凹の角が無くなり丸みを帯びたら良いかな






パッチは 6 枚綴りです ミシン目が入っているので
1 枚切り離しました






接着面に触れない様に裏紙を剥します
パッチの中心にチューブの穴が来る様に貼ります
貼る方向はチューブが伸びる方向に四角形の頂点が
来る方が良いと言われています それを踏まえ貼り
ました 






パッチの中心部分から外へ向かって指で強く
押し付けて行きます






指での圧着が終わりました 思っていたより
とても良い感じです そして簡単です






取説では指以外は使わないと書かれています
確かにパッチが薄いのでハンマーは良くないかも
分かりません でもこの様な樹脂で出来たローラー
なら問題は無いのじゃないでしょうか






段差の際や全体を丁寧にローラーで押えました
やり方、使い方次第ですがパッチに傷を付けない
様に気を付ければこの様な道具なら使っても
良いと思います





コスモスが綺麗な季節です つぼみから開花し始めているのでしょうか

今回のイージーパッチ とても簡単で従来の物と比べると手間要らずです
その出来栄えは想像していた以上に綺麗で良い手応えを感じます
実際に使ってみないと何とも言えませんが修理の部分では二重マルですね
この後接着力の検証もします そちらも是非ご覧下さい

次の記事 【 ゴム糊不要 イージーパッチの 接着力を確かめる 】

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